白子温泉 「白子ニューシーサイドホテル」

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 6月20日(火)17時52分2秒
  地名(温泉名)/ 千葉白子温泉
住所/〒299-4215長生郡白子町中里4482-6

名称/ 白子ニューシーサイドホテル

電話/0475-30-3555
ホームページ/http://www.shirako.or.jp/4shuk/html/shuk14.html
交通/外房線茂原駅から白子車庫行きのバスにて20分。中里下車。
★注意!  (このバスが曲者。…というのは、次の停留所の画面表示とアナウンス放送の停留所名が異なることがあるのである。異なっていた場合、正しいのはアナウンス放送のほう。そうでないと、私のように乗り過ごしてしまうことなる…。)

動機/ いつも砂療法に活用させて戴いている白子海岸。
    長年、綱吉屋さんを定宿にさせてもらっているが、砂療法ではなく、瞑想(【心の学校】)の合宿に使える場はないか、と思い、それだと民宿ではなくホテルスタイルが良いだろう、また出来たら温泉にも入れれば、湯治になるし、参加者にも喜ばれると思い、白子温泉近辺の宿を調べた。
    26件あり、それぞれの宿に電話をして、詳しい情報を聞いた。
    また、インターネットでも全て検索し、情報を得た。
    その結果、この白子ニューシーサイドホテルとニューカネイがどうも良さそうなのと、特に電話での応対が良かったため、どちらかにすることに決めた。
    その後、どちらに行くかで、出発間際まで迷ったが、白子ニューシーサイドホテルの部屋だしプランと足湯に惹かれて、ここに決めた。

宿の簡単な説明/ 海辺の古目のリゾートホテル。近くにあるニューカネイの姉妹店。35室200名(学生団体350名)

チェックイン&アウト/午後15時~午前10時

風呂/ △×
    露天 男1女1(別料金2100円かかる)
    大浴場(温泉の右側はジャグジー。白湯もある。)男1女1

湯質/○(消毒しているので△なのだが、原質は◎。加温あり。)
   ・泉名→白子温泉リゾーン(H-106号井)。
   ・源泉温度30,3度。・湧出量L/分、
   ・pH.7,5。 ・密度1,0217。
   ・泉質→ ナトリウム、塩化物強塩温泉。(弱アルカリ性高張性低温泉)
   ・陽イオン(総量12870ミリグラム)→水素イオン、リチウムイオン0,7、ナトリウムイオン11870、カリウムイオン361,1、アンモニウムイオン4,7、カルシウムイオン284,7、マグネシウムイオン389,9、マンガンイオン0,1、ストロンチウムイオン10,3、バリウムイオン4,0、第二鉄イオン2,6。
  ・陰イオン(総量20660ミリグラム)→フッ素イオン0,2、塩素イオン19550、臭素イオン203、ヨウ素イオン40,1、亜硝酸イオン0,2、硝酸イオン0,4、リン酸イオン0,7、炭酸水素イオン863,4。
   (非常に個性的な湯であることが、上記で解ろう。)
  ・遊離物質→メタケイ酸67,4、メタホウ酸19,2、遊離二酸化炭素27,0。
   ・微量成分→総砒素0,039
   ・総量。(なお、全て0、00のものは省略。平成17年3月30日。)

   美人の湯と称される温泉は、ヨウ素の産出量が高いことで有名な白子町に湧く温泉だけに、日本随一の含ヨウ素食塩泉なのだそうだ。
   しかし、ジャグジーのほうだとアルコールのような石油(?)のようなサウナの中のような鼻につく臭気は私には合わなかった。(臭素のせい?たぶん塩素も入っているためかもしれないが。)
   塩分濃度が高く保湿効果が高いが、塩素が残念。
   微黄白濁色。
   循環していてても、かなり多くの人が入るためか、あるいは循環殺菌しているためなのか、私が入った時には、もともとの湯よりかなり鮮度は落ちている感じがした。
   それでも、内感すると湯に入ってすぐに皮膚より素早く(まるで走っていくが如くに)体の内側にしみ入ってくる。(脳内にも来る時があった。)
  内体(=からだ=感覚的身体=潜在意識)、そして過去から影響されている深い部分に行く感じがし、実際、数分の入浴なのに浴後は、臨時でなく古くからの草臥れの場所である数カ所の痛みが浮上してきた。
   濁り湯の如く密度濃い感覚でありながら、内体(=からだ=感覚的身体=潜在意識)に迫ってくる湯である。

温泉力/ △○
  非常に個性のある湯であり、また良い湯なのに、殺菌その他が残念。
  (どうしても保健所からのお達しで殺菌せざるを得ないのだそうだ。白子温泉の宿には全て電話で一軒一軒確認したが、どこも殺菌と循環、加温はしている。)

接待/ △○
  ホテルということで考えると可もなく不可もないが、とても親切な対応である。

客室/ ○△
  海側の部屋(ここでは角部屋だけがそうなる)だったのが嬉しい。
 (客室からの景色/残念ながらオーシャンビューではないが、やはりそちら側に窓があると、とても明るい陽気が部屋に入ってくる。
  6階が景色が良いらしいが、それでも白子海岸は防風林の松林があるため、波打ち際は見えない。(屋上の露天風呂、足湯場からは海を望める。)

部屋の雰囲気/○&△
 二間あり、海に窓が面しているほうはとても良く◎の雰囲気であるが、もう一間は薄暗く×という感じ。ここの部屋にあたらないとなると評価は低くなるかもしれない。
  6畳二間に室内バルコニー(机と椅子2つ有り)、廊下(そこにも机と椅子2つ有り。6畳以上のスペース。)という一人ではもったいない広さと作りであった。(計20畳以上か。)
 (泊まった部屋/325 )

周囲/ ○ 白子海岸。
自然度/○
良い場所(イヤシロチ)?/○
    実際、ここ白子は不思議な場所だ。
    バスから降りるなり、去年の砂療法で来た時の感覚を思い出す。
    周囲のものや景色を見ていても、それが都会とは異なるという感覚だ。
    自然の景色が多いからという意味ではなく、ぴったりと見えない(認識できない)という感覚である。
    これは、逆に自分が数時間前、都会にいた時には観念を通して見ていたことの確認にもなる。(実際、今日は瞑想もしていないし慌ただしいまま来てしまったので当然なのであるが。)
★   なぜかというと…
    ものを見る時に私たちは常に色眼鏡を通して見ているのである。
    赤ちゃんはそうでないのだろうが、大人になれば、「あれは植物、あれは板」というように、ものに名前をつけて見てしまう。
    つまり観察を通して認識してしまうわけである。
    そして観察というのは、必ず観念の色眼鏡が入っている。
    観念の色眼鏡というフィルターを通さずに、赤ちゃんのように見たり聞いたり触れたり嗅いだり、感じたりするにはどうすればいいのだろうか。
    それを紹介したくて私は『氣道』という氣の道(自然に沿って生きる道)を提唱しているのであるが、その話はここまでとしておいて…
    (ご興味のあられる方は、『氣道』を紹介している「NPO法人『氣道』協会」に連絡して欲しい。http://npo-kido.com/ 電話(045-261-3300)、FAX(045-261-3304)
    ともあれ、ここに来ると、『氣道』での色々な方法を用いずとも、バスに降りた瞬間に赤ちゃんのような感覚になるほどの自然回帰力(?)があるのだろう。
    『氣道』の方法を用いずともこれだけの回帰力、瞑想誘導力がある場なら、そこで合宿を行ったら、さぞかし…、と思って今回来たわけであるが、その思いを強くした次第であった。

ビール/× (冷蔵庫にアサヒスーパードライの中瓶有り。600円。)
冷凍庫/△ (冷蔵庫の上がそうであるが、冷え方が遅い。逆に小さくとも物凄く早く冷える冷蔵庫もあるので、こればかりは仕方ない。)

部屋食/○(基本的には×だが、伊勢海老プランだと部屋食にしてもらえる。)
食事/△
  一遍にどっと来るのは私の好みでもあるが、そうした出し方で美味しいところは少ない。
  (少ないけれどもある。)
  なぜか、レモンが多くの器に備わっている。(合計4つ。)
  そういうのは、宿に慣れている方だと、食事の質もそれで分かるのだろうが、私としては氷水に使えるので嬉しくはある。

(氷)水/ △ 夕食時に頼めば出してくれる。(水道水なのだが、ここら辺の水は湯同様に密度こくとろりと美味しい。おそらくはナトリウム量のせいだろうが、綱吉屋よりはナトリウムは少ない。)

寝具(寝心地)/△
 海側の部屋での就寝はとても気分が良い。部屋の作りや方角といい真鶴に行ったようだ。
 (ただ、カーテンが薄いので、この部屋に寝ると6時には目が醒めてしまう。しかし、湯同様に様々な潜在意識の垢が抜ける眠りを得られるようだ。)

金額/ 7500円位~ (素泊まりはもっと安い。色々なプランがある。)

(一人/)○(ただし40%割り増しとなる。今回どちらに泊まろうかと迷った姉妹店のニューカネイのほうの洋室だと一人でも二人と同料金(!)である。)

通信環境(インターネットetc.)/○
総合評価/○
   (宿だけの総合評価となると△だろう。しかし安いので、この自然力(といっても「いわゆる自然」ではない)に触れたい人には非常にお薦めの場所である。)

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/○
 何にせよ、この場(土地)と海。
 (瞑想合宿(【心の学校】)参加者にも、この湯(白子温泉)は経験して戴きたいが、その意味で、その後、さらにいい宿が見つかった。)

温泉探索記(12) ((11)の続き。会報2006年:8月号掲載の文章。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 6月10日(土)23時50分53秒
  (前回の続き)
 今回の「湯治合宿」は行き先まで教えられていなかったとは!
(慌てて会報やチラシを見るが、たしかに何にも書いていない!! 書いてあるのは集合場所その他だけ!)
 なんでこんなことを言うのかというと、集合場所を最初から書けばここは…
(あっ!分かりました…なるほど。最初から書くとすぐに定員になってしまうということか。)

 結局、定員一杯の湯治合宿に連れられた私は、最終地点である宿に、ついに到着。
 そこのお風呂は、エメラルドグリーンであった。

地名(温泉名)/ 箱根芦之湯温泉
名称/ 松阪屋本店
電話/ 0460-3-6511
宿の簡単な説明/ 創業1662年。温泉自慢の宿。(「うちは、温泉だけが自慢です。」と仲居さんも言う。)明治の英傑は多くここに宿し、時事を入浴の間に談じ、その後は多くの皇族の方々や名士の御来館を仰いだ歴史ある宿。皇太子殿下をはじめ(宮内庁のたっしでパンフには書けないが12回いらしたそうだ)、蜀山人、賀茂真淵その他、江戸時代から多くの俳人、文人達が訪れていた。

 皆さんとの素晴らしい二泊三日の旅。(淨潤湯治之神の骨盤の穴追いや夢実現のご講義もあった。)
 湯は…
 素晴らしい。
 (なぜ、淨潤湯治之神が箱根の濁り湯にはまっていた私の耳を引っ張って、この合宿に連れていったが(残念ながら←注、これは会報では載せないように。思いっきり載せるようにという意味。)その意味がわかる。
  一度も温度が違わないのに二つの浴槽の湯色は全く異なる。その理由は科学的には証明されていないらしい。
  しかも、箱根の神秘と淨潤湯治之神が言うように道を挟んだ向う側(有名な宿がある)には、温泉は出ないとの事。
 まさに箱根の秘湯。(飲泉も出来る。アルカリ性の濁り湯というのでも全国的に珍しい。)
 裏のご神氣スポットこそ素晴らしいが、これ以上は紙数の限りがあるので、ここまで。
 (次回は、究極の濁り湯を探しに、ワダモさんと遠出に…)

※なお、今回のスポットについては、この「『自然』掲示板」の下の右のほうの(かなり下ですが)「次へ」をクリックすると、親分(劉邦=湯治之神)のコメントがちゃんと出てきます。
 前回の(11)での「湯の花沢温泉」「秀明館」「天山湯治郷」なども、私はやり過ごしたのですが、親分(そして、皆さんも)きちんと書いていますので、面倒くさいでしょうが、(やはりブログが便利だと思うな…)
 ぜひ、ご参照くださいませ。

温泉探索記(11) ((10)の続き。会報2006年7月号掲載の文章。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 6月 5日(月)17時36分17秒
  (前回の続き)

あいててて…!

「これはオードブルじゃ。」という声と共に耳殼を引っ張られた私は、『氣道湯治』チャーターバスに乗せられ、天山湯治郷からさらに箱根旧街道を登っていったのであった。

「ここで瞑想。」との淨潤之湯治神の言葉。
 バスは急に止まる。

 そこは、「お玉が池」。

 「まずは、ここの氣を味わいましょう…」
という湯治神の言葉を聴くまでもなく、ここは「シーン」という言葉を表現したい靜かさがある。

 バスの中、湯治神が「ここにはいつも鳥が一羽いて…」と言った言葉に、愛想の良い運転手が「その鳥は今日は休日なので三島に今行ってしまってます。」と答えていたように、残念ながら鳥はいなかった。

 時季的に箱根随一の景色の彩りではなかったが、その閑かさな別空間の味わいに皆満足。

 バスは芦ノ湖から箱根神社に。

 本殿に向う階段の両脇には樹齢数千年の杉が並び、ここを守っているかの如くの佇まいと共に、静謐な氣が漂う。

 本殿のすぐ隣が九頭龍神社。
 そこの水は芦ノ湖の地下からの湧き水で、一口漱ぐだけで心身が禊がれると言う。
 用意したペットボトルに水を組む。

 神殿からまっすぐ降りていくと、そのまま芦ノ湖にぶつかる。
 そこに湖に突き出した形で鳥居がある。
 ここが淨潤湯治之神のお薦め瞑想スポットで、全員、湖に向って瞑想と内感をする。
 とても気持ちが良い。
 きっとここの氣が箱根神社へとまっすぐ連なっているのだろう。

 バスは続いて姥子温泉「秀明館」へ。
 残念ながら時間の関係で秀明館の湯には入れなかったが、淨潤湯治之神の言う裏のご神氣スポットは素晴らしく、確かにこここそが箱根神社の原型なのかもしれない。

 続いて箱根で最も標高が高い温泉である「湯の花沢温泉」(湯の花温泉ホテル)に行く。
 うっほー、濁り湯だ。しかも空色なんて見たことない。
 少し焦げ臭い特徴ある湯はまったりとした感じ。
 湯質ウンヌンより、皆と一緒に入るのも楽しいものだなぁ。
 隣の女湯から淨潤之神の母上の声が聞こえてくる。
 (聞けば、今回の合宿は10年ぶり以上の外泊で、今回皆と行けるよう半年越しで淨潤之父にお願いしていたのだそうだ。
  今度はいつ行けるのだろう。ぜひまたご一緒したい、と皆が言う。)

 さてさて、そしてバスはついに今日の宿泊地に到着したのであった。
 (実は、参加者全員どこが目的地なのか知らないままの内緒合宿であったのである。)
 そこの湯については次号にて!  (つづく)

塔の沢 上湯温泉大衆浴場  (塔の沢の二大名湯を一年越しに掲げたので…)

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 6月 5日(月)17時25分54秒
  地名(温泉名)/ 箱根塔の沢
住所/神奈川県足柄下郡箱根町塔之沢112

名称/ 上湯温泉大衆浴場

電話/0460-5-7683

交通/箱根湯本駅から徒歩15分。(箱根登山鉄道、塔の沢駅から徒歩6分)

動機/箱根の湯の中でも塔の沢の湯が最高と福沢諭吉は言うが、私も箱根ではとても気に入りである。
   ちなみに箱根で一番のお気に入りは姥子温泉(秀明館)であるが、次は塔の沢か旧街道沿いの天山を初めとするアルカリ温泉、強羅の単純泉も湯河原の湯を薄くした感で侮れないが、濁り湯なら大涌谷経由の多くの所ではなく芦之湯松阪屋本店である。
   そして、塔の沢でのお気に入りは、何といっても福住楼であるが、続いては環翠楼。
   「よきや」は自家噴泉とそこで作っている温泉卵に惹かれるが宿が汚く風情がないのでまだ泊まるまでの勇気がない。
   「紫雲荘」は、×。(行ったのに感想さえも書きにくい。尊愛するJ先生のお気に入りだそうだが、その事も含め、湯氣さんが既に書いていらっしゃるので割愛させて貰っている。)
   「一の湯」は、客室露天の風呂だけが消毒無しらしいので行きにくい。
   「山の茶屋」は、消毒も循環もしているとのこと。
   そういうわけで塔の沢は私なりには完全制覇したかと思っていたが、一つ気になっている所はあった。
   それは国道一号線沿いにある大衆浴場。
   しかしあまりに汚らしいので入るのに躊躇していた。
   それがある時、氣道の個人指導(=整体)をしていた時に、受けられている方から「塔の沢に住んでいる人は何故か長生きなんだ、って箱根のお坊さんが言っていた」と聞く。
   確かにあの湯は素晴らしいからな、と思っていると、すでに整体を受けられた方から声が!
   「私の親戚は塔の沢に住んでいて以前はお土産屋をやっていたのですが、そばに公衆浴場の源泉をその親戚ともう3名の方と共同で持っていて、小さい頃はよく只で入らせてもらったんです。」
   おやおや、あの気になっていた銭湯が!
   それは行かねばなるまいと思って旅に出る。

風呂/ ×
    箱根旧街道の弥坂湯(公衆浴場)のあの素晴らしいレトロな風情ある感じとは違う。同じタイル張りなのであるが、弥坂湯のような丸い風呂でなく5人でギューギューの小さな長方形の浴槽。

湯質/ △
    浴槽には湯の噴出し口が一つあるだけの源泉100%掛け流し(消毒&循環&加水無し。ただ加温有り)建物の裏が泉源になっていて、その湯を循環なしで使用している。
  ただし、温度が若干低めなので加熱を行なっている。
  そのため、残念ながら湯船から湯をオーバーフローさせてはいない。

(以下、着替え場所に掲げてある成分表をメモして転載。)

 手間ついでに、環翠楼のデータと比較できるように、環翠楼の湯をも( )内に記載してみた。本当は福住楼のデータや弥坂湯(ここは塔の沢ではないが)などと比べると面白い。)

   ・泉名→上湯温泉大衆湯。・台帳番号→湯本ダイ50号泉。
   ・源泉温度→ 39,6度。
   ・pH.→ 8,9
   ・泉質→ アルカリ性低張性高温泉。
   ・陽イオン(総量70,7ミリグラム)→リチウムイオン0,01(〃)、ナトリウムイオン63,2(144)、カリウムイオン0,56(1,56)、カルシウムイオン6,60(22,8)、マグネシウムイオン0,017(0,05)、ストロンチウムイオン0(〃)、第一鉄イオン0,01(〃)、アルミニウムイオン0,325(0,03)、亜鉛イオン0,005(0)。
  ・陰イオン(総量149ミリグラム)→水素イオン0,17(0,14)、フッ素イオン0,099(0,32)、塩素イオン49,7(126)、硫酸イオン28,7(131)、炭酸水素イオン50,5(30,5)、炭酸イオン3,84(1,85)、硝酸イオン3,31(1,75)、リン酸水素イオン0,752(これは特徴。環翠楼は無し。)」、メタケイ酸イオン11,3(8,06)、メタホウ酸イオン0,685(2,36)。
   ・遊離物質→メタケイ酸57,3(51,5)、メタホウ酸1,14(4,83)、遊離二酸化炭素0(0,06)。
   ・微量成分→総砒素0,274(0,184)。

温泉力/○
接待/○
客室/二階には休憩所も有る。(有料)
周囲/△
自然度/△○
良い場所(イヤシロチ)?/△○
金額/450円。
時間/9:30~21:30 9:30~19:00(休憩) 水曜定休。
総合評価/△ ここの湯と福住楼や環翠楼の湯とは違う。(成分表を見てもお分かりだと思う。)
   また、ぜひ伺い内感してみたい。
   (内体(=からだ=感覚的身体=潜在意識)の変化も再度チェックしてみたい。)

http://npo-kido.com/


数々の校正。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 6月 5日(月)16時59分24秒
  下の環翠楼の湯質の、成分表の不備(陽イオンについて)と強羅環翠楼の項を校正。
(今回はこのように掲げているが、以前より適宜必要な時は校正している。
 今後もそのようにする故、一度見た宿の説明が変わっていることもあると思うが、ご了解頂きたい。)

http://npo-kido.com/


環翠楼

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 5月26日(金)19時59分36秒
  地名(温泉名)/ 箱根 塔之沢温泉
住所/〒250-0315
神奈川県足柄下郡箱根町塔之沢88

名称/ 環翠楼

電話/0460-5-5511
ホームページ/http://www.kansuiro.co.jp/
交通/小田原駅か箱根湯本駅からバスで上塔之沢(当館前)下車。
   車だと湯本からタクシーで約3分。バスで約5分。(旅館組合共同マイクロバス有料 100円(駅~当館)もある。)
   ただ「福住楼」の項にも書いたが、塔之沢に一度も行っていない方は箱根湯本駅から歩いていくのもいいだろう。
   駅からそのまま道なりに国道を歩けば左側にある(福住楼もそうだ。そこから十数秒。)
   15分位だが場の違いを歩きながら味わえて面白い。(早川の水鳥たちにも出会えること多し。目を凝らすとどこかにいることが多い。)

動機/国の重要文化財に指定されている歴史ある宿に泊まりたく、福住楼のあとはぜひここを訪れなくては、と思っていた。

宿の簡単な説明/環翠楼の前身は「元湯」と称されていた。現在では国の有形登録文化財に指定されており、元湯の歴史は慶長19年(1614)の開湯にはじまり箱根七湯の一つとして知られている。
        また、明治の元勲伊藤博文や西園寺公望など政界の大物や島崎藤村などの文人が多く訪れ、明治23年伊藤博文が宿泊した際、当時の建物を環翠楼(緑の木々に囲まれた高殿の意)と詠んだ漢詩を贈り、以後「元湯 環翠楼」となった。
        現在の建物は大正8年~13年の建築で、全国各地より集められた銘木で造られた木造4階建ての和風旅館。
       宿の説明によると「早川の渓流に建つ露天風呂からは春には新緑、秋には紅葉と季節を感じられ、料理は旬の素材を生かした月替わりの懐石風料理をお部屋食でいただけます」とのこと。

チェックイン&アウト/午後3時~午前10時

風呂/ △〇
    露天 男1女1(もみじが美しい)
    貸切風呂 2(3階が末広の湯、1階が養老の湯。どちらも無料&予約無し。)
    内湯 男1女1 家族風呂1(×)
    岩盤浴有り。

湯質/ 〇(~◎)
    源泉100%掛け流し(消毒&循環&加水無し。加温有。露天は循環有。)
   ・泉質→アルカリ性低張性高温泉。
   ・泉名→塔の沢温泉。台帳番号湯本第37,50,110混合泉。(即ち3本の源泉より引いたかけ流し)神経痛、リウマチに効くと言う。
   ・源泉温度48,2度。・pH.8,9。
   ・陽イオン→リチウムイオン0,01、ナトリウムイオン144、カリウムイオン22,8マグネシウムイオン0,05、ストロンチウムイオン0、アルミニウムイオン0,03。(0のものは省略)
   ・陰イオン→水素イオン0,14、フッ素イオン0,32、塩素イオン126、硫化水素イオン0、硫酸イオン131、炭酸水素イオン30,5、炭酸イオン1,85、硝酸イオン1,75、メタケイ酸イオン8,06、メタホウ酸イオン2,36。
   ・遊離物質→メタケイ酸51,5、メタホウ酸4,83、遊離二酸化炭素0,06。
   ・微量成分→総砒素0,184。 (平成16年12/13)

  福住楼と同じpH.の強アルカリ性の湯。柔らかくまろやか。
 (この「まろやか」という表現は更にpH.の高い丹沢の湯(pH.10以上)にはあまり当てはまらない。ここは、雪のような、あるいは雪が溶けるが如くの感じ。真綿で包まれるという表現も適している。丹沢だと「まろやか」というよりはもっと蕩け(とろけ)るような感じだ。そうした湯質の美的観点からすると、ここや湯本のアルカリ性温泉のほうが日本人の美意識(肌の美意識)には合っているかもしれない。ただ、丹沢は丹沢で強力な心身への促しのある素晴らしい湯である。)
  露天は循環をしているというが、その行い方はゴミを覗くだけのような感じがする。
  以前入った時は、この露天の湯の印象が強かったが、続いて循環していない内湯に入ると非常にまろやかな肌触り。内感(体の内側を感じる)しても、こちらのほうがきめ細かく浸透率が良い。
  顔のわずかな汗ばみから、「おっと、私の内感のスピードよりも心身(からだ)への影響、浸透度合いのほうが早いぞ。」というアルカリ性単純泉の持つ凄さを感じられる。
  また、循環している湯のほうが湯触りだけはまろやかなことが多いが、ここは逆なのを感じてみると、そうしたまろやかな湯触りの循環というのは、循環システムの中に例えば活性炭などの濾過媒体を入れているのではないだろうか、と感じた。
  ここは、そうした濾過媒体があまり入っていないため、循環のほうがかえってまろやかさが減っていたのではないか、と考えるのである。

温泉力/ △〇
接待/ 〇(声の掠れた(かすれた)仲居さんがとても素晴らしい。

客室/ 〇 (早川まで浴衣で散歩できるのが気持ち良い。ここの敷地内なのである。)
(客室からの景色/ 〇
 雰囲気/ 〇
 泊まった部屋/ 寿慶(客室風呂付き。角部屋で風呂付きでとても良かった。ここは◎)。二回目は33号(トイレ無し)。)

周囲/ △
自然度/ △×
イヤシロチ?/ 〇 (ここの宿はイヤシロチである。福住楼もそう。)
ビール/ ◎ (生ビール有。アサヒだが。)
部屋食/ 〇
食事/ △〇(お品書きがある。簡易懐石のためかきちんと時間差で来る。それぞれの品質で言えば一緒に出ても同じであろうが、温度差の問題があるのだろう。舟盛り付きのサービスがあった時(一回目の時)は豪華であった。福住楼は繊細という感じ。)

(氷)水/×△(あらかじめ用意して下さるのが嬉しい。ただ氷は入っていない。それで二回目の宿泊時には「氷入りで…」と言うと、「入っていなくとも冷たいですよ」…と言われた。それは冬でしたから最初は冷たいですが…。)

寝具(寝心地)/ 〇
金額/ △ 19050~(もちろんこの金額はいつも「『自然』掲示板」では一泊二食の値段である。
  ただ一人だと3万円代になってしまうのが非常に残念である。)

通信環境(インターネットetc.)/ ×△
総合評価/ ◎(二回目の時は△)部屋とサービスが随分と違っていたため。

今後/ △〇一回目の時は◎であったが…。ただ、あの女将さんに合うためにまた来たくはある。
    (次回は、寿慶と同じ早川側の「清流」か「あじさい」、あるいは少し落ちて山側の「山吹」か「桔梗」。できれば客室露天のある「もみじ」に泊まれたら嬉しい。どれも客室風呂付きの部屋だ。離れの洗心亭はスタッフと行きたい。洗心という文字も私の前世と言われていた松原咬月氏の団体の名前と同じで興味深い。)

http://npo-kido.com/


続けるため、次も箱根塔の沢で。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 5月26日(金)19時38分31秒
  次の宿も重要文化財に指定された宿。

http://npo-kido.com/j-j.html


箱根 塔の沢温泉 「福住楼」

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 5月14日(日)22時10分43秒
  地名(温泉名)/ 箱根塔之沢温泉
住所/〒250-0315 神奈川県箱根町塔ノ澤74

名称/ 福住楼

電話/(0460) 5-5301

ホームページ/http://www.fukuzumi-ro.com/

交通/小田原駅か箱根湯本駅からバスで上塔之沢(当館前)下車。
   車だと湯本からタクシーで約3分。バスで約5分。(旅館組合共同マイクロバス有料 100円(駅~当館)もある。)
   ただ、塔之沢に一度も行っていない方は箱根湯本駅から歩いていくのもいいだろう。
   駅からそのまま道なりに国道を歩けば左側にある。15分位だが場の違いを歩きながら味わえて面白い。(早川の水鳥たちにも出会えること多し。目を凝らすとどこかにいることが多い。

動機/ 生れて初めて一人で温泉に行こうと思い立ち、ならば最も自分に合っているのはどこか、と調べた。箱根が近場ということもあり、週刊朝日に嵐山光三郎が日本一と推薦していたその文章(湯質の素晴らしさと宿の落ち着く佇まいが絶品との事)に魅かれて行くことにした。

宿の簡単な説明/夏目漱石、島崎藤村、川端康成、福沢諭吉など時代を象徴する多くの文人墨客が常宿とした、明治23年創業の老舗宿。
        有形登録文化財の建物は、今では珍しい木造3階建て(全館が登録有形文化財)。
        玄関をくぐり奥へ奥へと進むうちに、静寂と歴史の名残が色濃く感じられ、回顧の情に包まれるだけでなく、身体感覚も変化していく。
        なお゛福住楼の名称の由来は福沢諭吉による。
  (彼は箱根七湯(そのころはそうであったが現在では増えている)の内、ここ塔の沢が一番と記述している。私は一番は紹介済である姥子温泉(秀名館)と思うが、そしてそこは場の氣的にも箱根の根本とも言える裏臍(箱根神社の裏番長)を担うと感じているが、しかし様々ある箱根の湯を100以上味わったあとで落ち着く感じとなるのがやはり塔の沢になってくる。
      (箱根は本当に奥深い。1m違っただけで湯質が全く変わることもある。濁り湯もあれば塩化物泉もあればと、この小さい区域の中でなんでこんなにも何十種類の湯質があるのだろうか、と思う次第である。)
        これは現在(2006年)のまだ湯治研究9ヶ月の感覚なので今後変わるかもしれないが、特に天山湯治郷を初めとする湯本近辺の湯を味わう毎にその思いは強い。
        そんなことを思っていたところで、はつはな(蕎麦屋ではなく宿のほう)の親戚のお坊さんの言葉を聞く。
        やはり姥子(秀名館)の湯が最高と言いながら、「なぜか分からないのだが、塔の沢の近辺だけは皆長生きなんだよ。」と不思議がる、というエピソードに私もまた他の湯との違いを再確認したく思い、おそらくは単なるアルカリ度ではなく、潜んだ瞑想誘導力などであり、その秘密は近くの湧き水にあるに違いないなどと楽しみにしているのである。
         (なお、今後は、他の宿同様、この文章に追加する形で書いていくつもり。編集済の記載が右袖に載るであろうが。)
         なお、ついでに言えば、そのお坊さんの話が盛り上がっている時に、「えっ、いつ話に参加しようかと思っていたのですが…」と整体後で休まれていた方。
         なんとその方は、福住楼の目の前のお土産屋さんのご親戚なのだそうだ。(今は、そのお土産屋はないがご親戚はそこに住まわれているとの事)
         不思議なご縁と共時性(シンクロニシティー)を感じながら、その方もまた「確かに、みんな長生きなんですよねえ」と言う。
         「氣道」は生の充実の道であり自然の運びに沿う道である故、長生きは全く目的にしていないが、しかし長生きの原理は身体の自然性を知るためにも有益な情報とはなろう。今後、確かめたくなる所以である。
         なお彼女は、福住楼から少しだけ国道を湯本駅を背にして上に登って左側にある公衆の鄙びた浴場にいつも行っていたらしいので、今後はそこも味わわせて戴かなくては…)

チェックイン&アウト/〇 午後2時~午前10時

風呂/ 〇~◎
        松をくりぬいて組み合わせた大丸風呂と、岩風呂は男女入替制。
        いずれの湯殿からも無色透明のやわらかな源泉が、ひたひたとかけ流しであふれている。
        (大丸風呂は何度入っても本当に嬉しい風呂だ。整体のY先生は岩風呂のほうが好みらしいが、大丸風呂(あるいは小丸風呂)は品と風情がある。
         なおどちらかには24時間入れる。
    3回目に訪れた時、淵を枕に、岩風呂の中で寝そべっている方がいた。「あ、修善寺の「うえだ」や「船原館」ではないが(←詳しくは「うえだ」「船原館」の項を参照ください。)、あの体勢は「温泉瞑想」&「内感」には、特に初心者は力が抜けて行いやすいと思った。
    真似をしてなおさらそう思う。
    座っての瞑想(座禅)と、寝てての瞑想(臥禅)との違いと相似象である。
    座って行う意味はあるが、リラックスの深まりという意味では、寝て行うことも時に試す必要があるのかな、と岩風呂での臥禅&内感にて思ったのであった。
    (なお、いつも、岩風呂の岩の近辺には湧き水が流れている。
     大丸風呂(&小丸風呂)にも入れることができるのであるが、湧き水の入っているあたりの湯感はまろやかで素晴らしい。(密度も温泉よりも低い感じである。)
     ここの湧き水についての感想は、下記「湯質」にも書いたので参考にして欲しい。)
    内湯 大丸風呂と小丸風呂。それに岩風呂。(朝夕で男女交替)
    家族風呂 1

湯質/ 〇~◎
    源泉100%掛け流し(消毒&循環&加温無し。源泉温度が高いため加水(近くの湧き水)のみ。)
    (以下、いつものように、着替え所に掲げてある成分分析表を書き写す。)

   ・台帳番号→湯本第37号。(地下106m。なお源泉名は記載無し。)
   ・源泉温度61,9度(隣の分析表では63度。天然の湧き水で湯温を調整)。湧出量/分、PH9,0
   ・泉質→ 弱アルカリ性低張性高温泉。
   ・成分総計0、721グラム
   ・陽イオン→リチウムイオン0,01、ナトリウムイオン190、カリウムイオン1,81、カルシウムイオン33,5、マグネシウムイオン0,03、第一鉄イオン0,04、アルミニウムイオン0,03。
  ・陰イオン→水素イオン0,17、フッ素イオン0,41、塩素イオン193、硫酸イオン214、炭酸水素イオン14,9、炭酸イオン1,14、硝酸イオン0,08、メタホウ酸イオン9,94、メタホウ酸イオン4,35
   ・遊離物質→メタケイ酸50,5、メタホウ酸7,05、遊離二酸化炭素0,02。
   ・微量成分→砒素0,19
   ・総量721。(なお、全て0、00のものは省略。平成17年5月12日。)
※近くの環翠楼はここの源泉にあと二つの源泉を混ぜている。
  (なお環翠楼と比べると、大雑把に言えば、硫酸イオンがここは2倍、メタホウ酸も2倍近くあるのが違う部分。)
   ・足を入れた瞬間から「おおっ」と思わせる。肌に真綿の如くに柔らかくまとわりつくのである。
    実に柔らかくまろやかで。
    アルカリ性単純泉の素晴らしさである。
    ここよりもpH.度が高くさらに蕩けるような湯も湯本にはあるし、また丹沢には多いが、ここの湯は、柔らかく円やかなだけでなく、「貴人の感」がある気『品』と『格』も備えている。
   ・源泉は湯船の下から絶えず出ている(オーバーフローと言うのか?)。
    温度が高いため、すぐ裏の湧き水で加水調整をしている。
    (岩風呂のほうの湧き水は湯坂山の洞窟に湧いている清水。)
    大丸風呂にせよ岩風呂、家族風呂にせよ、どうも加水のための清水がかなり良い水のような気がする。(場合によっては湯以上にまろやか。)
    もしかしたら、他所と比べてこの福住楼の湯が傑出している感じがするのも、清水のせいなのかもしれない。
   ・湯の影響は、皮膚から内体(=からだ=感覚的身体=潜在意識)にすーっと染み渡り、目を閉じ内感していると瞑想状態に誘われ、体が気体化してくる。
    (同時に足が浮いて沈みそうになるので、そこで内感(瞑想)を止める。なお、足が浮くことについては萬岳楼の項で少し触れているので参照まで。)
    入ると肌がツルツルになるように美肌効果はもちろん、様々な器官に影響がある。
    アルカリ性単純泉特有の潜在意識への影響も大きいが、ここの湯は心身の芯の疲れを取りながらも、自分の本源を確かにするような感じがある。
    余分な自分や疲れが取れていくことによって、本来の自分が明確になり、そのため居心地のよい静かで落ち着いた感じになっていく。
    これは湯質だけのためではなく、宿全体の氣(雰囲気)とのコンビネーションによって生れる相乗効果もあるだろう。
   ★そのように、全く同じ湯であっても、宿の雰囲気によって効果が変化する部分もある。
    ちょうど同じ音楽が場所が変わると異なって聞こえるように…。
    また、宿の氣だけでなく、接待や食事その他全体のそれぞれが、湯の効果に変化を及ぼすことはもちろんである。
   ★また、湯質自体もが、様々な要素で変化するのは面白い。
    このことは、別の宿の項でも委しく書いたが、湯に対する宿側の思い入れや実際の手のかけ方、源泉から湯船までの間の配管、浴室のある土地や浴室の氣、そして宿全体の氣(雰囲気)までもが、湯質に大きな影響を及ぼすのである。
    (ぜひ、そうした面にも配慮して、湯を味わって欲しい。)
   ────つまり、温泉(湯質)とは、その湯自体だけではなく、その湯に関わる様々な要素によって変化する。
    そして、そうして出来た温泉(湯)の影響もまた、宿の雰囲気をはじめ様々な要素でもって変化するのである。

   ・飲泉するとまろやかな甘さが喉越しが良い。
    (大丸風呂だと、その湧き水を入れる竹筒を持ち上げてできる。特に向って左側の小丸風呂だと行いやすい。)

温泉力/ 〇~◎
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ◎ 一週間。
接待/ ◎
     配慮も行き届いているのはもちろん、自然な対応で品格がある。

客室/ ◎(三重マル。客室もすべて文化財である。)
(客室からの景色/ 〇
 雰囲気/◎ 居心地が良く、まるで自分の部屋のように自然な感じで馴染んでしまう。
 泊まった部屋/ 一回目は竹参。2回目は竹五(往年の名優、坂東妻三郎さんが新婚旅行で泊まった部屋。)にスタッフと整体研修合宿のため活用させて戴いた。三回目は一回目と同じ竹三。ここも良い。)

周囲/ △〇

自然度/ △〇

イヤシロチ(身心を活性化させる良い場所)?/ 〇

ビール/ ◎(サッポロ生ビール有!)

部屋食/ ◎(料金を考えると三重マル。)

食事/ ◎ 繊細で気がこもっている。(米を研ぐのから全て天然の湧き水を使用。箱根では5本の指に入る夕食だろう。)
 ※まず知られない情報→ 夕食以外に夜食も注文できる。(つまり、素泊まりで夜食のみも出来るのである。) おにぎり、天麩羅、お新香、おむらいす、などがあるが、試しにオムライスを注文した。銀座煉瓦亭や横濱梅香亭などを思い出す古き洋食を味わえるのかと思ったが、残念ながら安めの鶏肉入りケチャップライスをふわふわのオモレツで包んだものであったが、和風建築の中で味わえる雰囲気は、20年ほど前に行った人形町の有名洋食屋以来であった。)


(氷)水/◎(ポットで出してくれるのが嬉しい。
       それどころか…、水道の蛇口も湧き水なのだそうだ。(もちろん青いほう))

寝具(寝心地)/ △×(足を伸ばすとはみ出てしまう。冬なのであともう一枚薄手の布団が欲しかった。3回目宿泊の時に伺うと、押し入れの中から勝手に出して良い、のだそうだ。)

金額/ ◎ 15900円~
(一人だと25000円~ (ただ私の場合、一人の二回目は21000円位であった。(朝食抜き))

通信環境(インターネットetc.)/ △× (窓側(早川側)に行けば何とか繋がるか繋がらないかという感じだが、部屋の中でも繋がることもある。)

総合評価/ ◎ (普通、温泉宿は上記の項目にムラがあるのだが、ここは総合点が高い。そして、全てに気がこもっている。)
   愉氣さんが以前「氣道」協会の会報に書いていたように、
  ★湯治(温泉)というのは、湯を通して皮膚感覚や日本文化を通して「氣道」を深めるだけでなく、
   「福住楼」のように国の重要文化財にまで指定された数百年の歴史を持つ宿は、湯だけでなく、そこにいるだけでも皮膚から伝わってくるものがある。
  空気が違うというのか。
  …となると、これは呼吸法にもなっている。
  そして、少なくともある佇まいという香りを味わうという意味では「嗅覚」からの感覚開発にもなっている。
 また、「視覚」を通しても様々な目の保養もできるし、仲居さんをはじめ宿の方の接待や所作から「気配り」「気遣い」の勉強もできる。
 しかも、繊細な自然の食事から「味覚」までもが研ぎ澄まされる。
 さらに、鳥の声や沢のせせらぎは「聴覚」を通しての愉氣。
 …まさしく良い宿というのは、全感覚から自然を得る『氣道』なのだろう。
  (注/「氣道」とは氣の道(タオ)であり、即ち、心身を育むことを通して(裡なる)自然にそって生きる事を言う。)

  この福住楼は、初めて私が一人で温泉宿に泊まった記念すべき場所という意味でも、また、今書いたような湯治や宿を通して「氣道」を学ぶという意味でも、私にとって原点とも言える非常に貴重な宿である。

今後/ ◎(百重マル以上)
 今後泊まりたい部屋は、川端康成が愛宿していた「桐三」や、劇作家の北条秀司が執筆していた「桜一」、福住楼で一番見晴らしの良い部屋で湯坂山(目前の山)の四季折々の風情がながめらる「桜五」、野崎廣太(幻庵)翁が設計し大佛次郎や林芙美子が愛用していた茶室、「聴泉」、そして特に大正天皇や昭和天皇の従兄弟の賀陽様や吉川英治先生も長く逗留されていたという桜二には泊まりたい(この部屋にはお風呂とお手洗いがついているし。10畳&8畳。)。(ここまで2006年記。)
 その後、その桜二に泊まる。素晴らしかった。次は上記、桜五か、ぜひ聴泉に泊まりたい。(2007年記)

ありがとうございます。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 5月14日(日)21時08分54秒
  このところ自分の日記(「日日是好日」http://www.ijn-jp.net/user19/npokido/gwbbs.cgi)も書く時間が持てず、お待たせしました。
雫さんのコメント楽しく拝見しましたが、私も、あれでもかなり毒舌を吐いていたつもりなのですよ。
(「宿について特に接客についての批判的意見は控えたほうが…」というスタッフの意見が以前あった手前もあった故。ただ、その後、会員の方々からは「きちんと書いてくれないと困る。」「特に悪いと感じた点は銘記してほしい。」「良いところだけを紹介というのも困る。」という意見ばかりを数多く戴いたので、ますとみについても書いた次第だったのですが…)

さて、では、長らくお待たせした下に書いた
「とっておきの宿(すでに、とっておきは最初に掲げた「萬岳楼」や「二期倶楽部」など公開してしまっているが、二期倶楽部までいかなくとも、私の隠れ宿(?)」
を、ご紹介します。
(ちなみに、箱根しかも湯本近辺ということということは断っておく。そうでないと箱根なら既に紹介した「強羅環翠楼」も私の別宅にしたい隠れ宿なので。
 また下で書いたように、「氣道」会員なら既に湯気さんが紹介しているので皆さん知っていると思う。)

http://npo-kido.com/j-j.html


ご報告

 投稿者:  投稿日:2006年 5月 5日(金)19時32分18秒
  いつも湯気さんの野次喜多道中のような投稿に笑いつつ、劉邦さんの身体感覚に感心しつつ読ませて頂いています。このマニアックな掲示板に自分が投稿するなんて考えてもいませんでしたが、連休中に「そうだ、温泉に行こう!」と思い立ち、るるぶ代わりに、この掲示板を参考にして行ってきましたので、ご報告を。

近場で楽に行けるところがいい、と思い、一泊で場所は箱根湯本に限定。掲示板からピックアップし電話をしてみるが、羽衣、慧照、福住、松坂屋本店など、行ってみたいな、と思う宿は当然のことながら満室。OKの返事があったのが、ますとみ旅館。ふ~ん、この連休中に部屋がとれるって…と、一抹の不安を感じつつも、温泉温泉~♪と思っていざ出発。

駅前の混雑を尻目にスタスタと。登山電車なんて混んで混んで乗る気もしない。近いのは嬉しい。
宿に入ってすぐ、劉邦さんの言っていたことがよーくわかる。というか、劉邦さんの表現は優しい。女将の存在が濃すぎる。記帳後、入浴案内を受ける。熱心に説明してくれるのだが、結局どういうことを言われたのか、よくわからない。同行の者と、「変だねぇ」と話すが、詰まるところ、自分にとっては自明のことを、初めての相手に添って話していない、ということなのだろう。一事が万事。ズケズケと侵入してくる感じとか押し付けがましい感じとか。(ひどい言い草。許して。)自分のところの湯を愛しているのはわかるが、温泉に入りにくる客のこと、今入ってきた客の空気を感じ取ってはいないのだな、と思う。

お湯は良かったんですよ。優しくしみ込む感じで。内感などはわからないけれど、寝る前の瞑想時には、両肩の辺りにチリチリとした痒みが出てきてそれが次第に抜けていき、なんらかの毒素が出たのだな、と思う。朝一番の入浴では、五臓六腑にしみわたる~効くぅ~という感じ。肌のすべすべ感は一日経っても続いている。

だけど、一度行けば充分かな。私にとっては。結局、人、なんですよね。なるほど、ああいう感じが腰椎3番捻れタイプというのか、と思った次第。おもしろい人間観察をしてきました。とっておきの宿に期待します。

閑話休題。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 5月 1日(月)23時07分3秒
   次にとっておきの宿を掲載する。
 すでに、とっておきは最初に掲げた「萬岳楼」や「二期倶楽部」など公開してしまっているが、二期倶楽部までいかなくとも、私の隠れ宿(?)を今後も紹介する。
 ご期待ください。(「氣道」会員なら既に湯気さんが紹介しているので知っているとは思うが…)

温泉探索記(10) ((9)の続き。会報2006年6月号掲載の文章。)

 投稿者:湯気  投稿日:2006年 4月22日(土)22時33分50秒
  (前回の続き。
 つまり、「今回は皆と同行しなさい。」と淨潤湯治之神に首根っこをつかまれたまま『湯治合宿』に連れていかれた私は…)

えっ!? ここはどこ?

見回すと知っている顔ぶれが…。えーっ、関西から名古屋から遠方からの人達も!

淨潤湯治之神はいずこに?

なんとベンチで整体(観察?)を行っている。

順番待ちの人もいるし、回りの人も訝しげにみているぞ!

…と首を回したら、ここは箱根湯本駅前ではないか。

数分後、私までもが観察され、そして借り切ったマイクロバスに乗り、バス中での淨潤湯治之神の偉そうな(誤→正/素晴らしい)話を伺い、降りたのは天山湯治郷というところのバス停。

そこで、淨潤之神はまたウンチク(誤→生/ご神託)を垂れられて遊ばれるが、もう気分は一休と天山だぜ! Go!

名称/ 天山湯治郷(天山、一休、羽衣)
ホームページ/ http://tenzan.jp/

いやあ良い。
特に一休の湯は湯温が良く自分の体が無くなった感じ、でも天山のアルカリ単純泉もいい。特に塩を多めにして釜風呂で汗を流した後に入ると瞬時に天上界にいく。
淨潤之神の時間制限があったので、一応全て入った後で戻ると、皆一様に良いと言いながらも色々のコメント。
「ここは『温泉ビギナー』に最もお薦めの所。」とここに何度もいらしているHさん。
続いて「すべてのデザインがいい。」「喫茶(うかれ雲)の温泉で入れた珈琲が美味しい」「洞窟風呂は最高(注/女湯のみ)」「湯治と斉藤一人や神田昌則(マーケティング)との合体」などの穿った意見も続いてあった。
(常連者からは「「湯は宿泊設備の『羽衣』のほうが全然もっといい!」とか「温泉しゃぶしゃぶでのボタン(猪)鍋は、ここが神奈川では一番」「艸楽庵」の蕎麦はハツハナより数段上。」「『羽衣』での食事は最高」など様々な声があった。)

 あいててて…!
 また淨潤之神だ。(今度は耳殻だ。)
「これはオードブルじゃ。」という声と共に、バスは箱根旧街道をそのまま上に向う。(つづく)

箱根 寿司の宿「慧照」

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 4月21日(金)19時33分32秒
  地名(温泉名)/ 箱根湯本(旧街道沿い)
住所/ 〒250-0312神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋12-1

名称/ 寿司の宿「慧照」

電話/ 0460-5-5650
ホームページ/ http://www5.ocn.ne.jp/~cosin/meal.html
交通/ 車→小田原厚木道路または西湘バイパス箱根口ICから国道1号線を箱根方面へ向かい、箱根湯本の手前の三枚橋で左折。箱根旧街道をしばらく走ると右側にあるのですぐ分かる。(「天山湯治郷」の手前)
    電車→小田急線箱根湯本駅下車、マイクロバス送迎

動機/ 初めて一人旅をしたあと、次は箱根で最も低料金で行ける温泉宿を探していたところ、湯本の近くで、しかもお寿司が食べれるとあり、…というか魅かれるものが何故かあり、何らかの形でもいつかは行ってみたいと思っていた。

宿の簡単な説明/ 2003年6月オープン。低料金&お寿司で、じゃらんネットを使っている人なら一度は目にしたことがあるだろう。

チェックイン&アウト/ ○ 午後3時~午前10時
         (○の理由は、夜遅い時間のチェックインもOKなので。…なんと早い時間も大丈夫なのだそうだ。ロビーで待つ事もあるが。)
風呂/ △
    露天 男1女1
    内湯 男1女1(片方が檜風呂。大浴場はジャグジー有。)
    貸切風呂は、通常の浴場(1:大浴場+露天風呂 2:檜風呂+露天風呂)を20時から22時までの間(50分枠。プランに含まれているものと、別途オプションのものがあり、後者の場合、50分2100円。希望の方は、あらかじめ東京営業所に予約必要。当日でもOKの事有り。)
      大浴場に入るとガソリン(石油)臭い。
      露天のほうが温度少し高め。(二回目は低め)
     (なお、二回目の時には、女将さんのお薦めで女湯にも入らせて戴けた。その時は、露天は循環していなく、一回目に来た時の男湯露天同様(天山以上とも思える)の湯質が味わえた。浴槽の石の影響もあるとみた。女湯の内湯は浴槽の縁が檜で美しい風呂。ここは湯温は良かったのであるが、湯質は肌にきつく、どうも循環(&殺菌もか?)しているようだ。)

湯質/ △
    以前は加水のため循環は行っていたのだが、現在(2005年冬)は、湯が余るくらいに豊富なので源泉掛け流し。
    (浴室の調査表には、消毒も循環も加温もしていると書いてあるのだが、実際伺ってみたところ、一切していないそうだ。(加水も。ただ、加水されたにせよ湧き水なので問題ないと思う。…というか、ここら辺はかえって良い場合がある(福住楼の岩風呂の例。福住楼の項をご参照のこと。)。
    なお、2回目の2006年春の時には、循環はしていた。匂いも違う。湯感もとても良いが今回も天山のあとだったが前回と異なり天山以上とは言えない湯感。あら変だな…と思い、仲居さん(前と同じとてもいい小母さんだ。)に伺うと、今は、消毒も循環も加温もしているとの事。その時々によって(湯の湧出量によって)異なるようだ。(記録を見ると確かにそうだ。以前は書いてあっても、湯量が多くてしていなかったらしい。そのため、前回の評価なら○なのだが、今回は△×(女湯は別だが)なので、△にした。)

(以下、着替え場所に掲げてある成分表をメモして転載。)

   ・泉名→草柳共有温泉。・台帳番号 湯本76号。
    pH9.1。弱アルカリ性低調性高温泉。湯本76号。源泉51・2度。

  ・陽イオン →リチウムイオン0,04、ナトリウムイオン193、カリウムイオン2,65、カルシウムイオン20,6、マグネシウムイオン0,07、アルミニウムイオン0,10。
  ・陰イオン →水酸イオン0,21、フッ素イオン0,93、塩素イオン236、硫酸イオン111、炭酸水素イオン33,5、炭酸イオン3,20。
   ・遊離物質→メタケイ酸38,3、メタホウ酸15,3、遊離二酸化炭素0,04。
   ・微量成分→総砒素0,594
   ・総計→ 0、656
   ・総量。(なお、全て0、00のものは省略。平成15年7月2日。)

    天山の後に入ったが、(ここは宿泊宿として期待しないで入った)
    中々のもの、というか、天山以上の部分(天山にはない柔らかさ)があり驚嘆。     露天のほうが温度高く、湯質もまさに温泉であった。
    (こんな値段で温泉にまで入っていいの?と思ってしまった。特に、腰椎5番に重心がいくタイプの方は、他の温泉宿やホテルの金額との兼ね合いでパニックになるに違いない。)
    アルカリ性単純泉なのに塩化物泉的な湯力泉質を感じる。(この点は、天山と全く逆だ。)
    内感すると、皮膚はもちろん肝臓、関節に来る。腎臓にもそのあとくるが、時間差攻撃のように心臓にも来る。
 (※注/これらの感想は、一回目の時(源泉掛け流しの時)のものである。)

温泉力/○以上
    (特に露天は良し。 これも一回目の源泉掛け流しの時の評価。)

接待/ ◎ 低料金の宿やホテルはそっけない対応が多いが、ここはとても丁寧である。
      …どころか、ここの女将(そして仲居)の真心が伝わる。 (内観法を行った方のような佇まいである。内観法を体験した方ならお分かりであろう。)
    ★立松和平は全国の温泉宿やホテルをも巡る作家であるが、彼は「何より接待」だ、と言う。
     確かにそうかもしれない。
     温泉に期待するものとしては、私の場合、何よりその場所の自然度(イヤシロチ、つまり良い場所)だが、それ以外にも湯質その他ある。
     おおまかに分けても、一般の方は、「湯質」「接待」「食事」「場所」「景色」などとなってくるのであろうが、
     宿に滞在する時間、そして影響力を考えると、これは人によって異なるとはいっても「接待」の大事さは否めない。
     どんなに素晴らしい空間と時間を過ごせたとしても、そして接待は皆無でチェックイン&アウトの時だけであっても、そのチェックインの感じが残ってしまう体の人もいる。
     影響は人によって異なるのはもちろんだが、宿というのが、自然と人間によって織り結び創られていくものである、ということを強く感じるのである。

客室/ △ (料金を考えれば○以上)
    和室のビジネスホテルといった感じ。(布団は敷いてくれる。)
    しかし、入った途端に畳の匂いが香るのは嬉しい。(まだ出来て2年だからか?それとも表替えをしたのか?)
    窓を空けると、旧街道沿いなので時折り通る車の音が聞こえるが、須雲川のせせらぎも舞って来る。
    電気が蛍光灯なのが、いささか残念だが、これは料金を考えると贅沢というものか。
    (なお、トイレの綺麗さ(清潔さだけでなく。床が板張り)は特筆しておきたい! 広さも。)

客室からの景色/ ×
雰囲気(客室の色合い) △(泊まった部屋/304  二回目は303。三回目は305。 なお、ここの評価文章はほとんど全て一回目のものである。)
自然度/ △○
イヤシロチ?/ ○△ (この箱根旧街道は標高が高くなるほどイヤシロチである。その点がこの宿の良さを底上げしている。)
ビール/ △瓶ビール(アサヒスーパードライ)を注文できる。
冷凍庫/ ×無し。(冷蔵庫も無し。小さな携帯用冷蔵庫があるが、あまり冷えないので氷を入れるといいらしい。なお二回目はあった。)

食事/ 部屋での食事は寿司のみ(現在では一種類。その有名な寿司も△×)。
    食事処では、魚料理中心だが(お寿司もある)、生物は駄目などニーズに応えてくれる。
   なんと…持ち込みOK!(食事処への持ち込みはもちろん×。私は「あうん」のお弁当を持ち込み。三回目は天山のお蕎麦をタッパに詰めて…。)
 ★『小田原駅のお弁当について』 東京方面から箱根に行く場合、JRを利用するとなると小田原駅で小田急線(箱根登山鉄道)に乗り換えることになる。多くの場合、そこでお弁当を買うことになるが、その中で選ぶとしたら「あうん」である。…というか他のお弁当は、東華軒をはじめ一度は試したらいいと思うが大したことは無い。その中では「あうん」のお弁当は一番良いだろう。なお「あうん」は小田急線の改札口前に出店としてで出ている。必ず毎日出ているわけではない。

(氷)水/ ◎
     頼めばやってくれる(しかも沢山の氷!)。
    なお、ここの水は、芦ノ湖から引いている消毒無しの湧き水である!
    (その上、「明日、持って帰りますか? 容器を用意しますよ。」には感動した。)

寝具(寝心地)/ △ (素泊まりなのに敷いてもらえる。三回目は自分で敷いた。

★しかしダブルベッドよろしく二つ敷いた!
 これは自分で布団が敷ける宿の「掟破りの泊まり方」かもしれない。

金額/ ◎(五重マル)
   9765円。
   (なお、ここは素泊まりの利用価値が高いと思う。素泊まりだと何と約3000円強!である。一人でも5000円強。
    湯質の項でも書いたが、この値段で温泉までも?という宿泊所として思った場合、そして逆に、安い温泉宿と泊まった場合、どちらにせよカルチャーショックではあろう。

通信環境(インターネットetc.)/ ○△(100mも上にいくと駄目なのに…)

連泊希望(湯治etc.)日数/ △× 他所の湯を味わう宿泊所として活用することを入れれば、可能性はたくさんある。(…と一回目は書き、評価も○であったが、その時は源泉掛け流しであったからで、現在では上の評価にしてしまった。)

総合評価/ ○
     (理由は、上記、接待の項、その他を参照のこと。なお予約は宿のほうでもじゃらんからを薦めている。これは女将さん一人での切り盛りを節約するためであろう。ここは、単なるビジネスホテル+温泉付きではない。あまりに安い温泉宿(まるで湯治宿)と捉えたほうがいいのかもしれない。)

今後/ ○△
   特に、①出来るだけ低料金で箱根の温泉宿に泊まりたい方。 ②箱根で湯治をする場所、夕食をする場所が決まっている方には、お薦めしたい。
  (たとえば①のケースの話になるが、以前部屋にあった寄せ書き帳に「やっと箱根に両親と来て感激です」という感想が載っていて複雑な思いをした事がある。その部屋は2万円以上という料金を考えるとお世辞にも良いとは言えなかったためである。ここは、その十分の一位の料金なのに、そのSという宿よりも余程良い。(場所のエネルギーも接待も。)
   今回の経験から、今後はこうした格安料金の所も紹介する必要があると思った。(ただ、ここを基準にすると多くの格安旅館は基準以下になってしまうだろう。)
   また逆に、3万円台の宿でも安く感じる事がある。そうした宿では、それなりの、そしてそれ以上のサービスや氣の遣い方や設えや雰囲気や食事などその他諸々に現れている。
   そういう意味では、真剣に宿を経営されている人は、皆、経済的にも苦労されているのだろう、と感じざるを得ない。(天山湯治郷のような宿主体でない所は除く。)
    ちなみに、ここは、「氣道」協会でも、今後活用できそうだ。上記「接客」の項にも書いたが、内観的な匂いがするので、そのような傾向の合宿がいいかもしれない。(羽衣よりも料金が三分の一程度というのは凄い。 なお今度は、同じ三階の道路に面してない部屋(303etc.)を希望してみたい。
  (…と一回目に書いたら、二回目は(希望しなかったのに)本当に偶然そうなってしまった。)今度は道路側でなく川側の部屋を期待しつつ。)

http://npo-kido.com/j-j.html


箱根 ますとみ旅館

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 4月18日(火)20時47分4秒
  場所(地名(温泉名))/箱根湯本

名称/ままね湯「ますとみ旅館」

電話/0460-5-5775
ホームページ/ http://www.mamaneyu.jp/index2.html
交通/湯本駅から国道をそのまま徒歩3分。

動機/ 本やインターネットでも非常に有名であるが、幼少の頃から、国道一号線を走れば必ず見えるため、あまり行きたくはなかったが、やはり箱根では著名な湯である自家源泉の「ままね湯」は、医者も薦めるほどと聞いていることもあり行くことにした。

湯質・温泉力/◎
  湯本温泉(茶の花温泉) 第48号。 源泉5本。(源泉掛け流し。加水のみ。)
  アルカリ性単純温泉。 アルカリ性 低張性 高温泉。ナトリウム無し。
  源泉58・2~9度。 pH9・6(!)
  浴室、湯船は小さい。浴室に入ってすぐに柔らかいいい感じの湯気に包まれる。
  非常に柔らかい湯で、福住楼での感動を思い出した。(柔らかさだけなら、萬翠楼福住のほうが上かもしれないが…)
  入ったとたんに皮膚より浸透する感じはとても良い。
  味はほとんど無味だが温泉臭(硫黄?)がほんの少しだけある。
  肌のスベスベ感は数時間後も残るが、湯船の中でも皮膚に対する影響を強く感じた。

風呂○ 内湯 男1女1

接待/△× ノリの良い腰椎3番捩れタイプの女将さん。B級温泉旅館特有の感じ。(強羅早雲山の山田屋や神奈川なら綱島の「有馬療養温泉」の接待に似る。)
     それが故、つい躊躇してしまう。
     そういう腰椎の方でもOKな方は逆に常連になるであろう。
     自分が殿上人であるからこそのコメントだろうし、また、訪れた時も、それなのに一人であったために、随分と不可思議な思いをさせてしまったのかもしれない。
     しかし、私は基本的にいつも一人で訪れるので、逆に言えば、一人だとどういう応対なのかが、自分の評価を宿の応対、応接から知れるという意味でも心地好い。

     ただ、この接待の理由で、この宿の湯がどんなに良くとも、紹介を憚れてしまう、ということがあるので、非常に勿体ないのである。

     (お客さんに対してどのようなポリシーがあるのか、それで、宿が決まる。
       …そしてまた、客も決まる。
      どのような客がどのような感じで集まるかは、宿の客に対してのポリシーで決定する。
      客は、どんなに食事が美味しくとも、景色が素晴らしくとも、湯が凄くとも、接待(雰囲気)が悪ければ行かないのである。
      そして、その接待のポリシーは、宿自体のポリシーから来るのはもちろんのことだ。
     (なお、宿自体、主人自体のポリシーはいいのだが、仲居さんたちまでそのポリシーが伝わっていなく、バラバラな宿、あるいはそういう商店にも足が遠避いてしまうことも多いし、またその逆に、ある仲居さん(店員さん)に惚れて行くこともあるので、一概には言えなさそうだが、それは結局「そういうこと」であり、一概に言えることのままなのだと思う。)
      大事なのは、一団となって宿に向っているか、ということで、その意味では、マクドナルドのようなヒランチャーズシステムであっても品質は落ちていない天山湯治郷のような所は、評価すべき湯であろう。それが実現できたのは、オーナーは、斉藤一人ではないかと疑うほどの、オーナー(会えないのだが…)の自己主張の看板、その他全てによる「オーナーの存在力」、アクの強さがあるからであろう。
 そういう意味でも、斉藤一人的な経営システムであると思うのだが、どちらも自分の湯に惚れていながら、ここは腰椎3番的に天山は腰椎4番的に行っているのが面白い。
  もう一つ言えば、天山のオーナーの体癖を超えた大きさは中々のものである。

客室/ ? (和洋室(さくらがいいらしい)には期待しないのだが…。評価のため一度いつの日か言ってみなければ…か。)
景色/ ?(これで、風景が良ければ、ごく仲間との賑わった感じの温泉旅行には、湯質もいいし、とてもいいだろう。)
周囲/ × 萬翠楼福住の隣。
イヤシロチ?/ △(萬翠楼福住はイヤシロチだと思うが…)
ビール/生有り。(サッポロ)
食事/ 八丁味噌カツと、新潟米で有名。 温泉珈琲350円。 夜食インスタントラーメン160円有り!
金額/  △○ 12600円~
一人/  △ 空いている日のみOK。
今後/  雰囲気を味わうのではなく、温泉と、親しい仲間と「にぎわいたい時」にいいだろう。
     一人でなら、和洋室がベッドでもあるので、そこにしたいが、この一年間もそう思いつついかなかった自分がここにいる。
     (私は、特に今年の前半は翌日泊まれないと、という感じでじゃらんで検索することが多いが、そうなると、ここの宿はいつも出てくる一つである。そう思いつつ…と?がる訳。)
     上記に、もう一度行ってみる、と書いたので、いつの日かはアトピーはもちろん慢性病の方のためにも行かなくてはなるまいだろう。

箱根 恵比寿

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 4月17日(月)18時47分53秒
  場所(地名(温泉名))/     箱根湯本

名称/ 恵比寿 (&知客茶屋)

電話/ 0460-5-5751
交通/ 箱根湯本駅から徒歩3分。

動機/ 接客や食事についての高い評価が様々な雑誌に載っていたため。
    ところが一ヶ月前から宿泊は行っていない事を知り非常に残念だったが、それならせめて日帰り入浴だけでもと思って行くことにする。

風呂/△○ 内湯 男1女1家族風呂1
湯質/ ×
   消毒&循環有り。
   消毒は塩素ではなく珍しくオゾンであった。湯に入ってもオゾン臭が少ししたのと、湯もぬるかったためすぐに出てしまった。
★なお、オゾンの害については、皆さんもご存じだと思うが、今だにオゾン発生の機器が市場に出回っているので念のため。
 一時はマイナスイオンブームでエアコンや扇風機までもがマイナスイオンを発生させることを付加価値としていたが、それらはオゾンも同時に発生している。
 空気清浄機も同様で、オゾンの発生によって行っているシステムは今だに多い。
 かく言う私も、浜町時代(30代の頃)は、クリアベ○○や、その類種の空気清浄機を道場内に活用していたが、敏感な方などから体調の不調を訴えられ使用を停止した。
 (そのため、その頃、最も優れた浄水システムであったアムウェ○の浄水器も、最後に紫外線殺菌の過程があったため試用を留めた。(紫外線によってオゾンが発生する可能性を考えてしまったからであるが、紫外線殺菌自体が有害であることを知ったのは後日である。)
 しかし、毒も薬も使いよう。
 オゾンもまた上手く使えばその人の体を活性化する。
 ただ、それは煙草を上手く用いてさらに体を元気に…というのと同様(委しくは「煙草健康法」のテキスト参照の事。mail@npo-kido.comで質問して欲しい)、指導者の管理のもとでないと難しいだろう。
 そのように有害なオゾンではあるが、毒も薬も使いよう、ということは覚えて頂きたい。
 実際、ある物が、ある出来事が、良いのか悪いのか、あるいは正しいのか間違っているのか、などは無いと私は思っている。
 ある判断基準によって良くなったり正しくなってしまうのは、戦争中に殺人が正義として取り扱われたことを取り出すまでもなく、お分かりのことと思う。
 「良い悪い、正しい誤りは無い」───それらは、捉え方と活用の仕方によって決まるのであって、そのもの自体に、善し悪しや正誤は無いのである。
 ニンニクが良い人もいれば悪い人もいる。(特に朝鮮人参が合う方は)
 ニンニクに善し悪しがあるわけではない。
 また、ニンニクが合っている方でも、体調によっては合わなくなることも実に多い。
 「そのもの」の価値は、その人だけでなく(個性だけでなく)、その時々の体調によっても変化するのである。
 その意味では、「そのもの」の価値というのは、その時点のその人にとっての価値以外は全く何もない、のである。
 良い悪いも、正しい誤りも無い。
 常に、「そのもの」の価値は、私たちそれぞれによって決められている。
 この事は銘記して頂きたく思い、駄舌を重ねたが、実は、次段階として「そのもの」自体があるということも私たちが決めているということも書きたくなったのだが、それはここの範疇ではないだろうので、ここまでで噤む。

 アルカリ単純泉。pH8・5。(この近辺の源泉はアルカリ度が高い。)

温泉力/×
   循環のためか温泉力も乏しい。

食事/ ◎
  隣の「知客茶屋」で食事をした人だけが入れるため、食事をする人でなくては入れない。
  この食事処はとても有名で一度は入ってみたかったが、確かに美味しく、特にガンモドキは今まで食べた中で一番美味しかった。
  豆腐が有名で早雲豆腐の山かけは美味。

 ただ、私が歩いていてここは美味しそうだと思ったのは、滝通りのほうにある茶室のような佇まい(山家荘から歩いていった所)で、確か山縣氏と関係していた所だと思うが、そこは一度行ってみたいと思う。

 湯本近辺では「山の茶屋」が一番良い宿(つまり箱根湯本では一番の宿)だと思うが、
その茶屋に似ているところが、此処よりも美味しそうな豆腐料理を出してくれそうな感じではあるが、雰囲気倒れかもしれない。
 (なお、実際に其処に行ったあとも、この文章の校正はしないまま留めておくかもしれないことをご了承頂きたい。)

金額/ 800円
総合評価/×
今後/×

ご投稿ありがとうございます。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 4月11日(火)16時22分18秒
  皆さん、ご投稿ありがとうございます。

張良さんの「まったく正反対(性質等が)でありながら、非常に似ているからである。」は私も秀明館のイヤシロチの項に書いたように全く同感。
朝露さんの「先生も書いていらっしゃいましたが そのまま続けていたら本当に死んでしまうこともあるのでしょうか?」に答えて→ はい。本当に死ぬ(というか死ねる)と感じます。(芥川龍之介が湯治場でそのような死に方をされた小説があった。)
「肉体を維持する周波数域に意識をあわせておく必要がやはりありますよね?)」に答えて→どうでしょうか?私は「ああ、このままだと確実に肉体は死ぬな…」と思った時、まだやりたいことがあるので、戻るほうに意識をもっていきましたが、そのまま行く(逝く)かどうかは人次第だと思います。今は元気なので、その甘美さを生活の中でも繋がって織りなしたい(=氣道)と現在は思っていますが。

松阪屋本店にて

 投稿者:玉葉  投稿日:2006年 4月 7日(金)13時00分9秒
  千変万化のエメラルドは、尋常ならざる湯の力の証だろうか。
色の変化に法則を見い出そうとしても、人が考える「こうあるべき」を、
見事に裏切ってくれる、大自然のもつ不思議。そして深淵さ…。

その時、あるいは瞬間によって、色だけでなく、受けるからだの感じもかわる。
これもまた、一期一会の湯。しかも、とっておきの であろう。

三つの湯質の統合力と、その時のからだの出逢い。
緩ませることしか知らない(緩ませすぎだった)温泉が、
時にからだを引き締めることもあることを知り、それを体験し、実感する。
温泉への認識が、一変した、瞬間であった。

湯とも「出逢い」なのだと思う。
素晴らしい出逢いが、此処にもあった。

箱根芦之湯「松阪屋本店」

 投稿者:張良  投稿日:2006年 4月 4日(火)22時45分49秒
  もし姥子の秀明館の湯が「北極」なら箱根芦之湯松阪屋本店の湯は「南極」という表現をしたい。
まったく正反対(性質等が)でありながら、非常に似ているからである。

お湯に入り感じてみると、内が広がる感じがする。 解放的。 内臓からゆっくりと。 瞑想したくなる。 筋肉も弛んでいく感。 お湯からあがると腰の捻りがとれているような感触有り。
広がる感じだけでなく、内へ引き締っていく感じもある。 ここがとても不思議である。
「完成されているお湯」と劉報殿のコメントにもあるが、確かに相反する性質がハーモーニーのように明らかに感じる。 「統合」ということはこういうことかと思う。

白い濁り湯でエメラルド色。 内湯には2つ湯が並んであるが、一方の方が青い色彩が若干強いように記憶する。 お湯に入ると青、緑、金色、銀色(湯煙り?霧?)を感じる。 金色とあるが、光りを感じる。 内湯なので露天のように外光が燦々とあるわけでは無いのに。。。  キラキラと。 光るということだけでなく、力強さ(母性的な、無論父性的もある)も多分に感じる。 言語化できない説得力在り。
とても他力的。 委ねさせてしまう。
無意識的にも「納得、納得」と感じさせてしまう感じ在り。 何かは解らないが。

お湯を飲んでみる。 独特の硫黄のような鉱石ぽい味。 でもとても丸い感じ、 重い感じはあるが嫌ではない。 甘味もあったと思う。 濁り湯独特な匂いもあるが、お湯が単純泉のようなさらさら感があるためか、それを感じさせない。

宿の中も中々良い。 ロビーの古い感じも良い。 赤いじゅうたんが似合う。 重要文化材指定のような感じでもなく、さびれている感もなく、ゆっくりと自分のペースで時間を道をきざんでいる。
館の中に昔の旧東海道の道の跡が保存されている。 歴史を感じる。 文化人等の書も色々あったが、全て良い。 同行された方々が宿泊する部屋を覗いてみる。 部屋には専用のお風呂があった。 ここも源泉と直結。 お湯は豊富だが貴重に使ってくださいねと、仲居さんから説明うける。 お湯への真剣さ感じる。
けして綺羅びやかでもなく、ちょっと古い感じのする部屋でもあるが、小説を書いたり、書でも書いたりしたくなりそうな波動(?)感じる。 ここの部屋にかざってある書も良い。
窓から宿の庭が覗ける。 見事とはいえないが、庭の木々が見れる。 秋だったので紅葉がきれいだった。
不思議と紅葉の葉が紫色だった。

日帰り入浴、平日のみ午後より可とあるが、たまに本日はダメということもある。
自分も最近尋ねたときは、入れなかった。 要確認です。

例の館の裏にある、瞑想スポットはその場所だけすっかり時間軸がぬけちゃっている。
時間が止まっているのか。。。
自分の原体験でいうと、幼少の頃よく遊んでいいた夕方の神社の敷地のような。。。

とにかく此処のお湯はとても良い。
秀明館と松坂屋本店で得て感じたことが、いままでの温泉の概念を塗りかえし、同時に新たに自分の湯に対するx軸とy軸(バロメーター)を築けたと思う。
良いモノに触れると他のモノも理解できるように。

湯治合宿

 投稿者:朝露  投稿日:2006年 4月 4日(火)17時39分0秒
  松坂屋本店の浴槽は二つに分かれていて エメラルドと淡い翡翠の色をしています。
それがまず美しいと思いました。
透きとおったエメラルドとにごり湯の翡翠色は 温度や天候、時間帯によって同じお湯が変化するものだとか。。。
本当に生きているのですね。
あんなに美しいお湯が地球の中から沸いてきているなんて奇跡です。地球の内側っていったいどうなっているのでしょう。
翡翠色をしたお湯は少し温度がぬるめで 湯けむりが立ちのぼる様はとても神秘的です。
お湯の中で目を閉じて体塾で教わったとっておきの印を組むと 即座に自分の中心に意識が静かに落ちつくのを感じました。
そして今度はそれが拡がってゆき お湯と溶けあってゆく感じ。。。
エメラルドの色をしたお湯はどこまでも透きとおって光でいっぱいです。水というより光でできているみたいな感じです。
入って目を閉じたならすぐに光が身体に流れ込んできて(というよりは光の波動に細胞が瞬間に共振して)自分の肉体が光になってしまったように感じました。
その至福感は忘れられません。
特に朝日が反射する朝風呂では 眼を開けても閉じてもきらきらしていて 思わずトランス状態になってしまいそうでしたが
長湯をしないように自分の身体のかんじに意識を向けていなければならなかったので 踏みとどまることができました(笑)。
そのまま身をゆだねていたなら 肉体が消失してしまいそうなちょっと不安と誘惑さえ感じてしまいました。
(先生も書いていらっしゃいましたが そのまま続けていたら本当に死んでしまうこともあるのでしょうか?
美しいものに触れたとき自分がなくなる感覚というのはわたしにとっておなじみの感覚ですが、それに甘んじているとだんだん体調が不安定になってきます。
ですのでいつもは努めて現実に目を向けるようにしているのですが 肉体を維持する周波数域に意識をあわせておく必要がやはりありますよね?)
お湯の入り方で こうも身体や心の感覚が違うものだとは知りませんでした。今まで長湯しすぎていたのですね。
温泉のあとはいつも泳いだ後みたいにだるくなるものだと思っていて それが効いている証拠なのだと勘違いしていました。
短い時間でさっと出ると 確かに後々からだが冷えませんし、回を重ねるごとに身体が軽くなってゆくのには驚きました。
お部屋を担当してくださった80歳をすぎたおばあちゃんは暖かくて可愛くて とっても心が和みました。
お別れのときにわたしの顔に触ってくれたりして なんだか本当のおばあちゃんみたいな気持ちがしました。
箱根は近いし ときどき自分へのご褒美にまた行きたいと思っています。
ところで温泉とは関係ないのですが 自然に関することなので書きこみしてしまいますと、わたしは先日三重県の熊野地方から帰ってきたばかりなのですが
十津川という河川の色が忘れられません!
ダイオプティーズという鉱石にも似たにごり湯系エメラルドグリーンで白っぽい石の河岸との対比も美しく 延々と何キロも流れる様は自然の神秘を感じさせ本当に心に残るものでした。
そういえば十津川温泉というものもあるそうなのですが時間がなく行くことができなかったのは残念なことでした。

箱根芦之湯「松阪屋本店」

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 4月 4日(火)11時55分11秒
  地名(温泉名)/ 箱根芦之湯温泉
住所/神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯温泉

名称/ 松阪屋本店

電話/ 0460-3-6511
ホームページ/http://nxsco.com/matsuzakaya/matuindex.html
交通/ 小田原か箱根湯本からバス。東芦之湯下車。(湯本から40分位)
動機/ インターネット内で温泉通にはかなり評判が良いことが分かったため。
宿の簡単な説明/ 創業1662年。温泉自慢の宿。(「うちは、温泉だけが自慢です。」と仲居さんも言う。)庭園有り(その庭園からここの湯は湧出している)。明治の英傑は多くここに宿し、時事を入浴の間に談じ、その後は多くの皇族の方々や名士の御来館を仰いだ歴史ある宿。皇太子殿下をはじめ(宮内庁のたっしでパンフには書けないが12回いらしたそうだ)、蜀山人、賀茂真淵その他、江戸時代から多くの俳人、文人達が訪れていた。江戸時代には箱根で最も良い湯と評判だったらしく、その頃の絵も飾ってあった。(中曽根元首相の書も…)
 和32室(離れ2室を含む。バストイレ付き客室16室・バストイレ無し客室16室。宴会場100畳・40畳。会議室50席・12席。)
チェックイン&アウト/ 午後2時半~午前10時

風呂/ ○
    露天 無し
    内湯 男1(浴槽は二つ)女1 のいたってシンプル。(朝は9時まで)

湯質/ ◎(三重マル)
    日本では唯一の硫黄泉でありながらアルカリ性(2005年の知覚的試験ではpH8・1。試験室でも7・95。)の温泉。(弱アルカリ低張性高温泉)
    しかも、色はエメラルドグリーンで、温度やその日の時間によっても色が変わる。
    (実際、浴場には二つ浴槽があり、源泉は同じなのだが、それぞれ少しだけ(一度未満)温度が違うのだが、まったく色が違う!その日は一つは透明で、もう一つはグリーンだった。そういう事があると、風呂場の紙に書かれてあったが、いつも色がウソのように異なる。その色も文字通り色々だ。)
    源泉100%掛け流し(消毒・循環・加水・加熱無し)。芦刈の湯。源泉名、芦之湯第9号泉。
    含硫黄-カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩。
    弱アルカリ性低張性高温泉。 炭酸水素塩泉(硫化水素型)。
    源泉59・1度。(密度0・9985)非常に豊富な湯量(139~250リットル/分。一日33万リットル。蛇口の湯も温泉。)
   ・陽イオン( )内は、平成15年11/12のデータ。
    →リチウムイオン0、01(0,02)、ナトリウムイオン69,6(89,0)、カリウムイオン7、02(12,5)、カルシウムイオン96,6(108)、マグネシウムイオン32,3(43,8)、マンガンイオン(0,62(0,74)、ストロンチウムイオン0,06(0,22)、第一鉄イオン0,02(0,07)、アルミニウムイオン0、01(0,16)。
   ・陰イオン→フッ素イオン0(0,05)、塩素イオン48,8(5,20)、硫化水素イオン4,84(5,85)、硫酸イオン339(514)、炭酸水素イオン225(157)、炭酸イオン2,08(0,23)、メタケイ酸イオン5,19(0,91)、メタホウ酸イオン0,04(0,01)。
   ・遊離物質→メタケイ酸211(227)、メタホウ酸0,48(0,35)、遊離二酸化炭素3,01(13,3)、硫化水素0,43(3,31)。 平成17年2/3。

    濁り湯なのに柔らかく、非常に体内にしみる。
    長湯しても指の皺ができない、のは不思議。
   (硫黄泉&塩化物泉&アルカリ性単純泉の良い所が「相乗効果」として実現できている感じがする。その相乗効果の意味でも日光沢温泉や加仁湯なと夫婦淵奥の温泉と非常に共通する。ただアルカリ性単純泉の部分は加仁湯たちには弱く、その代わりに塩化物泉の面と山中のエネルギーが特に日光沢は強い。実際、加仁湯に入った時、「ああここは奥鬼怒の松阪屋だな。もう少しエネルギーが強ければ…」とも思ったほどだ。(注/日光沢はその山中の氣がさらに純化強調され松阪屋より上かも、と思ったほどだった。(その後、松阪屋本店に入ってみて、その湯質の違い、松阪屋本店の凄味を感じる。))
    湯質の面でも秘湯といえよう。
    飲泉も出来る。アルカリなので酸味がない。甘味ともいえる旨味あり。特に肝臓に非常に響くが、腎臓、呼吸器、心臓にも響く。

温泉力/ ◎(三重マル)
    箱根では一番かもしれない。(特に濁り湯では秘湯の萬岳楼以上)
    (ここで働く若い男性は、夏でも長袖でないと外に出れない程のアトピーだったが、ここで飲泉(一日一杯のみ)と温泉に入って2ヶ月ですっかり綺麗になってしまった、と言っていた。)
    なお私は湯の効能書きは眉に唾するわけではないが、参考程度にしかしない。
    理由は、観念を入れずに自分の感覚を尊重したいためと、その効果を及ぼす背後の理由こそ知りたいがためである。
    同じ理由により、私の報告にも症状別の効果は例外を除き敢えて書いていない。
    ただ、ここの効果として性器関係に効く、湯気を吸引すると気管支カタル、喘息に効く、とあったのは他に類を見ず(箱根でこそ滅多にないが他の温泉では婦人病は多くあるが)、それはここに掲げておきたく思う。
    ともあれ、ここの湯はやはり凄い。秀明館の項でも書いたように、箱根の二大秘湯であり、どちらもが対照的(場所さえも山頂を挟んで)であり、また共通項もありということで不思議である。
    秀明館同様、独自の湯(自噴なので当たり前なのだが、それ以上に個性ある独特の湯)なのだが、分析的な表現で言えば、にごり湯(大概酸性)の良さと、アルカリ性泉の良さ、それに塩化物泉の良さを合わせた相乗効果がある感じ。
    にごり湯であって、にごり湯の範疇には入れたくない感触もある湯。(実際、入った瞬間に皮膚がスルッではなくピッピッと泊まる感触(すべすべになるためか…)がある。これはにごり湯の逆である。(20分前ににごり湯に入って確かめている。)アルカリ性だからということでもないようで、この皮膚感は酸性湯の時に近い。何故なのだろう。)
    ともあれ、ここの湯は、これはこれでこれも秀名館が姥子温泉の代表であるように、同様、芦之湯の完成された形の温泉なのである。
    品も格もあり、そして体(とくに感覚的身体(=からだ))がよく動く湯。
    秘湯、そして身心を改善する上でも素晴らしい湯という意味だけでなく、湯の品格という意味でも、やはり、ここの湯は私のお気に入りである。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ◎ 二泊三日以上。
接待/ △
客室/ △×~◎ (部屋にも硫黄臭が僅かにするのも良い。ただすぐに感じなくなるが。なお、ここの湯は吸入(肺に吸い込む)すると喘息や気管支カタルに著効がある。)
(泊まった部屋/1、若松(仕切りが薄いためと外が非常に静かなので、二階の声と音が聞こえフロントに伝えたところ、この部屋に移してもらった。音の問題がなければ△×でなく△○。
        2、千種(8畳一間で以前の若松より全然狭いがとても良い。(今回は二階で風呂付きを選んだ)入った時の氣が違うと思ったら景色は抜群。同行の助っ人も「これはラッキーですよ。ここでは執筆も出来ますよ。」と言う。浴場からの帰りに他の部屋を少し覗かせて戴いた。庭が見えない部屋も多く唖然とした。宿回りからいってこの部屋が一番の部類に属するのかもしれないと思った。部屋に戻り、以前泊まった部屋とは全く違う氣を感じているうちに襖を見やると掛け板があり、そこに「獅子文六先生 詳説「箱根山」ご執筆の室」と書かれてあった。なんとまあ。獅子文六がこの宿で書いていたことは知っていたので、いつかその部屋をと思っていたばかりの事であったのに。(どうりで強羅環粋楼の川端康成お気に入りの部屋と同じ匂いがするわけだ。)
 そのことを助っ人二人に言うと、「だから本当にラッキーだったのですよ。」と言われた。
 (実は、今回この宿をとる時にはアクシデント(松阪屋本店側の)があり、非常に稀な形で、私も他の宿を感覚的にキャンセルなどをしての運びとなっていた。詳細は割愛するが、私の中の動物的本能(?人間的願望達成力?自然求道邁進力?)が、成し得た偶然なのか。)
 その後、チェックアウトの時に女将さんに伺ったところによると、私たちが泊まった部屋が、この宿で一番の部屋(特に景色が)なのだそうで、その隣の部屋(二間続きの大部屋)も良いがそこは4人以上でないと泊まれないらしい。(ちなみに皇太子殿下はその部屋にご宿泊されるのだそうだ。)

景色/ ○
 庭は箱根なら強羅環翠楼には劣るが萬翠楼福住よりはずっと良い。(落合楼村上とかは別格として)ただ、部屋によっては他の部屋が向こうに見える。(なので部屋からの景色は△だが、部屋によっては○△~○もある。

周囲/ ◎
 宿から外に出て、二子山と駒ヶ岳をのぞむ景観は箱根随一と言ってもだろう。
 かなりの標高があるため、長野の高原にいるような錯覚を覚えるが、その標高のため半分以上の日が霧で覆われてしまうのが唯一の難点。ただ霧もまた秘境的な感覚が漂って良い。
 箱根の秘境の一つである。
 (そしたまた、敷地内裏に「極秘」ご神氣スポット(瞑想場)がある。)

イヤシロチ?/ ◎ (この周囲自体がイヤシロチであるが、特にこの敷地は強く、また敷地内に極秘ご神氣溢るるスポットもある。)

ビール/ △キリンラガー
冷凍庫/ ○(かなり冷える)
部屋食/ ○
食事/ ○△ (大した食事ではないが気がこもっている。鰻鍋の中のゴボウは美味。)
(氷)水/ △(部屋の水は箱根町営の水道水(箱根。なんとここは水は出ないが温泉はジャンジャン出る。それが道一本隔てた「きのくにや」側は温泉は出ず、水が出るのだそうだ。)
  二回目に氷水頼むと有料になる。(私の場合500円。もう少し安い200円パターンもあるようだが…。)
  なお、せっかく飲泉もできる同じ湯が蛇口からも出ているのだから、その時の要求に合わせて氷温泉方式を活用されてもと良いと思う。
 ★この『氷(水)を、そこの温泉で行う方法』は、私のオリジナルであるが、ぜひ皆にも薦めたい。飲泉が気軽に出来る。
  (ちなみに私はここの温泉を製氷皿に入れ温泉氷も作った。)

寝具(寝心地)/ △
金額/ △
  14000円~
 (インターネットでの予約のほうが台帳に転記する手間が省けるため安い。)
  なお、予約するなら、ぜひ風呂付きの部屋がお薦め。一人でも17000円で風呂付きの部屋が取れる。
  ただ一階だと団体客が二階に入っているとうるさいことがあるだろうから、景観のためにも二階がいいのだが、二階に風呂付きがあるかどうか…。
  なお朝食抜きだと-1000円は嬉しい。
  (風呂のみだと1000円。午後2時以降から。)

一人/ 【極秘情報】
  ×と本やインターネットでは言われているが、実は○。
通信環境(インターネットetc.)/ × (やはり、イヤシロチと感じる所はアクセスが出来ない。これは…
★逆に、色々な電波が飛ばないところを、「ここはすがすがしい」と感じるためなのかもしれない。(イヤシロチまでいかなくとも))

総合評価/ ◎
今後/ ◎
  湯&ご神氣に浴びるため、ぜひ活用したい。その時はやはり二階で風呂付きの部屋で見晴らしの良いほうというのを選択肢に入れたい。(その後/ここでの合宿は実現したが、その部屋は一回目は無理であった。)
    (ただ冷房無しなので夏場は控えたほうがいいか。宿のホームページでは「暖房完備だが、冷房設備はない。標高800メートルにあり都市部の温度より5~9度低く、真夏でも最高気温は摂氏27度~28最前後で高原の爽やかさを味わえる。」と書いているが。)
  なお、ここは標高が高いため、三日に二日は霧の中である。
  (それまた、裏のご神氣スポットには良いが、せっかくの高原的見晴らしは味わえない。)

ありがとうございます。& ご投稿を…。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 4月 4日(火)11時49分11秒
  張良様、ありがとうございます。
この掲示板を、ご覧になっている方の参考になると思います。
さて、湯治合宿に行かれた皆さまからも、「湯の花温泉ホテル」の湯についてコメントあるかな、と思って暫くこのままにしたのですが、張良様以外は無いようなので、いよいよ湯治合宿の終着点であった芦之湯温泉箱根Aこと、松阪屋本店にいきます。
よろしければ、湯治合宿参加者の皆さん(&特別湯治合宿に行かれた張良さん、朝倉さん)もコメントをどうぞ。

湯の花温泉ホテル

 投稿者:張良  投稿日:2006年 4月 1日(土)00時46分1秒
  湯の花温泉迄に行く道程の風景が素晴らしい。
国道(県道かな。。)から外れ、奥へ奥へ入っていく。
パッと風景が広がり、駒ヶ岳をバックに大地から湯けむりが天空へモクモクと各箇所から立ち煙る。
ジミヘンの「リトルウイング」の歌詞にあるような。

建物も温泉宿というより、ゴルフのクラブハウスのような。
プリンスホテル系であるから、そうだろうという感じ。
現にゴルフ場とも併設している。

露天風呂というより、室外プールと言う感じ。(あまり大きくはない)
昔、幼少の時分の父に夏休みに連れられた磯子のプリンスホテルの野外プールを思い出す。

入浴してみると、筋肉が緩む感じ。 体の動きにくる。
入浴する箇所によって、感じかたが異なる。
お湯の注ぎ口の処が一番、感じやすく、快あり。 安らぎ感あり。

白い濁り湯で、若干青ぽい。
硫黄臭あり。後、焦げ臭い感じもある。 (循環だからか。。。)
飲んでみると、お煎餅のような味がする。

お湯自身の力は弱いと思う。 (循環や塩素で、不透明になっているのか。。。)
どちらかというと母性的な感触あり。

多分ゴルフの後に浸かると、とても良いのではと想像する。
なぜかゴルフとの連想がぴたりとする。

ちなみに地図に見る限りでは一番、駒ヶ岳(箱根のご神気の山)に近い。
その次が方向的に逆になるが、姥子の秀明館であるのも、不思議である。

秀明館

 投稿者:張良  投稿日:2006年 3月31日(金)23時09分33秒
  「ここは秘湯で、ご神氣そのものですよ」と案内された湯。
自分の温泉の概念が根本的に変わってしまった湯である。

大正時代に造られたという館が綺麗にリニューアルされ、玄関で受付を済ませ、通路を歩き、内湯へ。
内湯を観ると、大きな岩がしめ縄で飾られ、空間がすごく神聖な感じがする。
すでに「湯」の誘導が始まっている。
「ここはリラックスするとこではない、まるで修行の場だ。。。」
神岩のふもとから、かすかにお湯が湧き出ているのが確認できる、そして湯気がその空間を描く。
湯にゆっくりと肩まで漬かり、目を閉じ、在るがままを内で感じてみる。
グっと自分に中心軸に来る感じ。 軸が離れて、再び軸に戻って帰ってくっ付く感じ。 もっと内へ内へともってかれる感あり。 自力的な感覚を目覚ます感。 そして空になっていく。 そしてそのように促す他力的なお湯の力が抜群にある。 とても父性を感じる。
自分が浄化されていく感覚在り。  いままではいった温泉には感じれなかった感覚。
内湯の空間もとても静か、神聖的。
前世(?)もこのような感覚を味わったような錯覚をおぼえる(これは言い過ぎかな)。
無意識の領海にも、明らかに満たされている感、。。。滝行の時の満たされ感在り。
色彩的には白、銀、茶、等感じる。
内から力強さが湧きあがてくる感あり。
よくあたたまる。
無色無臭透明。
上がり、休憩場へ。
休憩場の隣では湯治場の台所のような場所あり、ここの湧き水が豊富に掛け流し状態に蛇口からでている。
飲んでみる。 旨い。 飲むとこちらも自分の中心軸にくる感ある。 軽いのだがとても説得力のある感触。
この掛け流しの水に自分の腕時計と家から持参した水晶玉を浸けてみる。 滝行? 10分位してみると、時計にたまった垢もよく採れている。 そして水晶も満ち帰るように浄化した感あり。 あまり感動して持参したポットにたっぷりいれて持ち帰る(ちなみに3週間くらいおいしく頂きました。くさりませんでした)
休憩場は禁煙だが、自分達しかいないことを館の人に伝えると、「特別ですよ」と灰皿をわたしてくれた。
煙草を美味しく頂くことができた。 畳みがひいてあるのでリラックスできる。 湯上がり整体もやろうとすればできる(笑)。 書物もあった。 なぜか「三国志」のマンガ全巻おいてあった。
館の裏に、小さいな神社あるので、行ってみる。 途中ここの看板犬の「金太郎」君(柴犬)と出会う。
凛々しく純朴なワンちゃんでした。
カフェみたいな小屋もあった。 なかなか良い感じであった。 田舎の茶屋とカフェの融合みたいな。その時は開いていなかったようだが。
神社は3つあった。 素朴で自然そのものでありながら、昔からそこにいらっしゃる感覚覚える。

冬に時期はお湯が枯れるようである。 今年は得に渇水だったので、3月まで完全にクローズであった。

とにかく価値観が変わってしまうくらいすごい処ではあった。

リニューアル前からも秘湯として有名であったらしいが、今後はぜったい人気がでるであろうから、今の静けさが残ってくれれればなと願う。

湯の花温泉ホテル

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 3月29日(水)12時45分54秒
  地名(温泉名)/ 湯の花沢
住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町湯の花高原

名称/ 箱根湯の花温泉ホテル (プリンス系)

電話/ 0460-3-5111
交通/ 東海道新幹線小田原駅からタクシーで40分(約\7,000)、伊豆箱根バスで45分(芦の湯バス停下車)。
    小田急ロマンスカー箱根湯本駅からタクシーで25分(約\5,000)、伊豆箱根バスで30分(芦の湯バス停下車)。
    東海道新幹線三島駅からタクシーで55分(約\8,000)。※芦の湯バス停からホテル送迎車で5分(2km)。

動機/ 芦之湯のとある温泉に行った時、さらに駒ヶ岳を上に登る道があり、気になっていたのだが、そこに湯の花沢温泉というのがあることを後で知り、インターネットで調べると秘湯なのだと言う。更にインターネットで検索すると芦之湯のように白濁&エメラルドグリーンの色で興味がわき、更に箱根で最も標高の高い露天風呂とか、秘湯とかいう情報に胸を踊らせられた。

風呂/ 内湯 男1女1
    露天 1(こちらがにごり湯)

湯質/ △× 消毒・循環・加熱 有り。
    内湯は、透明。これは沢湧泉つまり湧き水を沸かしているもの。(こちらは×)
    露天は、白濁エメラルドグリーン(というよりは薄水色)の単純硫黄温泉。(湯の花沢温泉。ただ消毒は検査の時とかたまにらしい。弱酸性低張性高温泉。52・2度。pH5・67。)
    硫黄臭以外に何か焦げ臭い匂い(焦げたお煎餅臭)を感じる。(これは飲泉の時もそう)
    入浴場所によって湯質が異なる。注がれている所のほうが良い。
    内側から緩み開放系の湯。特に筋肉の緊張場所を緩ませる。
    なお、ここのにごり湯はこのホテルのみの活用であるが、この湯の花沢温泉からは様々な旅館、別荘(!)にも給湯しており、2005年の台風での箱根温泉がほとんどダメージを受けたというのは、湯の花沢の湯がストップしたことが大きな理由らしい。
温泉力/△
接待/ ◎ (さすがプリンス系)
周囲/ ○
自然度/○△
イヤシロチ?/○
金額/ ×1625円。(午後1時から入浴可)
連泊希望(湯治etc.)日数/ △(お湯目的でなく。湯は下の芦之湯のとある温泉を活用するとして。)
総合評価/ △ 箱根秘湯を味わいたい方は一度は行ってみるのも良いだろう。

秀明館

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 3月28日(火)23時03分48秒
  地名(温泉名)/  箱根姥子温泉
名称/ 秀明館
住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根110-1
電話/ 0460-4-0026
交通/ 箱根ロープウェイ 姥子駅下車 徒歩3分

宿の簡単な説明/ 知る人ぞ知る箱根の秘湯。(箱根三所大権現(箱根神社)の神領内にある)
  古くから眼病に効く温泉として知られており、平安時代の武将・源頼光の忠臣であった坂田公時こと、金太郎(幼少時の名前)ゆかりの湯としても有名。ある時金太郎が枯れ枝で目をさして見えなくなったとき、姥が箱根権現のお告げでこの姥子温泉を見つけ出し、金太郎の目を洗ったところ全快したと伝えられていて、「姥子」という地名もこの伝説に由来していると言うが、修験道系のご神氣を感じたので、宿の主人に「ここは修験道開祖役の行者がこの場所を見つけ、そして湯も出したのでは?」と伺うと、その通りです、との事であった。
 (なお、夏目漱石も眼病をこの地で治したそうで、「我輩は猫である」にも湯治客でにぎわう姥子温泉が登場する。俳人の水原秋桜子もここを訪れ「一もとの姥子の宿の遅桜」という句を残している。)
 2004年に天山湯治郷のオーナーに経営者が代わり、宿も一新した。(そのため湧出の少ない冬期は休館だったが今はポンプを用い冬期でも入浴できる。湯枯れの時も、雨が降れば数日後には大丈夫は今でもそうらしいが。)
 なお現在は宿泊不可だが、2006年からは実施する予定だそうだ。
 休憩室 個室 駐車場有。

営業時間(日帰り入浴)/ 9時~17時 休業日(最終木曜)
風呂/ ◎内湯 男1女1 家族風呂
    湯の出ている所の岩自体がご神石で、しめ縄が巻かれてある。
    まさにご神水の中に全身を浸らせて戴く感じだ。素晴らしい。

湯質/ ◎(三重マル)
    自然湧出。源泉掛け流し。
    単純温泉 カルシウム-硫酸塩泉 ナトリウム-硫酸塩泉
    元箱根4号泉 単純温泉 48・4度 ph3・3 弱酸性低張性高温泉 成分総計799mg
    元箱根20号泉 単純温泉 42・4度 実質 50度以上 ph3.7 弱酸性低張性高温泉 実質3.5 総計800mg
    飲んで(飲泉)どころか、湯の中で目を開けると目に良いのだが、目どころでなく、全身に強力に響く。
    神社に入る時は、禊ぎのため口をゆすぐが、ここでは全身を禊ぐことが出来る。
    燐とした、品格(特に格)のある湯である。

     (※その後、温泉チャンピオンの郡司勇氏により、この湯が箱根では珍しい明礬泉である事を知る。明礬泉は目に効くらしい。なお彼もこの湯は絶賛していた。 しかし、その後、2006年に工事もあったため、その後のコメントは無い。)

温泉力/◎(三重マル)圧倒的な湯力。全身の細胞にその力が及び、続いて体や心の問題箇所が動き出す。温泉力のある湯は、湯の中にいる時から内部では反応が出るのである。
     浴後、背骨が燐とする。体の中心軸が定まる。余韻、影響の持続は長い。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/◎(三重マル)3日以上。
水/ ◎ここの水道からの水は湧き水で、非常に美味しい。箱根九頭龍神社のご神水に勝るとも劣らない。
    そのため、九頭龍神社の水を持っている人なのに、ここの自動販売機でお茶を買って中身を捨てて(!)、水を入れていた人がいらした。飲んでしばらくするとまた飲みたくなる不思議な水。
    同行の助っ人は、水を飲んでも内感すると体の中心軸にくる、と言っていたが同感である。

接待/ ◎(~×△)
  (非常に物腰柔らかく聰明な館主。お話ししているだけで、ここの周囲の自然の氣と相まってなごんでくる。)
   …と数回行ってもそうであったが、協会での湯治合宿の時は全く逆であった。
   いつもの管理人はいなく、代わりに男女二人の方が。
   そのうち男性のほうは、天山でもよく見かけた方。
   去年より「来年の3/18は急に訪れても大丈夫ですか?」と電話で確認していたのに、結局、今年より、システムが代わり駄目ということで、私たち20数名はそこから回避しなくてはならなくなった。
   (その細かい理由の詳細もここに書きたいが、それはかえって宿の仲裁になるので留めておく。)
   マクドナルドのようなフランチァイズがそうであるように、例外を無くしたいのかもしれないが、しかし温泉(湯治)宿というのは、マクドナルドはちょっと違う。
★   素材が自然なのであり、そして自然は厳しいが、しかしマニュアル通りではない。
   「即興演奏講座」を開いている理由でもあるが、自然の道(氣の道=『氣道』)は、常に即興なのである。
   いのちは即興の中でしか産まれない。そして即興がいのちを生むのかもしれない。

   おそらくは、誰よりも湯や自然を大事にしている天山湯治郷のオーナーはそういうことも分かっていらっしゃるのだろうが、少し残念な体験ではあった。
   上述しなかった細かい理由を聞き、かなり切れていた人も多かったが、ある意味仕方ない。自然を活かしたいといっても、この山中に約束事を優先させる文化が日本なのかもしれない。何度も言うように天山湯治郷のオーナーはそういうことが起こり得ること(約束したのにそれを従業員が忘れてしまう)は分かっているのだろうけれども、実際、その現場にいたら驚くとは思った。
 しかし、湯を、そして日本の文化を大事にする私たちこそ、そこは寛容にしたい。
 それでも、このように公の場で言っているのは、天山湯治郷の趣旨が素晴らしいからであるからこそであり、二つ目は、オーナーのたよやかでしなやかでありながら鋼のような強さを知っているからでもある。
 その意味でも、今後に期待してみたい。(それ故、現在は×△なのでそのような評価とした。)

景色/ ○
周囲/ ○
 裏手には箱根権現社と薬師堂があり、この箱根権現社は小さいが、「こここそ本来の箱根神社では…」と直感する。並々ならぬご神氣があり、実際その後箱根神社に行った時には、やはり姥子が大元のだったのではと感じさせられた。
 薬師堂には、眼病が全快した人々がお礼に奉納した幕がかかり、堂の前には江戸時代に奉納された多くの石仏が残されている。また、金太郎の姥を安置した山姥堂もあり、自然の氣(しかもご神氣)に満ち、この周辺だけ時間が止まったような佇まい。
 その裏には、「自然探勝歩道」という姥子から大涌谷に抜ける一キロ程の散策コース(徒歩約40分程)があるが、この箱根権現社の裏あたりのご神氣(結界の張り紙がある)は素晴らしく。その余韻が橋の辺りまで抜ける。道脇にはブナ、カエデ、ニシキウツギ、アセビなどが密生し林の中には3千年前に大涌谷が崩れた時に出来た流山(ながれやま)という巨石が点在している。
 (なお南には、自然の巨岩に、江戸中期に活躍した医師・本草学者の野呂元丈が湯治に訪れたことを記念して作った七言絶句が彫られた碑「望湖石」がある。江戸時代はこの地域は野焼きの為、木や草は生えておらず、富士や湖が望めたことから「望湖石」と名づけられたらしい。現在はうっそうとした林の中にある。)

イヤシロチ?/ ◎(三重マル)
  箱根の自然スポット(ご神氣霊場)ナンバー1だろう。
  もう一つあるスポットも、何故かここと非常に氣の質が似ており、それは芦之湯の松阪屋本店裏にある。そこの湯も箱根の秘湯であるが泉質はまったく対照的と言って良く(透明~エメラルドグリーンと色が変わる非常に不思議な湯。)、場の良さと泉質の良さ、そして対称度が非常に興味深い。(そういえばどちらも山の中腹にあり、神山と駒ヶ岳を挟んで位置的にも対称に近いのも面白い。)
 実は、この二カ所は実は誰にも教えたくない氣道練成のための瞑想&湯治&身心活性化の極秘スポットなのだが、氣道会員のため初公開する。

料金/ 入浴¥1800(タオル、バスタオル付)入浴個室休憩¥2300(1日、タオル、バスタオル、浴衣付。9~17時。)家族風呂¥1000(1人)
総合評価/ ◎
今後/ ◎ (宿泊できるようになったら、是非「氣道」合宿を行いたい。接待のことが空くので、きちんと下見に行った上で。)

弥坂湯

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 3月28日(火)09時02分49秒
  地名(温泉名)/ 箱根湯本旧街道

名称/ 弥坂湯

電話/ 0460-5-5233
交通/ 箱根湯本駅から徒歩12分位。三枚橋から旧街道を上がると左側にある。
    あるいは滝通り温泉郷の入り口から真っ直ぐ弥栄橋を渡り弥坂を上がり、旧街道にぶつかった所。

動機/ 旧街道を歩いていると、車で通るのとは違う感覚になっていった。
    目線の違いだけでなく、実際にその場の地を踏みしめ、その場の空気を吸って歩くことによって、その土地の氣を肌で感じることが出来る。
    「ここ(旧街道の下のほう)も、歴史が今だに息づいている良い所だな。少なくとも半世紀前には戻った感じだ。」と思って歩いていると、目の前に「弥坂湯」という看板が…。
    何という鄙びた風情!
    まさしく半世紀前である。
    引き戸を開けて、中を覗く、そこに鄙びた老人(番台さん)が背中を向けて座っており、私が入ったのに気付くと、ゆっくりゆっくり振り返る。
    湯は源泉掛け流し(消毒・循環・加水・加熱無し)だそうで、
    「ぁ、ぁあったたまるよ…。」というかすれ声を待たずに入っていった。

宿の簡単な説明/ 日帰りのみ。(一般の方はまず訪れない穴場だ。)
風呂/ ◎
    男1 女1
    丸いタイル造り。(まるで福住楼の大丸風呂をタイルにしたようだ。)
    着替える所も浴室もレトロでとてもいい。(佇むと、夫婦淵の日光澤温泉に行った時の感じが蘇ってきた。)
湯質/ ◎
 (以下、着替え場所に掲げてある成分表をメモして転載。)
   ・泉名→湯本生活共同組合。・台帳番号湯本29号46号混合泉。
   ・源泉温度→48,7度。
   ・pH.→8,7。
   ・泉質→ アルカリ性低張性高温泉。
   ・陽イオン(総量ミリグラム)→リチウムイオン0,02、ナトリウムイオン123、カリウムイオン1,14、カルシウムイオン7,46、マグネシウムイオン0,08、マンガンイオン0,01、ストロンチウムイオン0,01、第一鉄イオン0,01、アルミニウムイオン0,02、亜鉛イオン0。
  ・陰イオン(総量ミリグラム)→フッ素イオン0,24、塩素イオン119、硫酸イオン53,2、炭酸水素イオン71,6、炭酸イオン2,76、硝酸イオン1,40、メタホウ酸イオン5,08、メタホウ酸イオン1,14。
  ・イオン総量
   ・遊離物質→メタケイ酸51,3、メタホウ酸3,67、遊離二酸化炭素0,22、遊離硫化水素0。
   ・微量成分→総砒素0,125。
   (平成14年12月20日。)

    無色透明無味無臭のきれいな湯が張られている。
    源泉48・7度。(そのため夏は熱く、冬はぬるいそうだが、「ぬ、ぬるいけど、ぁ、ぁあったたたまるるょよぉおおう…」と番台の老人は言う。私が入ったのは11月の寒い日であったが、ぬるくなく、私には非常に合った適温であった。(5分程で出る。)
    同じアルカリ性単純泉でも豊栄荘のような気体のような軽さはないが、とても透明感のある湯質。肌にも優しく、内にも浸みる。(箱根湯本の原型と言える湯質ではないだろうか。)
    強いて言えば、三側(背骨の際指三本分のライン)に響くようで、ふと過去の連想が出る。まるで「からだ(潜在意識)」に溜まっていたものを流していくように…。
    人がいないためだけでなく、湯での瞑想も瞬時に深まる。
    時折り、天井から落ちる湯滴の音が心地よい。

温泉力/◎~○
    湯の氣(エネルギー)が皮膚から「からだ(潜在意識)」に浸み渡り、まるで白陰禅師の瞑想法のように心身を洗い出しそして満たしてくれる。
    最後は頭頂部に抜ける感じがした頃、身体も出たい動きを無意識的にしていたので出ることにした。
    (その後、滝通り温泉郷を歩くが、瞑想状態はずっと通奏低音のようにその日一日続く。砂浴の綱吉屋のあとの感じに近い。
     おそらく私が今日初めての入湯だったため、湯力が純粋だったのかもしれないが、ここは多くとも一日30人程なのだそうだ。)

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ○
    この近くは素泊まりのできる所も多いので、ここを活用して湯治をするのもいいかもしれない。

接待/ ◎ (私が忘れ物をしてしまったら、足が不自由なのに、後から追いかけて来てくれた。近くに座って、ここの湯の感想をメモしていて良かった… )
景色/ ×(景色は無いが、タイル張りの浴室は掃除が行き届いている。)
周囲/ ○(上記したとおり)
イヤシロチ?/ ○~△
金額/ 500円(450円+入湯税50円)午前9~午後8時半。木曜定休。
総合評価/ ◎
今後/ ◎ぜひまた入りたい。(それでまた行った。おじさんは相変わらず優しく、夏だというのに炬燵を出しているのも嬉しかった。)

ごめんなさい。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 3月23日(木)09時13分21秒
  皆さま、たくさんのご投稿ありがとうございます。
下に、「あと1日か2日はこのまま天山湯治郷のまま待っていることにします。」と書いたのですが、日記にも書いたように、27日まではここには投稿できないので、1日か2日ではなかったのでした。(今日も、ゆうさんには謝りましたが…)

それにしても、皆さんのご投稿には感謝。
そして素晴らしいです!

一期一会の湯

 投稿者:春暁  投稿日:2006年 3月22日(水)14時30分50秒
  羽衣、天山、そして一休。
ひとつの郷にてたくさんの湯(質)に出会い、夫々に夫々の良さを感じる。

印象深きは、一休のお湯。
あるときは夜の雨の中、また木漏れ日きらめく風の中、
露天にただひとり、目を閉じて湯に、とける。
雨を感じて雨になり、風を感じて風になり… ただただ、そのものになる。
目を開けば飛び込んでくる“自然”に、
自分もまた“自然そのもの”なのだと感じる。

その時の自分、その時の自然… 一期一会の湯。
同じ湯にもまた、無数の楽しみがあると知る。

天山湯治郷

 投稿者:夏蛍  投稿日:2006年 3月21日(火)23時22分33秒
  皆さま書いていらっしゃるように、羽衣のお湯は本当に素晴らしかったです。

最初に入ったときは、首と顎関節が緩む感覚があり、
2回目は、胸のあたりがすーっと溶けて丹田と繋がると共にもうひとつ首の付け根が緩んで、身体がとても纏まり、掌が変わったような気がしました。
その後は入る都度、自分に必要な部分に響くような感覚で、またお湯から出たあとに違和感の場所が移動したり強調されたりして自ずと内体運動や合掌行氣をしたくなったり、本当にいろいろな変化がありました。
(帰宅後も、朝晩にどうしても合掌行気をしたくなるかんじが、少なくとも数週間は残っていました。)

天山では様々なお湯を楽しめるのですが、その時は私は時間に追われて入ったせいと、人が多くて賑やかな雰囲気もあり、あまり深く感じることはできませんでした。それでも洞窟風呂のパワーは素晴らしかった。

一休の中には、内側を感じることが難しいようなお湯があり、ネガティブなことを思い浮かべても、瞬間で「それ」がなくなってしまうようでした。
全てがお湯に流れて自分がからっぽになる感覚。
部屋に戻って少しして、「自分」として感じる領域が大きく柔かく広がっているような感覚を持ちました。

食事は天山でも非常に楽しめますが、羽衣の夕食は特に印象的。
居心地の良い食事処で、とても美味しくうつくしい玄米菜食のお料理でした。
頂いている間、同席のメンバーが誰一人おしゃべりをしなかった(これは何なのだろう?などと、お品書を見合うくらい)。
次第に瞑想状態になってゆくような不思議な体験で、「食べる」ってこういうことだったのか…、と思いました。

帰宅した後には、今までにない視界のクリアさと、丹田の充実感、周りに影響されない感覚がありました。
そしてまた、温泉の時の感覚を覚えた体で「感じよう」として入浴すると、自宅のお風呂でも首が内側から緩んだり、温泉には全然敵わないけれどそれなりの変化はあることに気がつきました。
今までは自宅のお風呂を活かすことができていなかったのだな、と思いました。

温泉がこれほどのものだったとは。ぜひ今後も様々な体験をしてみたいです。

天山湯治郷。

 投稿者:ふーぅ。  投稿日:2006年 3月21日(火)19時56分7秒
  「羽衣」に宿泊する機会を得て、天山湯治郷の湯を味わい感動。
天山湯治郷の湯、とても気にいりました。そして何回も味わいました。

特にお薦めはと聞かれたら、爛爛さん同様、「羽衣」の湯と「天山」の洞窟風呂をあげます。

「羽衣」の湯は、とにかくお薦め。
宿泊のみが利用できる湯なので時間帯をずらすと一人じめができとても贅沢。(これからの季節、桜を眺めながら湯を楽しめるなんてとても優雅。)
湯船に入った瞬間、お湯の柔らかさ・やさしさが体の中にしみわたり、こんな体感を味わいながら湯に入ったことがあっただろうか・・目を閉じてしばし楽しむ。

湯ばかりでなく「羽衣」の食事にも感激。
夜は、玄米、朝は五穀米をいただく。
どの食材も体に負担をかけずにと、よく考えられていて味もとても美味しい。
玉だれの滝の水からできた湯豆腐もとても美味しい。

「天山」の中では、洞窟風呂がお薦め。
山のパワーを背に受け地球の羊水に包まれいつしか周りの全ての気配も消え瞑想の中に・・とてもここちよい。

箱根にいくなら日帰り温泉ではなく、宿泊してのんびりと・・と思っていた私が、これからは天山湯治郷を訪れることが多くなりそう。

http://htt


嬉しいですね。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 3月21日(火)16時19分19秒
  任命された執筆者が、どんどんと書き込みされていますね。
しかも、重複した情報があまりなく、大変参考になります。(ありがとうございます!)

そろそろ次の湯についての紹介にいよいよ移りたいのですが、(いよいよ芦之湯「A」です!)
他にも、お願いした執筆者がおりますので、あと1日か2日はこのまま天山湯治郷のまま待っていることにします。

いざ天山。

 投稿者:爛爛  投稿日:2006年 3月21日(火)15時08分26秒
   行って参りました、天山湯治郷。
 個人的に、ヘタな温泉宿によくある雑然とした装飾品が嫌いなので、天山湯治郷のムダなくスッキリとした中にある品のよさ、気に入りました。

 お湯はどうかと申しますと、たくさんある中でも、NO.1は宿泊施設「羽衣」の湯。
 小さなお風呂ですが、湯はまろやかで温度もここちよく、からだがふわぁっと溶けて、湯に混ざり合う。
 小さな空間にぷかぷか身をまかせているうちに、羊水の中にいる感覚ってこんなかな?と思うほどでした。

 NO.2は、「天山」にある洞窟風呂。
 すっぽりと岩につつまれた空間は、まさに真空。自分という個体を忘れさせてくれます。
 温度は洞窟の奥に行くほど熱くなり、一番奥の岩場には観音様のような像があり、近づきたくても熱くてなかなか近づけない・・・神聖な空間の演出もにくらしいほど。

 NO.3は、「一休」の湯。
 そばには鐘もあり、僧院を彷彿とさせる佇まい。
 目前には樹木の茂り、細くチロチロと流れる水の音。静寂な空間の中で入る湯は、座禅をしているかのよう。

 その日その時、こころとからだの感じに合わせて湯を選べる、贅沢な湯治場でした。

私も天山!

 投稿者:湯たんぽ  投稿日:2006年 3月21日(火)00時37分8秒
  始めての書き込み失礼します。

3月20日に、私も天山湯治郷に行ってきました。
私のお気に入りは、「通い湯治、湯屋一休」の3つある湯船の中の1つ、お湯はぬるめなのですが、まるで真綿にくるまれているような感触で、目を閉じると体が解けてなくなるような感触にびっくり!

時間が早かったせいか、比較的すいていたので、春の暖かい日差しの中贅沢な時間をすごせました。

それと皆様にお薦めのところを発見!
本当は、あまりにも素晴らしいので余り言いたくは無いのですが・・・

それは、橋を渡ったらすぐのところにある「手打蕎麦、艸楽庵」です。
川のせせらぎをBGMに落ち着いた空間で食べる打ち立て蕎麦は、最高です。
3月下旬から4月上旬にかけては、お店の前の桜が散り、テラスでお蕎麦を食べるとお蕎麦のうえに桜の花びらが降りかかり、お蕎麦を更に引き立ててくれるそうです。
ですので、晴れた日はテラスで食べる事をおすすめします。
(今日、ウエイトレスに聞いた耳寄り情報です。ちなみに、湯本あたりでは、既に桜が咲き始めています。)

それと、天山の好きなところは、回りの自然を大切にしている姿勢にあります。
川を汚す合成界面活性剤を使わず、自然に還元される昔ながらの無添加の固形石鹸を使用したり、
塩素を使わずに浴槽を清掃したり、一度使用した温泉のお湯はそのまま排水せず、床暖房なのに使用して無駄をなくしたりとその配慮が行き届いているのです。
このような自然を大切にする姿勢だからこそ、自然の恵みである「温泉」を安心して堪能できるのではないかと思います。

あ、そうそう、「喫茶、うかれ雲」で湯上りに呑む温泉で入れたコーヒーも是非とも味わってみてください。
美味しいですよ!

天山

 投稿者:張良  投稿日:2006年 3月15日(水)03時55分3秒
  豊栄荘の後に天山湯治郷へ。
自分が行けたのは天山のみ。
ここの来て一番驚き感心したのは、デザインされた内装や空間、そして意図された湯治の演出です。
昔、タイやバリの『SPA(スパ)』へ行ってえらく感動したことがあり、このような感覚が日本にあればいいのに、特に温泉場に。。。思ったことあります。 まさしく日本流スパです。
オーナーの湯やもてなし、湯治にたいする熱意伝わりますが、それ以上にその思いをきちんとデザイン及び設計された建築家(この人、この頃の温泉建築では有名な方です、天山でブレイクしたんじゃなかったかな。。)もなかなかだと思いました。 温泉の空間もスパ的な要素と古来の日本的温泉の要素よくとりいれてます。
ここのパンフもいい。 よく意図されてる。 観てるだけで良く解るし、足を運びたくなる。 バンプ等は整体でいう誘導なので、大事です。
食事処やお土産屋もなかなか良さそうでした。 そういう演出とってもこだわりが、繋がっているので感心。
2Fのレストルームや川を眺めながら横になれるリラックスルームや図書室、そして中庭から炊いていたたき火も素敵だったな。

肝心なお湯の事ですが、
豊栄荘の湯に似てる、でも豊栄荘ほど気化するように軽くないな~という感覚でした。(単純泉のほう)
でも今思うと豊栄荘の湯の方が個性的すぎてるので、比較するのはちょっと酷かなとも思います。
湯にかろやかさもあるけど、若干重さが残る感じ。
そして天山の場合、相当数の人が入るせいか、その環境によってお湯もかなり影響されているような感はあります。 源泉掛け流しでもさけられないのか。。。水は導体だし仕方ないかな。。

色々な人の話しを聞くと、一休の方がゆっくりできるようで、そっちを好む人多いみたいです。
無論湯治で羽衣ならまったく別ものだと察します。

温泉ビキナーであれば、天山はかっこうのスタートでもあり、そして温泉とは。。ということ多く学ぶことができる場だと感じます。

ちなみに天山の女性着替部屋の窓をあけると、男湯が見おろせるようです。(逆はできません)
興味の在るかたは挑戦してください。(笑)

天山湯治郷。

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 3月13日(月)22時11分51秒
  地名(温泉名)/ 箱根湯本温泉

住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋208

名称/ 天山湯治郷(天山、一休、羽衣)

電話/ 0460-6-4126

ホームページ/ http://tenzan.jp/

交通/ 車→小田原厚木道路または西湘バイパス箱根口ICから国道1号線を箱根方面へ向かい、箱根湯本の手前の三枚橋で左折。箱根旧街道をしばらく走り「天山」の看板を右折。
    電車→小田急線箱根湯本駅下車、マイクロバス送迎有り。

動機/ 全国的にも有名な温泉湯治場。姥子の秀明館が現在宿泊不可なので現在箱根では唯一の湯治場と言えるだろう。(なお、秀明館は2004年から天山湯治郷のオーナーと同じ人が経営をし始めている。)
    団体宿泊は不可とは聞いていたが、何らかの形で合宿や同士による「氣道」湯治宿泊に活用したく、いつかは行かなくては…と思っていた。

宿の簡単な説明/ ここが、湯のみを売りにしているためか資料が乏しく、ここの歴史などは割愛。
         宿泊は天山湯治郷の中の一つ羽衣という所。
         秀明館と同じオーナーが経営していると上に書いたが、そのため設備、デザインも同質で、オーナーの理念が厳しく行き届いていて、清潔、潔白、湯や自然に対するこだわりが感じられ、とても心地よい。
         天山の館内にはお風呂の他に広間や個室、食事処、甘味処などがある。

チェックイン&アウト/ 午後3時~午前11時
 (日帰り入浴の場合。天山は午前9時から、一休は午前11時から。)

風呂/ △○
    露天 男5女6(女性のほうには洞窟風呂もあるそうだ。)
    内湯 男1女1(羽衣の宿泊宿の中にある。宿泊者のみ利用可。
    ・さらに釜風呂(蒸し風呂)や水風呂がある。
  湯質はとても良いが、ほとんどの利用者が日帰りのためか露天では60人以上。隣通しで入る入浴は銭湯以上。満員電車の如く。(朝も。特に釜風呂はギッシリ。とても良い釜風呂なのに…)
  おそらくそんな事を書くのは、全国でも私くらいのものだと思うが、そして湯を観察するのに人の多さは関係ないが、温泉(自然)によるゆるみや、世俗から離れる事が必要な方にとっては、芋洗い状態の湯船で身心を改善するのは難しい面があると思った。
  (一休の朝は数人だったため、脇の林を見ながら紅葉の歯が浮く露天に一人で入ることができた。内感をしていると目の前でポトンと大きな音が…。
   調べるとドングリであった。
   (二回目行った時、そこから入る。一休には三つ浴槽があるのであるが、もう一つの浴槽(これも露天。外側のほうだ)に入った時には驚いた。真綿が私にどころでなく、湯が皮膚があっと言う間に溶ける。内感するとからだが瞬時に気体化する。(下記、嵐山光三郎の言葉を参照のこと)
    一緒に入ったスタッフも顎が外れんばかりに驚いていた。
    しかし、何より驚いたのは、それも湯質が同じで、ただ温度が低いだけだとの事だ。もちろん、湯船の形も違うのでそうした影響もあるのだろうが…。
   ・また、浴槽ごとに泉質と温度が分かれていることも特筆しなくてはいけないだろう。)

   なお羽衣の風呂は小さいが、いつも空いていて(いつ行っても誰もいなかった。皆天山や一休のほうに行っているのだろう。)しかも、とっても気持ちが良い。
   下でも書いたように羽衣は塩化物泉であるが、非常に秀逸な塩化物泉なので、一人で静かに大地の羊水の感覚を味わうには羽衣の風呂が私的には最も良い。
   浴室も近いので何度でも入れるし、簡素で清潔で気品がある造りと、食事も接待も素晴らしい宿泊処の羽衣さえあれば、私には天山や一休が無くとも充分なのである。
   (しかし、その後行った時は、天山の釜風呂の凄さに瞠目した。単なるサウナではない、入り口脇(湯船の脇)にある塩をつけて入るのであるが、中で瞑想や内感をすると、その後の物理的身体も、そして感覚的身体であるからだ(=潛在意識)もかなり変化する。その後に、湯に入り内感(体の内側を感じること)したら、湯に入って5秒もしないうちに瞑想に以降した。特にアルカリ性単純泉のほうはかなりの深化で、ものの1分位だと思うが、意識は大氣に溶け込み、「ああ、このままさらに…」と思った(思考が働き出した)時に、いけない、今は湯の中にいた。このままだと物理的身体は死んでしまうな、と思い、体をチェックし、そして入り続けることを断念したのであった。
    嵐山光三郎は、温泉の醍醐味を皮膚と湯の境界がなくなり…と書いているが、そしてそれは、まさにそうなのだろうが、更にいくと、皮膚どころでなく、身体(物理的身体)が完全に無くなり、それ以上に内体(感覚的身体=からだ=こころ)も無くなっていく。
    これは、瞑想である。
    故に、「入浴は、瞑想の導入に最も良い。」と私は言っているのであるが、この理由は、重力の問題が大きいことは他のコメントでも書いた。
    温泉の醍醐味が瞑想感覚を得ることだけではないのであるが、「うまく湯を活用する」コツ(特に内感と瞑想)が分かれば、何倍以上に湯の声をからだに満喫することができるであろう。

湯質/ ◎
   源泉掛け流し。(消毒&循環&加水&加温無し。源泉が熱いのに加水無しなのは、チタン鋼管を介する熱交換システムにより、温度を落としているから。)
   ただ循環だけは衛生上のため休日は利用しているとは聞いていたが、私が行った平日もじゃんじゃん行っていた湯船があった。(そのためそこの湯はあまり良くなかった)
   湯量はすごく毎分258リットルにも及ぶ。(五ヶ所の源泉から日量三七万・湧出。この豊富な湯は他所へ配湯せずに、全てここだけで使用。)
   溜め置きせずに、源泉から直に浴槽へ注がれる。湯は毎日抜き換えしている。

   湯質は塩化物泉とアルカリ性単純泉の二種類。どちらも無色透明のお湯で、湯船によって湯質も温度が変えられている。
   天山は、正面奥の少し上がった所の二カ所がアルカリ性単純泉であとはナトリウム塩化物泉だと伺う。
   一休は、混合泉。羽衣はナトリウム塩化物泉だ。
 (天山湯治郷では5つの源泉があると言うが、ここでは羽衣に掲げてあった分析表を代表として転載する。
  なお、アルカリ性単純泉と塩化物泉と二つの成分表があったので、後者のほうを( )書きで記し、両者を見比べ易いようにした。
  そして、その後、天山の湯質も分かったので、インターネットで出ているアルカリ性単純泉と飲泉用の泉質を、( )内に、「その順序」で続けて記載した。
   参考にされて欲しい。)

  ・台帳番号→ 湯本第92号。(115号、第74、93、101、102、115号、第74号、)
  ・ph8,3(8,0、8,3、9,3)
  ・密度0,9976(?、?、?)
  ・泉質→ 弱アルカリ性置張性高温泉。(ナトリウム-塩化物泉、ナトリウム-塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉、アルカリ性単純泉(アルカリ性単純泉)
  ・陽イオン(総量ミリグラム278(356、469、89,2))
   →リチウムイオン0,07(0,09、0、09、0)、ナトリウムイオン250(324、327、87,5)、カリウムイオン4,93(6,18、72,2、0,33)、カルシウムイオン22,3(1,24、29,8、1,2)、マグネシウムイオン0,23(6,24、39,6、0)、マンガンイオン0,01(0、0,03、0,01、)、アルミニウムイオン0,01(0、0、0,12、)、亜鉛イオン0,01(0、0,02、0、)、第一鉄イオン0(0、0,02、0)。
  ・陰イオン(総量ミリグラム475(603、786、169))
   →水酸イオン0(0、0、0,34)フッ素イオン0,33(0,49、0,41、0,26)、塩素イオン348(470、652、71,5、)、硫酸イオン46,8(52,6、54,4、15,6)、炭酸水素イオン74,2(75,4、73,1、65,8)、炭酸イオン0(0、0、10,0)、硝酸イオン0,18(0,76、0,12、2,3、)、メタケイ酸イオン3,62(2,23、4,20、0)、メタホウ酸イオン1,52(1,07、1,80、3,5)、メタ亜ヒ酸イオン0(0、0、0,14)。
  ・遊離物質→メタケイ酸92,0(113、?、47,2)、メタホウ酸12,4(17,3、?、0)、総砒素0,319(0,432、?、0)、遊離二酸化炭素0(0、?、0,08)。
  (なお、全て0、00のものは省略。平成11年5月20日。(?、平成11年3月18日、平成15年5月8日、)

 ・ナトリウム塩化物泉 67.3(源泉温度)PH8.3(弱アルカリ性低張性高温泉)
   ここのナトリウム塩化物泉はpHも8以上あるアルカリ性のためか非常に強力な湯質。
   (内感してもアルカリ性単純泉のほうよりも身体内部が動くし、湯の滑らかさもアルカリ性単純泉以上と感じることがある。普通はアルカリ度が高いほど分子クラスターも小さいが、私感ではナトリウム塩化物泉のほうが小さいような感じがする。
   天山と一休の湯を比べて一休の湯のほうが良い、と語る人がいたが、その理由はここのナトリウム塩化物泉の優秀さにあるのだと思う。
   (2回目まではそうであったが、今回3回目は、天山のアルカリ性の湯は非常に良かった。天山が開いて初めての客(天山が開くのは午前9時)だったため、湯がその前に入った人の影響を受けていなかったからであろう。
    おそらく湯船が塩化物泉の浴槽と異なり、かなり小さいために、人の影響を受けるのかもしれない。
  ★(特にアルカリ性単純泉は、そうした微細な影響を強く受ける感じがする。)

   味もかなり塩味(とても甘く柔らかい極上の塩味)である。)
 ・アルカリ性単純泉 43.8 PH9.1~8(!!)
   天山の源泉群のうち74号源泉が飲泉用に使われているようだ。それはPH9.3なので野菜並にアルカリ度が高く、また温泉には珍しく硬度の極めて低い軟水のため、とても飲みやすく、常温の場合のノド越しはおどろく程まろやか。
  (ドイツではミネラルを豊富に含んだ温泉を「飲む野菜」と言うらしい。1回200ccくらいを少量ずつ口の中で唾液と共に体温になじませるように飲むのが飲泉のコツで、1日の量は成人で1500ccが目安なのだとここでは言う。)
   なお箱根で保健所から飲泉許可を公布されたのは、ここが初めてのことらしい。
   そのため、ここでは温泉でごはんを炊いたり(!)、しゃぶしゃぶの湯に利用したりもしている。
   私は部屋備品の電気ポットに入れ部屋でお茶を飲んだり(実にまろやか)、氷水にして飲んだりした(2回目以降は、部屋の水も試みる。下記「氷水」の項で書いた。)

温泉力/ ○ 内感しづらいほど瞬時に内側に来る湯もがあった。(特に良いアルカリ温泉はそういうことがある。)
       そのため、意識化できていないところの変化が大きく、湯から出たあとの内感で、変化の大きさに初めて気付く。
       今、「意識化できなていないところの変化」、と表現したが、ここが温泉(特にアルカリ温泉などの表面的な刺戟の少ないもの)の一つのポイントなのだと思う。
       湯を通して、物質的な身体よりも、氣(エネルギー)として氣の身体(私のいう「からだ」)が直接大きく変化する。
       どうも、そのために意識化しづらい部分が生ずるのだろうと思う。
      (その意味では、湯の成分の分析は一つの血液検査のような検査結果に過ぎない。そして塩化物泉などというくくりは単なる病名だ。
       湯にとって一番重要なのは「どのような氣の質の湯なのか?」ということだ。二番目としては、その氣の大きさは?…ということだろう。この、湯の氣のことを科学的に言うと「地中深くの高圧で永年かかって溶けた成分が地上気圧に解圧されて放出される際に生じる分子の電磁的な運動エネルギー」と説明されるらしい。)
       これが、たいして内側の身体(「からだ」)に影響のない(つまり氣が少ない)湯であれば、逆に意識化がしやすいのだろう。
       また、その「場」所自体の氣による影響が大きく、その段階ですでに身体が変化しているとなると、湯に入っても意識化はしにくい。しかし、その場合は、「場」の身体や「からだ」対する影響自体を観察しなくてはいけない。
       ともあれ、ここの湯から出たあとの変化は、とても神経系統が緩んでいる。
       時間を追う毎に体が温まるほどで、すぐに内側に影響が浸透するのに、その浸透が身体に時間の差を持って表面化していく。
       箱根湯本の代表と言っていいほどの素晴らしい湯であり、その面では福住楼を思い出すが、気っぷのある感じの面での湯質は環翠楼のほうが近い。
       (この気っぷは、ここの場所つまり山(湯坂山)のエネルギーによるものだろう。なお、個人的な好み(身体的な影響を含めて)で言えば福住楼のほうが上ではある。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ◎
    3日以上。
    一人(あるいは一人でなくとも)こうした空間、時間が自然の中そして居心地よい環境場所で持てるのは素晴らしい。
    ともかく体が変わる。
    しかし、三回目に行った時のスタッフの感想に同感であるが、「これは氣道流の湯治法だからであって、普通に来たら、ここの湯でこれだけの変化はありえない。」「氣道流の湯治を馬鹿に(?)していたが、目からウロコ。これだけの体感の変化はどのくらい保つのでしょうか?」など、次々にあった。
    私は彼らに「湯の善し悪し以上に、『どのように湯を活用するのか』ということのほうが余程大事なんだよね。」と言ったが、これは、どんなことでもそうであろう。
    これを話せば長くなるので控えるが、ここのような良い湯質でも、それをさらに引き出すすべを知らないと、せっかくの宝石の光を満喫することは難しい。
    ただただ自然に…。

接待/ ◎(三重マル)
    ここの宿は、湯治目的なので、過度な接待は全くない。(布団の上げ下ろしも自分だ。) だから、泊まるとなると、ほんとうに一人の時間、空間が持てる。
    (これでもっと自然の中だったら、とも思う。ただ、これは3日前に見渡す限りの大自然の山奥に行っていたからで、都会の人は自然に触れにここに遠方からも来るだから、私の贅沢というものかもしれない。)
    ここは、宿のオーナーのポリシーが強く、そのため各種パンフや所々に置かれている看板(それは車道の立て看板の立て方からも)など文字や文章からの影響面が強い。(ここで出している新聞まである。)
    女将も仲居も現れないが、そうした文字、文章を通したポリシーがここの接待となっているのである。
    それが心地よい人には特に良いだろう。特に湯治目的なら、そのほうがいいし、また逆に文章から伝わる氣がそうした方の支えになる部分もあるだろう。
   (個人的には、その面には文句はないが、どこか、経営上手だな、とも思ってしまう。しかし、ここ(秀明館を含めて)のポリシーは類稀なる燐とした清潔な厳しさがあり非常に良いと思う。少なくとも自然の尊重と温泉文化への貢献という意味では。)
    ただ、たまにこの天山湯治郷の人たちと接すると、どの人も徹底した教育を受けているようで、非常に丁寧な素晴らしい接待をする。(岩の湯とはまた違った静けさのある接待。その意味で二重マルではなく三重マルにした。)

客室/ ほとんどが天山&一休の日帰り入浴の人のため、羽衣の部屋は、脇の須雲川の沢音だけが部屋には鳴り響く。人音は聞こえずその意味でほんとうに静か。日当りもとても良い。
    8畳の空間は狭すぎず広すぎずちょうど良い。
    和室8部屋。(私が泊まった部屋/7号蜉蝣)

景色/ ○(厳しく言えば○と△の間)
    湯坂山の森林が窓から見える。ここ自体が山中だし悪くはない。山上をたなびく雲が青空に心地よい。

周囲/ ○
    旧裏街道の山中の自然な場所。
    東西両端を瀑布に挟まれた日当りの良い谷間にある。
    なお、天山湯治郷(天山、一休、羽衣)の中では、天山と一休は人が多いためか開けた賑やかな空間だが、羽衣(宿泊のほう)は全く静かな閉じられた空間であり、簡素な美しさという言葉が似合う。
    一休の脇にある寺の時鐘(一時間に一回鳴る)の響きが心地よく届く。
   (これで天山や一休の人の賑わいがなければとても良い。そちらとは一線を画する場所が羽衣という宿である。)

イヤシロチ?/ ○ 箱根の中では氣の良いスポットの一つ。特に箱根湯本駅からの近い所でと限定するなら、ここは旧裏街道で近く、しかも上のほうのためこの辺りは一番良い。

ビール/ △
     (自動販売機のビールしかないが、そこには恵比寿の缶は(サッポロ黒も)ある。結構冷えている。)
      天山の食事処(山坊師や楽天)に行けば、生ビール(サッポロ黒)その他がある。)

冷凍庫/ ×(冷蔵庫も無い)
部屋食/ × 別場所である。(禁煙。天山の食事処は喫煙可。)
食事/ ◎
   とても美味しいマクロバイオティックの食事。(荻窪のほんやら洞やグルッペはもちろんのこと渋谷の天味や穂高養生園よりも美味しい。もちろん全ての食材がこだわりの逸品である。)
 宿の読書室に東条百合子さんの本が置いてあるように自然食やへの造詣も深いのだろう。いわゆる玄米食だからが健康にいいので…というのではなく、味付けも見事な完全なマクロバイオティック食。
 なお、ここまで食事にこだわるなら、朝食は無しのスタイルにしたらいいだろう。
 それと、玄米もまた炊き方の斬新さ(一般の受けがいい圧力釜を用いないスタイル)は分かるが新米がでているというちらしを天山に貼っているのだから、新米が食べたかった。
 逆に言えば、食事や健康への造詣の発展として温泉を経営しているという感じがする。その意味では(内なる自然の開花から、外なる自然にもという方向性という意味では)私と全く同じである。(私は、こうした形では行わないが…)
 (おそらくこの宿のオーナーは骨盤の閉じる力の強い腰椎4番に重心がいっている。それと気品を保つ感じは腰椎1番タイプである。まるで駒場のカフェアンサンブル(駒場東大前駅から徒歩5分。淡島通り沿い。駒場エミナース前なのですぐ分かる。)のマスターのフミヤさんのようだ、と言っても誰も分かるまいが、その喫茶店はぜひ一度訪れて欲しい。頼めば貴重なSP盤も文哉さんが手でゴキゴキ回して再生してくれる。素晴らしい音だ。)
 しかし様々な形でこの宿の中で訪れるオーナーの文章や、筆跡はマーケティングの斉藤一人に共通する腰椎3番の捩れの角度も少し感じる。)
 食事処での食事であるが、この時は私以外には、一組の御夫婦だけだったので、とても静かで落ち着いて良い。
 (今も、そこで書いている。御夫婦は食事を終えられ、20畳くらいのとても居心地のよい和洋的な所。)
 食事処からトイレに行く途中にある読書室には二人の方がいたが、それらの方々を見て、ここに来る人を「腰椎一番に重心をいかせる宿の雰囲気」があるのだなと、思った。
 これは宿の主人のポリシーとの共鳴現象でもあるだろう。
 だから来る人もある程度そうした資質のある人が多く、そのために割とここの空気に馴染んで重心が移行するのだと思う。(食事処の静かさもそのためだろう。)
 少し、仙仁温泉の岩の湯と同じ感覚を覚えた。ランクをかなり落とせば、修善寺の嵯峨沢館も浮かんだ。宿の佇まいが持つ影響力のなせるわざだ。
 ともあれ、ここの食事は「氣道家」にとっては大満足であり(温泉なのに食事からも「氣道」の一旦が味わえる。一旦ではあるが、マクロバイオティックは氣道の食事面として誰もが通る通過門ではある。)
 そしてまたそれ以外の部分も前述したように、ここの宿のスタンスは私と共通するところがある。私が宿を作るとするならの一つのモデルケースでもあるが…。
 なお、素泊まり8400円なので夕食は天山で取るのもいいだろう。ここでは羽衣のその日の食事も実は出る。(ただ一日5食分だけなので、売り切れることもある。)
 私は天山は賑わった雰囲気なので行きたくなかったが、結局、有名な温泉しゃぶしゃぶ(飛騨牛や猪。非常に美味。「特にイノシシの味が嫌いな方にお薦めする。ここの猪は『全く』匂わない。牛のほうが肉として下(匂うし)ということが分かる。)や軍鶏鍋を見るために行った。角奥のスペース(街道側の反対)が空いていてとても居心地が良かった。神奈川の名産百選にも選ばれているマスの刺身は美味。
 また、羽衣下のお蕎麦やさんは天山の二店よりお薦め。蕎麦も絶品(はつはなetc.より桁が違う。)だが、鳥わさも見事。天麩羅も良質の胡麻の香りが香ばしい。(胡麻油とサラダ油を半分にして作っている。)全ての品が美味しく品がある。場所も良い。中も良いが、外で食べるのもまた良い。生ビール、恵比寿瓶ビール有。)

(氷)水/ ◎(三重マル)
        部屋に常備。無くなったらフロントまでポットを持っていけば、氷を補給してくれる。(しかし夜8時くらいまで。)ところが、このポットは保温性が高く、チェックイン時の氷が翌朝チェックアウト時まで溶けずに残っている。(!)
        部屋の蛇口からの水も消毒無しの地下水である。
        これが美味しく、いつもなら、温泉に氷を浮かべ(これを「氷温泉システム」と一人で呼んでいる。)るのであるが、ここではお茶を入れる時だけは、温泉で入れ(天山のほうにポットを持っていって飲泉用の温泉を部屋にも持ち帰る)、あとは地下水を飲む。
        そのためもあるのか、体はかなり変化する。

寝具(寝心地)/ △ 一人で敷く。敷布団とその下のマットレスが一体となっている。
 枕はどうも、何かの特注のようだ。真ん中で凹んでおり、かつ素材もいい感じだが高すぎで眠りにくい。
 しかし、湯治場であることを考えれば、こんなに綺麗できめ細かな配慮のある所はないだろう。

金額/ ◎
  11100円(素泊まり8400円)
  ただ二泊目からは7500円、三泊目は6500円(素泊まりの場合、二泊目5800円、三泊目4800円)と、連泊によって安くなる。(基本は三泊の連泊からの予約であり、一泊だけの利用は不可。)

一人/ ○ 【極秘情報】
 パンフにも、どの本にもインターネットにも「一泊だけは不可」と記載されているが、実は空きがあれば可能。
 しかも金額は1000円しか高くならない(!)。

通信環境(インターネットetc.)/ ××
      (こんなに湯本駅から近いのに…。しかし、ここの裏街道の感覚では、インターネットが通じないのは逆にうれしい。そんな馬鹿なこんなに都心から近いのに、のあとの感情は、それはやはり世俗の氣から電波も離れているのでは、という個人的感情である。)
       しかも部屋には電話もない!(初めて見た。外に繋がらないといのは何度かあったが…。)
       私は、テレビや新聞などの外界との交流は、宿としてはないほうがいいとは思っていたので、基本的な姿勢としては賛成ではある。
       なお、天山と一休は携帯電話と撮影は厳禁でもある。
     (皮肉な事(?)に、天山の中ではインターネットが繋がる。何十回に一回の極めてかろうじてであるが…)

総合評価/ ◎
     上記したように、湯と食事、接待、等へのこだわりは素晴らしい。
     (この天山湯治郷(特に羽衣)は、今後、私が宿を判断する一つの大きな基準となった。)
     なお、羽衣で宿泊しないで、天山や一休に行かれることは、あまりお薦めしない。(余程の氣道家ならいいが…)
     雑多な人の波(氣)に飲まれてしまうし、それを感じられぬまま、天山や一休の素晴らしさを味わえないところがあるのが残念だからである。
     少なくとも私にとっては、羽衣があっての天山、一休なのである。

今後/   ◎
     合宿での活用、湯治として氣道で推薦できる宿の一つとして初めてなった。

豊栄荘

 投稿者:張良  投稿日:2006年 3月11日(土)01時14分9秒
  劉邦の助っ人で字を張良と申します。 (しかし投稿者が劉備となっていたが、ならばなんと名乗ろうう。。。さすがに孔明とは名乗れない。。。)

箱根の豊栄荘の湯の主観の体感記します。

ここの露天風呂の湯に入ってみる。 最初の感想:
「なんて軽い湯なんだろう、空気みたい。。」
一般的な温泉のイメージだと、重いダイナミックな体感得て、筋肉がほぐれる~だと思うのですが、
ファーストインプレッションは美しいくらい裏切られた。
ドロドロ感がまったくない。 抵抗感がない。 視覚的にもとても透明な湯。
水らしい水というか。。素というか。
山の川の水より軽いのではないかなという錯覚を覚える。


内感的には上半身、とくに肩より上に上がっていく(というより白い湯気と一緒に外へ上がって消えて行く感じ)。 それに浸り、湯から上がるときちんと体の真まで暖まっている。

露天から見る山や流れる川の風景も、「絶景」という感じでなく、山の素の自然という感じ。 それが良い。  昔、幼少よくおとずれた丹沢の山々の渓谷等、フラシュバックのように思いだす。

料理は間違い無く丁寧。
昔からよくあるホテル旅館みたいな感じでちょっと寂れてる。嫌いではないけど、もうすこしがんばってもらいたいなぁ~という感じ。雉子料理で有名らしく、料理だけでなく『雉子』をもっと宿の看板としてフィーチャーしたいのだけど生かしきれてない、もったいないと感じる。 宿の主張がありそうで、無いともとれてしまう。 無論、頑張り過ぎてうざい処よりは此処のスタンスの方が良い。

ここのお湯だけ入っただけでは、このお湯の美しさや個性が十二分に味わいきれないと後から色々の湯につかって思うようになった。 それだけ名前づけしにくい湯でもありながら、比較することによってこの湯の個性を表現できると感じた。

豊栄荘。

 投稿者:劉備。 (劉邦)  投稿日:2006年 3月10日(金)21時58分51秒
  地名(温泉名)/  箱根(旧街道)

住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋227

名称/ 豊栄荘

電話/ 0460-5-5763
ホームページ/ http://www.hoeiso.jp/
交通/ 箱根湯本駅から循環送迎バス有。湯本駅の道を挟んだ向かい側にあるロータリーより出発。当荘へはBコース早雲道り行です。(出発時刻は毎時15分と45分(最終時刻は18時45分)料金は1名様100円)バスだと、旧街道経由 元箱根行又は畑宿行に乗り葛原バス停で下車。湯本駅からの料金は1名様240円。

動機/ 箱根随一のアルカリ性ということで、アルカリ度の高さと身体への影響をさらに確認してみたかったので、いつかはと思っていた。そんな頃、「自遊人」の付録の編集者が自腹を切ってもう一度行きたい宿に掲載されていたため。

宿の簡単な説明/ 創業48年。庭園を配する3千坪の敷地にわずか和18室(+離れ)と空間を贅沢に使った宿。二間続きの全客室と渓流沿いの露天風呂から広大な庭園と湯坂山の美しい風景が一望できる。
 名物はキジ料理。(キジ鍋。キジわさ。キジ揚げ)鶏肉が苦手でも食べられると好評。

チェックイン&アウト/ ○ 午後2時半~午前11時(!)

風呂/ △ 大浴場 男1女1 (入浴時間 5時~10時 14時~24時)
    露天○  男1女1 (入浴時間 5時~10時 14時~24時)
   露天風呂は、ここが箱根湯本であることを忘れさせるほどの眺望。
   目の前に湯坂山、下には須雲川を一望し、温泉街とはまったく違う秘湯風情を満喫できる。(例年11月初旬になると山肌の漆が真っ赤に染まり、湯に浸りながら紅葉鑑賞も楽しめるそうだ。)

湯質/ ◎
 自家源泉は、ph9・9 湯本 第77号 源泉30・9度。(消毒無し、加水無し、源泉が低温のため加温有り、循環は内風呂有、露天無し。)
    実に柔らかく、軽い湯。普通の水より比重が軽いのではないか、と思われる湯。これはアルカリイオン水を温めたみたい。(アルカリだから当たり前なのだが…。実際、飲泉してもまさしくアルカリイオン水という感じ。余分なものが何もない。)気体という大げさだが、そんな感じ。(萬翠楼福住に似ている。それをさらに強くした感じ。)
    湯面から手を上げると指の間から湯がサラサラと零れ落ちる。
    これは、アルカリ度が高かったり、酸化還元電位が低いとそういう水になる。
    ちなみに、「美味しい珈琲は液体ではなく気体なのだ」という主張を私はしているが、それは、口に入って喉を通るまでにまったく抵抗なく、まるで気体のような感覚を覚えるからだ。
    それと同様の感覚がここの湯にはあった。
    この軽さ、そして何もない感じはアルカリ度が高いためだろうか、(天山だともっと色々な味、そして内感すると体が動いた感じがわかる。)
    しかし、一緒に入った内感助っ人(年齢が私より下なので仮に弟者とでもしておこうか…)によると、厚木の七沢温泉でpH10以上のに入ったが、もっと主張する湯であった、と言う。
    …ということは、参加還元電位のなせるわざか。まあ、科学的な分析は別としても、ここの湯は、軽く淡白。
    例によって内感する速度を超える如くに浸透していくアルカリ性単純泉の凄さ。
    腎臓に来たが、これは私の今日の胸椎10番が先の冷えで捩じれていたためか、と感じている間に、汗が出てくる。
    えっ、こんなにぬるいのに? これまたアルカリ性単純泉の凄味。(他の泉質でもあることだが、特にアルカリ性単純泉はその淑やかさからは想像できない影響力がある。)
    これだけ主張が無い湯も初めての経験であった。
    (この湯では瞑想も良いがシャクティチャラニー(脊髄行氣の逆バージョン、尾骨から頭頂部より氣を抜く)も相応しい)
    湯温が低い(41度位か)のと、この湯質では長めの入浴も仙椎骨盤の溜まりが除けて良い。
 (これで温度差のある湯船が一つあると嬉しいのだが、これは欲張りというものか。)

温泉力/○△

接待/ △○
   温かみのある仲居さん。他の宿の方もきちんとした対応をしてくれる。
   ここは宿の方針なのか、お客さんの自由にさせてあげることが寛容に行われていて、わがままも許容して貰える。
   (できないことはできない、とも言ってくれるだろう。)

客室&雰囲気/ △
  鄙びているというのではなく単に古いだけだが(宿も)、人があまりいなかったためか、静かでいい。
  宿前の姿と、ロビー(個人的には赤い絨毯も「?」だった。)を見て、あら…古いホテルか旅館だな、と覚悟はしていたが、しかし、あまりに広く、そしてその広い敷地(建物)を贅沢に使って、今この静けさを得ている。
(泊まった部屋/ 雲龍(三階)8畳二間+洋間一室(風呂まである!)を贅沢に使える。(広さはフォーシーズンのVIPルームよりも広い! )
 宿と部屋はやや薄暗い感じ。(落合楼村上とは違う意味で)

客室からの景色/ ◎ 障子を開けると、目の前に湯坂山が現れる。
           緑と、ところどころの橙。そして真っ青な空。
           隔てるものは何も無し。 圧巻。
           涼やかな風に体が洗われる。

周囲/ ◎
自然度/ ○
イヤシロチ?/ ○ (箱根旧街道の上のほうはイヤシロチである。この宿を明るく品良く活性化したいものである。)

ビール/ 御殿場ビール(中瓶900円。比熱処理の生ビールのためか、コーンスターチが入っていないためか、とても美味しい。あっさりとした味だが麦芽の香りがキリンラガー以上に後に残る。)サッポロ黒箱根ラベル、アサヒドライ(中瓶725円。)

冷凍庫/ ○有り。(活用させて戴いた。)

部屋食/ ◎(三重マル)
 (しかも、「明日の朝片づけでいいので、ゆっくりと…」というスタイルも嬉しい。これは初めてのスタイルだ。とても有り難い。しかも初めての来訪なのに…。◎(三重マル)の所以である。
   9時を過ぎた今、釜飯の火を付ける(つまり、これから数十分たち、20分ほど蒸すと、ご飯ができる)。こんなゆっくりと夕食を旅館でとるのは初めてだ。
   私的には、遅めの食事時間まで、時間を有意義に使え、非常に有り難い。

食事/ ○
  箱根の宿(1万円クラス)は、どこかの食事会社(?)から支給的に運ばれたものを出すことが多いのだが、この宿の食事は一生懸命料理長が作っている料理が多い。
  食事のレベルとかではなく、そういうことが嬉しい。
  静かな部屋に雨音が鳴り響く。さて、料理長の気持ちを戴くとするか…。

   宿の名物の雉(キジ)は淡白な味。雉わさは鶏肉より魚的な食感。雉のフォアグラも淡白で食べやすく、やや豚的な匂いが少しだけする。
   時間をおいてではなく一辺に全ての料理が並べられるが、量的にも充分。
   (この料理長は「もっと器が良ければ自分の力量が伸ばせる」と思っているような感じがした。)

(氷)水/ △(頼めば持って来てくれる。蛇口の水は水道水。)

寝具(寝心地)/ △×(少しパリパリ感。敷布団、マットレスも3~5㎝位で薄め。)

金額/ △○ 17000円。

通信環境(インターネットetc.)/ △

総合評価(今後)/ △
 客室からすぐ目の前一面の山と空、非常に柔らかい湯、のんびり目の夕食時間を持ちたい時には、ぜひお薦めの宿である。
 (宿と接待に一流感があれば◎。)

温泉探索記(9) ((8)の続き。会報2006年5月号掲載の文章。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 3月 7日(火)21時01分14秒
  ごうら、ごうら、強羅~?
メリー強羅ンド、なんちゃってなんちゃって…
「何をそんなに浮かれているのじゃ。」
おっと、淨潤湯治之神のお出ましだ。まずは先日の御礼を…
「それよりも其方はわしの話を最後まで聞かず、飛んで行ってしまったのだぞ。
 わしは山田屋も良いが同じ泉質なので、強羅の濁り湯としては飲泉も出来る珍しい赤湯の早雲閣を…
 こら、ちょ、ちょっと待て、待て。」
では、行ってきま~す!

名称/ 早雲閣

住所/〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300番地 電話/0460-2-3311
交通/ 強羅からケーブルカーで終点早雲山まで。そこから徒歩20秒。(山田屋と反対側(左)に歩く。)
宿の簡単な説明/和風ホテル的。(全20室)
風呂/ ◎
    露天 男1女1
    内湯 男1女1 (塔の沢「環翠楼」を思い出す浴室の雰囲気であった。)
    脱衣所にマッサージ機があり、萬岳楼までではないが、なかなか良い。
湯質/ ○
    ここの宿の主人が掘りあてた自家噴泉。源泉掛け流し。(完全放流式。加水も無し)
    湧出量161L/分。源泉61.4℃。pH.7,9。
    含土類重曹石膏泉。(硫酸塩泉)有馬温泉の金泉まではいかないが、少し赤みのある濁り湯。
    飲泉も出来る(コップあり)、呼吸器、胆嚢、腸に通ずる感覚有り。
    この近辺では他に類のない湯である。(上にある大乗寺にもここから湯を引いていると聞く。)
温泉力/○◎
周囲の景色/ ○
料金/ 18000円~

 今回も良かったなー、ちょっと高いのが玉に傷だけど、あの湯はなかなか得難いもの。
「こらっ!」
 おひょ、また淨潤之神のお出ましだ。
「早とちりしてまた行ったようだな。わしが言いたかったのは、山田屋も早雲閣も良いが、そろそろ強羅ではなく、箱根の濁り湯で最高であり、しかも全国でも珍しい…」
 行ってきまーす。
 あれ?どこに行けばいいのかな? …あいててて。
「今回は皆と同行しなさい。」
…という訳で、私は首根っこをつかまれたまま「氣道」協会主催の『湯治合宿』に連れていかれたのであった。
 その報告は次回にて!

温泉探索記(8) ((7)の続き。会報2006年4月号に掲載された文章を若干校正。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 3月 7日(火)20時12分10秒
   さてさて、強羅探索から萬岳楼~向山と「濁り湯」にはまった私は、今度は失敗しないようにと、最初から手揉みをしつつ淨潤湯治之神に…。

「濁り湯で良い湯はいずこに?」
「そちは、関東近辺がいいのでおじゃろう。」
「は、はい。今、箱根から強羅へと段々と遠くには行っていますが…」
「ふぉっふぉっふぉっ。強羅で遠いとはのう。箱根も色々あるぞよ。」
「は、はい。分かっております。この数ヶ月で単に箱根とは言えないと驚きました。何しろ、1m違うだけで、湯質が全く違うところもありましたし…。」
「ほぉほぉっほぉっ。そうかそうか。箱根の神髄に触れつつはあるようだな。
 …で、強羅に随分行ったらしいが、山田屋は行ったかの? まあ、そちも知っての如く、わしが自然掲示板に書いているように大涌谷の湯は厳密には源泉で
はないのじゃがの。あとは…」

「行ってきまーす!!」
「ちょっと待て、待て。」

名称/山田家(自湧の宿)

電話/0460-2-2641
ホームページ/http://www.2641.net/
交通/強羅からケーブルカーで終点早雲山まで。そこから徒歩3分。
風呂/○ 入ったのは露天の二つだが、内風呂は放流式つまり掛け流しである。
★浴槽に常時新しい温泉を注入させ、温泉を再び浴槽に戻さない方式を「かけ流し」または「完全放流式」と呼ぶのだそうだ。
 (なお、露天のほうは放流・循環併用式であるが、ここでは加温目的で冬のみで夏は掛け流しである。)

湯質/◎ この辺りの大涌谷から引く単純硫黄泉は全て湯質は同じである。(萬岳楼とも同じ)硫酸塩泉。酸性-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫
酸塩泉。源泉67.9℃ pH2・9~2・2。
 酸性度が強いため消毒も必要ない。ただ、ここはこの宿独自の工夫によって、湯質や露天でもどこの場所でも同じ温度にするなどを実現している。
 湯質チェックの現場にも偶然立ち会わせたが実に見事。職人であった。一時間に一回は実際にそれぞれの湯船に入ってチェックをしているのだそうだ。

温泉力/○と◎の間 なぜ、ここの湯が説得力をもって身心に響くのか? そして長く「からだ(=感覚的身体=潜在意識)」に影響が残るのか? そう言え
ば、湯質チェックの職人さんが言っていた。
★「同じ源泉でも、その湯をどのような形で最終的に湯船に入れるかまでの間で、ここは凄く工夫しているのです。」…と。その通りだと思う。そうでない
と、照本や向山と同じ源泉でこれだけ違う感触、身体への影響が出るはずがない。
 けれども、私が思うにもう二つある。
 一つは、その宿、湯船の「場」の問題。場が良いと植物が繁茂するように生物は活き活きする。そして温泉もまた生きている存在なのである。
 もう一つは、「人の氣(愛情)」の問題。人間も愛情をかけて育てられると元気に育つ。バラ造りの名人はバラに実際声をかけるのだそうだ。スピーカー
だって氣を通すと音が変わり、オシログラフにまで変化が現れる。まして湯という生き物、そして水が何より氣を記憶することを思うと、ここの湯のように手
塩にかけて面倒を見れば、湯が変わらないわけはない。
 その意味では、ここの湯は、人の氣によって育てられた箱根の代表と言えるだろう。その意味でも記憶に残る湯である。
 (もう一つ、人の氣によって育てられた箱根の湯は天山湯治郷であるが、山田屋の腰椎3番捩れ的な田舎臭さがあるのに比べて、天山がそれとは全く対照的
と言っていい腰椎一番的なスッとして垢抜けた感じがあるのは面白い。)
周囲/○ (ただ道路に面しているので音はどうか…)
金額/× 15000~

温泉探索記(7) ((6)の続き。会報2006年3月号に掲載された文章を若干校正。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 3月 3日(金)09時47分7秒
  前回の「萬岳楼」に感動した私は、「福住楼」、「環翠楼」、「萬翠楼福住」、「強羅環翠楼」、など歴史ある文化財宿にはなかった宿の味わいに瞠目。
 箱根なのに山中の自然森林が味わえ、鄙び過ぎているほどの造りと雰囲気、型通りでない家族的な接待、その他様々なことに触れたのだが、湯質を忘れてはなるまい。
 ───お湯が濁っているのである。
 これを「濁り湯」と言うのだが、今回の箱根旅で初めて。 これは、なかなかのもの。
 それで、「一番良い箱根の濁り湯は何処に?」と淨潤湯治之神にお伺いしようかと思ったが、その前に一つ自分で行きたく思った宿があったのでそこに…。
 それは、萬岳楼の帰りにすぐ近くに
「ここも面白そうだなあ。萬岳楼が陰としたら、ここは陽かも。」と思う宿があったので、帰ってから調べると、なんと日本一食事が美味しい宿ということでTVでも紹介され、和風というよりは洋室もありペンション的な旅館の様子。
 それもまた新たなカルチャーショックがあることを期待して…。
 では、行ってきまーす!

強羅「向山」
住所/神奈川県足柄下郡箱根町強羅字向山1320番653
電話/TEL 0460-6-0551(予約は電話のみ)
ホームページ/http://www.ko-zan.com/
(以下、いつものように、淨潤湯治之神(劉邦)の書かれた文章より抜粋流用(盗用)…。)
風呂/○ 露天・男1女。内湯・男1女1
 (お湯は下から抜いている。零れさせないため、と宿では言う。)
湯質/○ 大涌谷から引いた100%源泉掛け流し(消毒・循環・加水・加熱無し。夏場のみ加水。)。
 おそらく萬岳楼や山田屋と同じ源泉だろう。
(つまり、硫酸塩泉。酸性?ナトリウム・カルシウム・マグネシウム?硫酸塩泉。源泉67.9℃ pH2・9?2・2。という事。)
温泉力/○(?△) 萬岳楼と全く同じ湯質なのに、なぜ温泉力が変わるのか。
 それは、今回のこの向山に限らないのである。
 なお、「そういう事」は、それは、湯に入っている時も感じるし、もちろん湯から出たあとの影響でも感じる。
 面白いのは湯に入る前でも、浴室に入れば分かる。
 ───やはり、温泉力というものが、「宿の人の湯にたいする思い入れ、心遣い」や、「風呂のシステム(湯の扱い方のシステム)」、そして風呂周囲や宿の土地の「場が持つエネルギーの質や量」にも影響されるからだろう。
 このことはいつも言っていることではあるが、しかし実際に味わって確かめてみることをお薦めしたい。
 (もちろん、「この湯はこうだから」という『先入観』や、『その時の体調』によっても、湯の感触は異なってくる。だからこそ、私たち気道家が温泉を調べる時には、準備が必要なのであり、その準備の大半は、先入観を取る(観念を取る)という、いわば瞑想的作業になってくる。)
接待/△○ 元気の良い女将さん。私としてはもう少し放っておいて欲しいのだが、人情を求める方には良い(○)であろう。
 (ここは作りもそうだがペンション風なのでご主人(女将さん)のカラーが前面に出るのは仕方ないのだろう。)
客室/○ (まだ新しいためかとても綺麗な和室である。窓はサッシ。)
客室からの景色/○ 庭には様々な木々が見える。
雰囲気(客室の色合い)/○△ 部屋だけでなく、林の中なのに、全体的に明るい宿。
周囲/○ 強羅の山中。
自然度/○
心身を活性化させる場(イヤシロチ)?/○
部屋食/×(別場所の場合→ 喫煙/×不可)
食事/◎以上 日本一とまではいかないだろうが、料金を考えれば、水準を遥かに大きく超えた宿。
 和洋折衷的な創作コース料理は特に女性や若い方の好みだと思う。
(氷)水/△(頼むとやってくれる)
寝具(寝心地)/△○
金額/○12,600円?(和洋室、13650円?、一人だと2万円?)
総合評価/○ 食事の評価が高いが、湯、自然、その他の総合バランスも高い。
 ペンションなのに和室がある(洋室もあるらしい。今度行く時はそこにしたい。)という感じで、ペンション的な雰囲気が好きな方、明るい雰囲気が好きな方にはお薦めである。和洋創作懐石風料理を含めて全体的に女性向きかもしれない。

 いやあ今回も良かった。
 宿って色々とあるんだなあ。ペンション的はそれはそれで面白い。(個人的に部屋食が好みなのは淨潤湯治之神と同じようだけど…。
 でも、久しぶりに今回は淨潤湯治之神に聞かないで良い宿が選べたのであった。)
 また次回も「濁り湯」を探索したい。

温泉探索記⑥ (⑤の続き。会報2006年2月号に掲載された文章を若干校正。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 2月21日(火)09時02分50秒
  「お訊ね申すは淨潤湯治之神。強羅にて鄙びた良き湯宿はいずこにおじゃりますであらんか?」
───ふうっ。
 実は前回の強羅環翠楼に感動し、「強羅良し!」と、その後ずっと強羅を探索し続け
ていたのであった。
 ああ…読者は思うであろう。
 まるで以前の塔の沢の時と同じではないか…と。
 自分でもそう思ったのだが、「いや、今回は違う。「福住楼~環翠楼~萬翠楼福住~強羅環翠楼」と重要文化財の建築美を味わったのだから、今後は温泉の湯質や自然を求めたいのと、湯本から離れ、強羅という場所に行きたいのだから…、
 と理屈を付けて10箇所位行ったのであった。

 …結果は、見事に惨敗。
 そこで情けなくもまた淨潤の神に伺うことになってしまったという経緯であったのでした。

 「そのほうの求める鄙びた宿は、箱根の秘湯の一つ萬岳楼にあらん。」
──おおうっ! それでは行ってきます。

 (いやあ、今回も凄かった。確かに秘湯。箱根とは思えない。まるで信州の山(森林の)中だ。)

名称/萬岳楼
場所(地名(温泉名))/仙石原(神奈川県足柄下
郡箱根町仙石原1251)
電話/0460-4-8588
湯質・温泉力/◎ 源泉100%掛け流し。(消毒&循環&加温無し。加水については下記。)
 酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉(旧泉質名 酸性-含塩化土類石膏泉)硫黄泉。
 (pH2・9。酸っぱくて美味しい。色は白濁でほんの少しだけ緑と赤が混じる。)
 64.7度の源泉がそのまま注がれているため非常に熱い。(なので加水のみ「自分で」行う)
 温泉力は非常に強い。
 大涌谷から非常に近い(厳密には3番目。1番目は仙石原でそこから二手に分かれる)ためだろう。
 強羅周辺のにごり湯の中では最高だろう、と思っていたら、源泉は今述べたように強羅ではなく仙石原と同じなのだそうだ。
 亜硫酸的な影響なのか特に呼吸器に刺激が来る。
 柔らかくもダイナミックな湯質。
 最初は特に皮膚に直に感じるのがにごり湯の特徴だが、そのため塔の沢のようなアルカリ単純温泉のようなスーッと肌から内側に(まるで潜在意識までにも)浸透する感じというよりは、強力なエネルギー(特にここの湯はエネルギーが強い)が肌に迫る感じである。
 ともあれ、ここの湯は、源泉のエネルギーをそのまま貰えるような感じである。
 そして、一日(一泊二日)ではもったいない湯(そして周囲の自然)。
(一回の入浴が2分足らずの私であっても、ここでは3分を越える時もあったし、また朝も2回入りたくなった。これは、私の体状況のせいだけではないだろう。)

接待/△ 素っ気ないが温かみある家庭的な対応。
     (行き届いたサービスや細かい配慮はない。)従業員はおそらく家族だろう。

客室/○ 木造民家のよう。レトロというか寂れたというか鄙びたというか…。少し薄暗いが私の好みに合っている。
 壊れかけた卓球台脇の「マッサージ機」が、どの温泉よりも性能の良い新品なのかは不思議で面白い。
 (泊まった部屋/ひめしゃら。天皇陛下(昭和)や、滞在された文豪たちは、どの部屋に泊まったのかな?)

景色/○ 雑木林のような庭園。この自然環境は静養するには最適。

周囲/◎ 強羅から早雲山に向かう(ひめしゃら通り)の途中なので、うっそうと緑に覆われた山の中腹にある。
     周囲は民家もなく、箱根とは思えない自然の中。
     何万坪の敷地。周囲の樹木も数百年の樹齢らしい。通り沿いから少し入った一本のひめしゃらの木は樹齢250年だそうだ。
     宿の造りからも東北の湯治宿のよう。
     働く若者がドタバタしてても気にならない、静かな佇まい。

食事/○△ いかにも旅館料理というか豪華な家庭料理といった内容と味。

金額/15000~だが、電話で頼むと2000円勉強してくれる。(朝食抜きだとさらに1000円引き)

総合評価/◎と○の間。
 (湯と閑けさを求めるなら、お薦めしたい。ここには、田舎に行かなくとも味わえる閑静がある。また、自由や勝手がきくところがあるのが、この宿のとても良いところである。)

温泉探索記(5) ((4)のつづき。以前会報に掲載された文章を若干校正。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 2月17日(金)16時17分22秒
  「先達の教えは聞いておくもの」(たとえ淨潤先生であっても)
…ということを実感した私は、またも謙虚に淨潤湯治の神にお伺いすることにした。

「次なる宿をお示し戴きたいのですが…。当方、歴史ある建造物好きでして…(後略)」
もちろん湯質も源泉掛け流し、その他様々な注文をしたのは言うまでもない。

…暫しの沈黙の後、ご神事が告げられた。
「そのほうの希望する宿は、天皇の宿、『強羅環翠楼』ならん。」

…ありがたやありがたやの淨潤の神。(…と煽てておこう)
(煽てたため)続いて、
“湯質だけでなく宿の風情や食事、持てなしも「箱根随一」であり、昭和天皇も訪れられた”と神より伺う。

うむ、強羅とは気になっていた場所ではある。
ちょうど塔の沢探索のあと湯本「萬翠楼福住」に行ったので、その後は湯本とも思っていたが、むしろ山のほうに上がっていくのも嬉しい。

 それでは行ってきま~す!

地名(温泉名)/箱根強羅温泉
住所/神奈川県足柄下郡箱根町強羅1003-28

名称/強羅環粋楼

電話/0460-2-3141
ホームページ/https://gourakansuirou.co.jp
交通/強羅から徒歩2分。
宿の簡単な説明/ 昭和24年に建築。その6年後に
「天皇の宿」として全国に知られる。個性ある客室、湯量豊富な温泉、味わい豊かな懐石料理、更には野趣溢れる一万坪の庭園が魅力。静寂に包まれ、ひっそりと佇む宿である。
(和14室のみ。いつもそんなに人はいない。9室は風呂付き。)

風呂/○ 露天…男1女1 内湯…男1女1
     露天(新設されたらしい)も佇まいは良い。

湯質/○ 強羅地区で掘り当てた単純泉第一号。
温泉力/○△ ここの湯は、たとえば湯目的でなく
いらっしゃったにせよ、湯質が味わえる。(その意
味では落合楼村上と似ている。)

接待/○△ 古くから勤めていらっしゃる仲居さん。(70代後半だろうが燐とされており、この宿をずっと守っているかの如く。宿の歴史をも感じさせられる。)

客室(雰囲気)/◎(三重マル) 昼間はすぐ傍らを走る登山電車の音が微かに響くが、それよりも野鳥の囀り(さえずり)と庭の緑が相まって、ここが強羅駅から近いことなど全く忘れさせてくれる別空間を醸し出している。
 六畳の狭い部屋ではあるが、夜は風の音に雨戸もそよぐが…それが心地よい。
 素晴らしい。
 タイムスリップ感というよりは、これから生きる原点の力を体の深くに与えてくれる。  (これは意識化はしづらいが、体感としてある。)
 鄙びた風情も、宿の造りも歴史あって素晴らしい。
(泊まった部屋/花清の間。川端康成が長期執筆していた部屋で、元々、この宿の名称は花清強羅環粋楼だったのだそうだらしい。)

客室からの景色/◎(三重マル) 窓から見える何千坪もの名庭が食事。目や心だけでなく体の感覚も変わっていく。(…当たり前だが。)
 そして、そこに実際に窓より降りて探索することができる。
 庭の造りは落合楼村上も素晴らしいが、ここのほうが野趣がある。(どちらも部屋から庭に降りることが出来る。)
イヤシロチ?/○ ここの敷地内は良い。

食事/○△ 季節の食材をつかった料理で気を衒わずなシンプルさは福住楼に似る。お刺身も美味しい。(先台は網元だったそうで魚の仕入れには特別気を遣っているらしい。)
 昭和天皇が泊まられた時に煮物をお代わりされたと言う。
金額/26400円~ (休前日も同料金。一人でもそんなに高くはない。昼食付き入浴(平日のみ、要予約)11~14時。7400円)
総合評価/◎ ★温泉宿というのは、「湯質」「接待」「部屋(宿の雰囲気含む)」「自然」「食事」とそれぞれが完璧なものは無く、というか、それだけそれぞれの要素が分離していることが、実際に泊まってみると分かる。そういう意味で、ここは、近辺の自然度は少しだけ落ちるにせよ、総合的に(しかも先述したように行ったあとジワジワとしみ入るように)満足できる希有な宿であろう。(或る意味不思議な宿。秘湯的な味わいある宿である。)
 ───一つの不可解な点かあるからこそ人は魅かれる、とは野口晴哉先生の言葉であるが、そういう意味ではなく(この宿であるとするなら仲居さん位か)ここは無意識的にも魅かれるスポットである。

…うう、ご神事、なかなかかも。
次も、ご神事頼みたくなってしまったけど、強羅も興味があるなあ。(前回は湯本にも興味があったので探索したいのだけど…。)うう、どうしよう。

温泉探索記(4) ((3)のつづきです。以前会報に掲載された文章を若干校正。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2006年 2月11日(土)22時31分27秒
  (前号までのあらすじ→外なる自然からも氣道を歩まんと湯氣さんは温泉旅をする事に。
 淨潤先生お薦めの宿に行き、塔の沢が地上の天国だと思った私は、残った推薦の宿に行く前に、塔の沢あらしとなるが散々の思いをする。)
 やはり、たとえ淨潤先生であっても、先達の言うことは聞いておくものだった。(←会報に出る時は、「淨潤先生だからこそ」に直しておいてください。)
 ※もちろん、湯氣さんの願いは聴き遂げられず、会報にも↑のまま掲載される。

 そういうわけで、気を取り直し、重要文化財指定になっている箱根湯本の宿で淨潤先生お薦めの残りの一つに出かけることにした。
 いやあ、ここもまた良かった~!     (以下に、いつもの形でご報告まで。)

名称/萬翠樓福住

場所/箱根湯本 電話/0460-5-5531
ホームページ/http://www.2923.co.jp/
交通/小田急線箱根湯本駅から徒歩5分。
宿の簡単な説明/ 創業は寛永2年(1625)。
 箱根かごかき唄に「晩の泊まりは箱根か三島ただし湯本の福住か」と歌われ、江戸時代から旅人や湯治客に親しまれていた。
 明治12年(1879年)、十代目主人の福住正兄が西洋建築と数寄屋造りが融合する、意匠を凝らした建物を完成させる。その建物(現在の旧館)は現存する希少な擬洋風建築として、国の登録有形文化財となり、神奈川県からは“かながわの建築物100選”に選ばれる。
 また、昭憲皇太后、有栖川宮熾仁親王、木戸孝允、井上馨、伊藤博文、福沢諭吉、市村羽左衛門、尾上菊五郎、河竹黙阿弥といった多くの文人墨客が宿泊。
 萬翠樓の名は明治9年(1876年)、木戸孝允公がご逗留の際に命名した。

湯質/○ 自家噴泉。(素晴らしい源泉を持つ)源泉100%掛け流し(消毒&循環&加水&加温無し)ph8・72。
(アルカリ単純泉)
 「真綿でくるまれるよう」もあながち嘘ではなく、湯の柔らかさでは福住楼を彷彿とさせる。(phでは福住楼よりも上。)
温泉力/△ 湯は柔らかく良いのだが、今一つという感じ。湯の効果はすぐに体の内側にしみ入るのであるが、持続力がないのは何故だろう。
接待/△ 仲居さんの応対は、伝統ある極上の宿という感じはしないが、箱根の上レベルはこんなところか。
(段々生意気になっていますね…。ただ温泉チャンピオンの郡司勇氏は接待で日本のベスト10に入れているが。)
客室/○ 泊まった客室は別だが、翌朝、女将さんより招待された素晴らしい客室のオンパレードには絶句!(そのそれぞれの説明も詳しく聞けたが感動した。)
 箱根の寄木造りのように、否それ以上な造りや、少し移動するだけで見え方が変わってしまう障子、そして隠し電話、憚り場、ここの客室以上の伝統的美が格式と共にある旅館は、おそらく箱根にはここ以外あまり無いであろう。
 なお、古くより、文人は福住楼や環翆楼に泊まり、財政人はここに泊まるそうだが、そのたとえが読者には一番分りやすいと思う。
(泊まった部屋)△×10号室(ちんけな庭しか見えなく、時折だが車の音も聞こえるが、目の前の国道や橋さえもが、この宿の持ち物なのである!)
部屋食/△(できることもあるのだが、何度か折衝したが、別部屋のほうがかえっていいと言われてそうした。この日は、私一人ではなかったため(淨潤先生もスタッフも全員いらした)確かにそのほうが良かったと思う。)
 別場所もとても良いところであった。
食事/◎ (金沢の「浅田屋」の初代柿右衛門まではいかないが素晴らしい食器であった。料理も旬の料理で美味しい。
水/◎  なお、ここの水は水道から出るのも全て湧き水。)
金額/◎ 箱根でこのクラス(有名所)で二万円以下は安い。18000円~(一人だと25000~)
総合評価/85点。
 (箱根の温泉に行くのなら、ぜひ一回は。ただ二階より上の部屋に予約しましょう。)

───そういうわけで、塔の沢も一段落した後、今回はスタッフの皆をせっついて湯本に行ってしまった。

 次はどこに行こうか?

http://hasegawa-jun.com/p/


温泉探索記③「箱根湯本『塔の沢篇』」 (①と②のつづきです。以前会報に掲載された文章を若干校正。)

 投稿者:湯気  投稿日:2006年 2月 7日(火)17時34分42秒
   前回の「福住楼」に感動した私こと湯気は温泉に開眼!

 淨潤先生には、皮膚感覚や日本文化を通して「氣道」を深めるよう言われたけど、「福住楼」のように国の重要文化財にまで指定された数百年の歴史を持つ宿は、そこにいるだけでも皮膚から伝わってくるものがある。 …空気が違うというのかな。
 …となると、これは「呼吸法」にもなっているのでは。

 少なくともある佇まいという香りを味わうという意味では「嗅覚」からの感覚開発にはなっているなあ。

 また、「視覚」を通しても様々な目の保養もできるし、仲居さんをはじめ宿の方の接待や所作から「気配り」の勉強ができるのは、滅多にできない大きな学びだ。

 しかも、繊細な自然食から「味覚」までもが研ぎ澄まされる。

 鳥の声や沢のせせらぎは「聴覚」を通しての愉氣。

 …うーん、良い宿というのは、全感覚から自然を得る『氣道』なんだな。

「淨潤先生、他にも箱根に福住楼のような所はありませんか?」
「あるよ。」
 ───ということで、歴史ある重要文化財の宿を二つご紹介戴いた。

 行ってきました。これまた素晴らしい。ここも江戸時代からある宿。

──名前は「環翠楼」。(0460-5-5511。)

 お湯はもちろん消毒循環加水無しの源泉掛け流し。福住楼のように、まろやかでとっても柔らかい湯はやはり強アルカリ性だからかな。
(福住楼のほうがpHがさらに高く、柔らかいが、こちらはその分、骨盤の収縮や胸の内部に響く。)特に露天風呂は良かったなー。(淨潤先生曰く、そちらは循環しているのが残念、とあとで言ってたけど。)

 モミジが綺麗だし、沢まで浴衣で散歩もできる。
 福住楼より小奇麗で新しい感じがするのは泊まった部屋のせいかな?(寿慶)角部屋でとってもいい!
 アサヒだけど生ビールもあるし、食事は豪華。(福住楼は繊細な逸品)全く文句なし。
 料金は14,000円~だが、一人だとかなりかかってしまう点だけがグスン。でも、ここもぜひまた来たい!
 総合評価100点満点。(甘いかな?)

 いやあ、塔の沢というのは穴場中の穴場なのかも!
 塔の沢温泉の虜になった私は、淨潤先生の薦めたもう一つの宿に行く前に、塔の沢探索の旅に出たのであった。
 結果は、ちょっとグスンだったので、まとめて紹介。
・一の湯 (仙石原や強羅にもあるチェーン宿。
  7,800円~と非常に安く、対応もいいが、湯質は+3千円の客室露天だけが源泉で(淨潤曰く、それも違い消毒は行っているとの事。)、それ以外は消毒&循環も。)
・山の茶屋(吊り橋の向こうで、部屋創りも、露天のロケーションもいいし生ビールもあるのだけど、せっかくの湯質が消毒&循環。16,000円~)
・よきや旅館(環翠楼の隣。自噴温泉で料金も7千円台~だが、如何せん雰囲気が、環翠楼とは…)
・紫雲荘(ここは淨潤先生が以前行かれ、「私たちは今までいい所しか行っていなかった」という事を知ることになった宿。淨潤先生の恩師であるJY先生は箱根で一番のお気に入りらしいのですが…。露天もどこも塩素臭くてかなわなく、生ビールはあるが、食事も雰囲気も接待も………だそうだ。高い部屋にはいい所もあるらしいのですが、淨潤先生達が泊ま
られたのは2万円台の部屋だったというのに。)

 なお、淨潤先生曰く「ロビーに入れば、そこの宿の感じはすぐ分かる」のだそうだ。

強羅環翠楼

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 1月30日(月)21時31分26秒
        地名(温泉名)/  箱根強羅温泉
      住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1003-28

      名称/ 強羅環粋楼

      電話/ 0460-2-3141
      ホームページ/ http://gourakansuirou.co.jp
      交通/ 強羅駅から徒歩2分。
      動機/ 湯質という意味ではなく、宿の風情、食事、持てなし等も箱根随一という「天皇の宿」(昭和天皇も訪れられた)を味わいたく。
      宿の説明/
       「思い出のふかき山々 さびしげに そばだつ見えて 秋ぞくれゆく」 という昭和天皇がこの宿を訪れた際に詠まれた歌に、応じの面影が偲ばれる。
       昭和24年、旧三菱財閥岩崎家の別荘を譲り受け開業。その6年後、昭和30年に昭和天皇、皇后両陛下をお迎えしたことから「天皇の宿」として全国に知られた。
       個性ある客室、湯量豊富な温泉、味わい豊かな懐石料理、更には野趣溢れる一万坪の庭園が魅力と言われるがほぼ正しい。
       静寂に包まれ、ひっそりと佇む宿である。(和14室(本館10室、離れ4室)のみ。いつもそんなに人はいない。そのうち9室は風呂付き。)

      チェックイン&アウト/ 午後2時~午前10時。

      風呂/ ○
          露天 男1女1(露天は新設されたのだそうだが佇まい良し。ただ加水はしている。)
          内湯 男1女1(風呂底のステンドグラスを思わせる石の配列は良い。加水無し。客室の風呂も温泉であり、同じく源泉掛け流し(消毒・循環・加水・加熱無し)である。源泉かけ流しネットでも一番に紹介されている。)

      湯質/ ○
          強羅地区で掘り当てた単純泉第一号。
          源泉を敷地内に二ヶ所持つ。
          源泉掛け流し(消毒・循環・加水・加熱無し(冬場は加熱するらしい。))

       (以下、着替え場所に掲げてある成分表をメモして転載。)
         ・台帳番号→ 宮城野大33、115混合。
         ・源泉温度→ 46,2度(38~52度)
         ・湧出量→  /分、
         ・pH.→ 8、4。
         ・密度→
         ・泉質→ 単純温泉。 弱アルカリ性低張性高温泉。
         ・陽イオン→ リチウムイオン0,02、ナトリウムイオン25,4、カリウムイオン3,25、カルシウムイオン6,28、マグネシウムイオン0,73、マンガンイオン0、ストロンチウムイオン0,07、第一鉄イオン0,24、アルミニウムイオン0,02、亜鉛イオン0,17。
       ・陰イオン→ フッ素イオン0,09、塩素イオン6,76、硫酸イオン7,13、炭酸水素イオン68,5(多い)、炭酸イオン1,34、硝酸イオン0、メタケイ酸イオン3,79、メタホウ酸イオン0,08。
         ・遊離物質→メタケイ酸76,8(多い)、メタホウ酸0,54、遊離二酸化炭素0,42。
         ・微量成分→総砒素0,069。
         ・総量。(なお、全て0、00のものは省略。平成17年6月15日。)

       ところが温泉ソムリエになってから再度伺うと、露天の湯と大浴場、客室の湯質が違う氣がする。
       (個人的には露天のほうが成分が濃く、かつ柔らかい)
       そこで、フロントに聞くと、露天だけは源泉が違うとの事。
       そのため、露天の泉質も以下に掲げておこう。
       比較しやすいように、上記のデータ(これは露天以外)のあとに( )書きの形で露天のデータを書く。
       (ただ露天のほうは加水しているようだ。

         ・台帳番号→ 宮城野第33、115混合。(宮城野第115号)
         ・源泉温度→ 46,2度(38~52度) (48,4度)
         ・湧出量→  どちらも不明。
         ・pH.→ 8、4。(8,7)
         ・密度→ どちらも不明。
         ・泉質→ 単純温泉。(〃) 弱アルカリ性低張性高温泉。(アルカリ性低張性高温泉)
         ・陽イオン→ リチウムイオン0,02(0,01)、ナトリウムイオン25,4(108日!)、カリウムイオン3,25(3,65)、
                カルシウムイオン6,28(2,04)、マグネシウムイオン0,73(0,13)、マンガンイオン0(〃)、
                ストロンチウムイオン0,07(0)、第一鉄イオン0,24(0,04)、アルミニウムイオン0,02(〃)、
                亜鉛イオン0,17(0,01)。
         ・陰イオン→ フッ素イオン0,09(0,04)、塩素イオン6,76(36,0)、硫酸イオン7,13(48,7)、炭酸水素イオン68,5(174!)、
                炭酸イオン1,34(6,70)、硝酸イオン0(1,52)、メタケイ酸イオン3,79(7,21)、メタホウ酸イオン0,08(0,87)。
         ・遊離物質→メタケイ酸76,8(72,8)、メタホウ酸0,54(2,81)、遊離二酸化炭素0,42(0,54)。
         ・微量成分→総砒素0,069(0,192)。
         ・総量
         ・平成17年6月15日。(平成17年5月12日)

      温泉力/ ○△
          ここの湯は、たとえば湯目的でなくいらっしゃったとしても、湯に対して敏感でなかったにせよ、湯質が味わえる。
          (専門家は上記でお分かりのように、それぞれのイオン量がかなり少ない(特に箱根でも)のにである。)
          その意味でも(そして特に庭自慢というところでも)落合楼村上と似ているが、落合楼村上のような格式高さはなく、また自然に満ち、何より周囲の自然(庭)が明るい。

      接待/ 〇
          古くから勤めていらっしゃる仲居さん。(70代後半だろうが燐とされており、この宿をずっと守っているかの如く。宿の歴史をも感じさせられる。二回目、三回目は違う方で気楽で、心理的距離感もなく、接待も蓬莱(伊豆山)より氣心地良かった。2006年3月あ
たりに仲居さんの交代劇があったと聞いた。以前の仲居さん同士の人間関係のトラブルもあったと言う。)

      客室(雰囲気)/◎(三重マル)昼間はすぐ傍らを走る登山電車の音が微かに響くが、それよりも野鳥の囀り(さえずり)と庭の緑が相まって、ここが強羅駅から近いことなど全く忘れさせてくれる別空間を醸し出している。
       六畳の狭い部屋ではあるが、夜は風の音に雨戸もそよぐが…それが心地よい。
       素晴らしい。タイムスリップ感というよりは、これから生きる原点の力を体の深くに与えてくれる。(これは意識化はしづらいが、体感としてある。)
       鄙びた風情も、宿の造りも歴史あって素晴らしい。
       (泊まった部屋/ 華清の間。川端康成が長期執筆していた部屋で、元々、この宿の名称は華清強羅環粋楼だったのだそうだらしい。二回目、三回目もそこに泊まった。)

      客室からの景色/ ◎(三重マル)
       窓から見える何千坪もの名庭が食事。 (強羅駅から近いことを全く忘れさせてくれる。)
       目や心だけでなく、体の感覚も変わっていく。
       そして、そこに実際に窓より降りて探索することができる。
       庭の造りは落合楼村上は素晴らしいが、ここのほうが自然性がある。(どちらも部屋から庭に降りることが出来る。)歩くと奥湯河原の加満田を思い出す。
       そう言えば、あそこも文筆家の愛宿であった。(加満田は「カンヅメ」という言葉の始まりを作った宿だ。)
       関東近辺で、自然を味わうというか、それよりも単なる外の自然でなく、

       つまり海が見えるとか山が見えるとかでなく、また「見える」ということだけでなく、裡なる自然、作業がスムーズに(それこそ自然に)行えるかどうか)というと、こういう宿になるということになるのだろう。

      周囲/ ○(もちろん敷地内、庭は絶品。)
      イヤシロチ?/ ○ ここの敷地内は良い。
      ビール/ △ (本来は×なのだが、瓶ビールもこれだけの雰囲気の中では良い。)
      冷凍庫/ ○ (ビール中瓶二本入る。)
      部屋食/ ○
      食事/ ○
       季節の食材をつかった料理で気を衒わずなシンプルさは福住楼に似る。

       お刺身も美味しい。(先台は網元だったそうで魚の仕入れには特別気を遣っているらしい。)
       昭和天皇が泊まられた時に煮物をお代わりされたと言う。(なお、この○△の基準は、今では◎になるかもしれない。)
      (氷)水/ ○(湧き水では無い)

      寝具(寝心地)/ △〇

      金額/ ◎ (これだけの宿としては五重マルであろう。)
          21150円~31650円。(休前日も同料金!)
         (私好みの華清の間は26400円。一人の場合、31650円。)
          昼食付き入浴(平日のみ、要予約)11~14時、7400円)

      通信環境(インターネット環境) ×~○
        (強羅近辺でも○のところはあるが、良い環境(空気)のところに限って×である。そのため、イヤシロチは通信環境が悪いのではないか、という思いが出た最初の宿でもあった。ところが二回目は割と快調。)

      連泊希望(湯治etc.)日数/ ○ 場合によっては数週間。

      総合評価/ ◎(三重マル)
       ★温泉宿というのは、「湯質」「接待」「部屋(宿の雰囲気含む)」「自然」「周囲」「食事」とそれぞれが完璧なものは無く、というか、それだけそれぞれの要素が分離していることが、実際に泊まってみるとよく分かる。
        そういう意味で、ここは、近辺の自然度は少しだけ落ちるにせよ、総合的に満足できる希有な宿であろう。
        そのことが、先述したように行ったあとジワジワとしみ入ってくる。

        或る意味不思議な宿。

        ─── 一つの不可解な点かあるからこそ人は魅かれる、とは尊愛する野口晴哉先生の言葉であるが(そういう意味では、ここが強羅駅近いということがなっているのか…?)、ここは無意識的にも魅かれるスポットである。

      今後/ ◎(二期倶楽部以来の五重マル)
       今度は桜の間(春秋亭(離れ)の二階。10畳の本間を囲むように設えられた縁側がある。一回に浴室、二階に客間があるメゾネットタイプ。)か、 (二階、竹も見晴らしは良いと聞いた。)
       同じく離れの錦華亭(ここが昭和天皇が訪れた部屋)に行きたいが四人以上でないと宿泊出来ない。しかし※【極秘情報】であるが二人でも前日とかで空いている時なら大丈夫だそうだ。35000円。か、
       あるいは露天に近い三亭に泊まりたい。)

http://npo-kido.com/


強羅「向山」

 投稿者:劉邦  投稿日:2006年 1月 9日(月)19時56分33秒
  地名(温泉名)/ 強羅公園上
住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町強羅字向山1320番653


名称/ 向山

電話/ TEL 0460-6-0551 (予約は電話のみ)
ホームページ/ http://www.ko-zan.com/
交通/ 強羅よりケーブルカーで公園上駅下車、徒歩8分。強羅駅からタクシーで1メーター。

動機/ 強羅の静かな自然の山中で、全6部屋のみという事と、TBSテレビ王様のブランチにて、「料理の美味しい旅館No.1」としてTVに紹介さたので。

宿の簡単な説明/ 強羅の自然の中にある一軒宿。旅館というよりはペンションという雰囲気。部屋は和室だが和洋室もある。
チェックイン&アウト/ 午後3時~午前10時

風呂/ 〇露天 男1女1
    内湯 男1女1
      (お湯は下から抜いている。零れさせないため、と宿では言う。)
湯質/ 〇
    大涌谷から引いた源泉掛け流し(消毒・循環・加水・加熱無し。夏場のみ加水。)。
    おそらく萬岳楼や山田屋と同じ源泉であろう。(つまり、硫酸塩泉。酸性-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉。源泉67.9℃ pH2・9~2・2。という事。)
温泉力/ 〇(~△)
   山田屋や萬岳楼と全く同じ湯質なのに、なぜ温泉力が変わるのか。
   それは、今回のこの向山に限らないのである。
   なお、「そういう事」は、それは、湯に入っている時も感じるし、もちろん湯から出たあとの影響でも感じる。
   面白いのは湯に入る前でも、浴室に入れば分かる。
  ───やはり、温泉力というものが、「宿の人の湯にたいする思い入れ、心遣い」や、「風呂のシステム(湯の扱い方のシステム)」、そして風呂周囲や宿の土地の「場が持つエネルギーの質や量」にも影響されるからだろう。
   このことはいつも言っていることではあるが、しかし実際に味わって確かめてみることをお薦めする。
   (もちろん、「この湯はこうだから」という『先入観』や、『その時の体調』によっても、湯の感触は異なる。
    だからこそ、私たち気道家が温泉を調べる時には、準備が必要なのであり、その準備の大半は、先入観を取る(観念を取る)という瞑想作業になってくる。)

接待/ △〇元気の良い女将さん。私としてはもう少し放っておいて欲しいのだが、人情を求める方には良い(〇)であろう。(ここは作りもそうだがペンション風なのでご主人(女将さん)のカラーが前面に出るのは仕方ないのだろう。)

客室/ 〇 (まだ新しいためかとても綺麗な和室である。窓はサッシ。)
客室からの景色/ 〇 庭には様々な木々が見える。
雰囲気(客室の色合い) 〇△ 部屋だけでなく、林の中なのに、全体的に明るい宿。
周囲/ 〇 強羅の山中。
自然度/ 〇
イヤシロチ?/ 〇
ビール/ 生ビール有。(部屋で飲むことができる。)
部屋食/ ×
(別場所の場合→ 喫煙/ ×不可)

食事/ ◎以上
   日本一とまではいかないだろうが、料金を考えれば、水準を遥かに大きく超えた宿。
   和洋折衷的な創作コース料理は特に女性や若い方好みだと思う。
(氷)水/ △(頼むとやってくれる)
寝具(寝心地)/ △〇
金額/〇12,600円~(和洋室、13650円~、一人だと2万円~)
連泊希望(湯治etc.)日数/ △
総合評価/〇(食事の評価が高いが、湯、自然、その他の総合バランスも高い。
       ペンションなのに和室がある(洋室もあるらしい。今度行く時はそこにしたい。)という感じで、ペンション的な雰囲気が好きな方、明るい雰囲気が好きな方にはお薦めである。和洋創作懐石風料理を含めて女性向きかもしれない。)

今後/△〇個人的には(どの感想も超個人的であるが…)、部屋食であったら、そして女将さんに気遣いなくほおっておいて置かれれば、再び行きたい宿である。

強羅「早雲閣」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年12月29日(木)16時41分43秒
  地名(温泉名)/ 箱根強羅早雲山
住所/〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300番地

名称/ 早雲閣

電話/0460-82-3311
ホームページ/http://www.hakone-online.com/sounkaku/
       (ホームページにある「究極の温泉」という表記は言い過ぎではあるが宿のオーナーの気持ちは伝わる。
        それにしては、あまり温泉(湯質)について知らないらしく、成分分析表のデータのここは特筆して紹介するべき、というのがかなり無いなどがあった。
        しかし、それは現在、私が『温泉ソムリエ』になったからこそ、そうした読み取りを教わったからである。
        このデータを記載していない宿は、温泉自慢の宿であっても、湯質に詳しくない、という点がいくつかあるのである。)

交通/ 強羅からケーブルカーで終点早雲山まで。そこから徒歩20秒。(山田屋と反対側(左)に歩く。)

動機/ 飲泉も出来る湯で、ここはこのあたりでは珍しく少し赤い湯と聞いたので。
    食事も非常に良いとじゃらんでは書いてあったが、湯を求め、一度日帰り温泉で行った。(2005年夏)
    その後、様々な箱根湯垢離(湯治)をし、 ここの湯の珍しさと場に魅かれて。

    …というのは、ここは大雄山最乗寺別院の敷地内であり、イヤシロチでもあり、また空広く、箱根の山々を見下ろす景観でもあるため。
    ちょうど一週間前に、ここ(大雄山最乗寺別院)に訪れたのであるが、2年前より湯量が足らず温泉は行なっておらず復旧もままならないと聞き、なおさらこの宿に宿泊してみたくなった。(なお、同院の湯は温泉チャンピオンの郡司勇さんも確かお薦めしていたと記憶する。)
    そういった訳で、日頃よりお世話になっている整体の恩師に箱根の湯治宿として追加推薦できるのではないか、と思い行くことにした。

宿の簡単な説明/早雲山駅のすぐ脇奥の一軒宿。古い和風旅館。(全20室)全部屋が通りの景観の良い側に面している。

チェックイン&アウト/○午後2時~午前10時

風呂/ ◎
    内湯○ 男1女1 (環翠楼を思い出す浴室の鄙びた雰囲気であった。源泉の注がれる周囲は湯の花というのか温泉の成分が付着し有馬温泉のように真っ赤に染まり石灰化しているのも独特の迫力、魅力がある。)
    露天◎ 男1女1 (内湯の外に露天がある。今回は露天のほうが温度が低めであった。このように湯温に差があるのは嬉しいもの。その時の体調に合わせて、様々な入浴法が工夫できる。)

    脱衣所にマッサージ機があり、萬岳楼までではないが、そこよりも明るく、着替え所までの古い畳もなかなか好みの風情であった。

湯質/ ◎
    ここの宿の主人が掘りあてた自家噴泉。
    源泉100%掛け流し。(完全放流式。消毒&循環&加温無し。加水も無し。動力揚湯。)
    有馬温泉の金泉まではいかないが、少し赤みのある濁り湯。
    飲泉も出来るのは箱根ではここだけではないだろうか。(コップあり)
    呼吸器、胆嚢、腸に通ずる感覚有り。(今回は呼吸器よりは腎臓に感ずる。肝臓や胃腸は同様。)
    この近辺では他に類のない湯である。(上にある最乗寺にもここから湯を引いていると聞く。(!) なおさら、ここに来て良かったと思う。その後、仲居さんによると最乗寺はそこで自噴していたとも伺ったが。)

 (風呂場の着替え場所に掲げてあった「温泉分析書」を書き写したものを以下記載する。)
   ・台帳番号→ 宮城野56号。
   ・源泉名→強羅温泉
   ・源泉所在地→神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-217。
   ・源泉温度→ 61,4度。
   ・湧出量→ 161L/分/分、
   ・pH.→ 7,91
   ・泉質→ カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩湯(旧泉質名、含土類重曹石膏泉)。

 (さて、ここからは成分分析となるが、せっかくなので近くの濁り湯(すべて大涌谷が源泉である)の成分と比較できるようにしよう。
  ( )内が大涌谷の成分である。

   ・イオン総量(ガスを除く)1033ミリグラム(約800ミリグラム)
   ・陽イオン〔総量310ミリグラム。(206ミリグラム)〕
     )→水素イオン0(1,27)・、リチウムイオン0,02(0,01)、ナトリウムイオン89,3(43,1)、カリウムイオン13,0(3,96)、
       カルシウムイオン157(104)、マグネシウムイオン45,9(39,0)、マンガンイオン1,03(1,83)
       ストロンチウムイオン0,12(〃)、第一鉄イオン3,07(7,07)、アルミニウムイオン0,02(5,66)、亜鉛イオン0,26(0,07)。
    ・陰イオン〔送料ミリグラム855ミリグラム(総量590ミリグラム)〕
      →フッ素イオン0,09(0,46)、塩素イオン18,6(124)、硫化水素イオン0(18,6)、硫酸イオン556(447)
       炭酸水素イオン276(0)、炭酸イオン1,71(0)メタケイ酸イオン2,39(0)、メタホウ酸イオン0,1(0)。
    ・遊離物質→メタケイ酸156(213)、メタホウ酸1,98(4,05)、遊離硫化水素0(0,4)。
    ・微量成分→総砒素0,001(0,027)
    ・平成17年5月18日。)

※【重要情報】 → 「箱根体感19湯マップ」というのがある。
           これは弟者の張良から戴いたものであるが、秀明館と同じオーナーが管轄する天山湯治郷のニュースレター、天山湯治郷の瓦版に以前(2006年8月)3ページ目にあったものだ。
           これはなかなかである。
           その時点でも、箱根の宿には数十カ所行っていたし、私の(この掲示板の)管轄外ではあるが、日帰り入浴についても幾つか行っていた。
           そのマップには私のお気に入りばかりが掲示されていた。
           また、「なるほど、ここは湯としてはこちらと同じだが宿で選んだか?」などの面もあり、何にせよ良きマップであった。
           何より「平賀敬美術館」が紹介されていたのには瞠目した。
           (萬翠楼福住の源泉に入れる。萬翠楼福住との湯質の違いは瓶ビールと生ビールとの違いのよう。)
           せっかくなので記載しようと思い、書き始めたが、殆ど全て紹介しているものなので、割愛することにした。
           また、現在では行なっていない宿や、ここの場所の温泉を紹介しなくてはいけないために、大した湯ではないのにここを紹介せざるを得なかったか、とか三つ目としては、ここは非常に悪いのに、もしかして紹介料を…ということを感じたかである。
           何にしろ、この掲示板(情報)の中で、お薦めはキッチリと書いているので、そのほうが余程参考になるかと。

           しかし、言いたいことはそれではない。
           ここで言いたいことは、上記のように若干の問題あるマップであるが、その素晴らしさは他の温泉情報と一線を画しているのに、ここの湯が乗っていないことである。

           箱根唯一無比の赤湯である。

温泉力/○~◎

接客/ △
   ここはロビーに入っても仲居さん同士がソファー歓談していたり、今回も案内の男性が座っていたりなどくつろいでいる。
   そういうのは教育不行き届きなのだろうが、かえって肩肘張らない好印象にまで変わってしまうのは、古くからの仲居さんたちが和やかに行なっている感じでもあるからだ。
   接客の仲居さんもざっくばらんで良い方であった。(お辞儀は丁寧すぎるほどであったが。)そしてまた、ここの湯についての情報も多く、ここへの記載として有り難かった。
   「ここに記載します」と言ったら、「この床の間の紫陽花を見てください。」と言われる。
   確かに、とても大きい三輪のそれぞれの色がグラデーションのように違っている。

   しかしまあ、伊豆山蓬莱ではないが、この古びた傷ある部屋では、そちらのほうが目立つというもの。
   それでも、「確かに登山電車の中での紫陽花はもう鄙びかけて、そして小振りでしたね。」と言うと、箱根は宮の下から5度低くなるため、との蘊蓄を教わった。
   「色々と…」と続けると「まだ、ここでは3ヶ月で」と仰るのに驚いた。
   まあ、仲居さんがいらっしゃれば話弾むでそれは良しであるが、いなくあった後に戻るこの静寂をも味わえるのは、なかなかの場である。

   部屋に入る時に、奥湯河原石葉や芦ノ湖夕霧荘のように、あるいはそれ以上に靜かというか声小さく氣を静め、あるいは逆にほったらかしだったら、更に素晴らしい宿になるであろう。

部屋/○
   古く、敷居の傷や天井の張り紙の剥がれなどが気になるが、こざっぱりはしている。12畳。
音/◎
   靜か。時折り鶯などの鳥の音が聞こえる。仲居さんの声や歩く音も聞こえない。

   両隣の部屋にも宿泊者はいるのに、全く気配さえ感じない。
   もちろんチェックインから夕方の数時間の事である。
   …これで「食事の用意が出来ました」の声も靜かだったら最高なのだが。
   さて、朝は鶯の鳴き声で目覚める。
   そのうち朝食の準備の食器や声が大きく響く。
   それは他宿以上であるが、この朝の喧騒が過ぎ9時も回るとまた静けさが戻る。


色(眺め)/○ 前述したように空が広く箱根の山々が見下ろせる。
トイレ/△
寝具/△
   (キッチリと気持ちを込めて敷いて戴いた。)

(泊まった部屋/紅葉の間203号室。宿に電話予約した時に風呂に近い部屋を取ってもらった。

※【重要情報】 → 温泉付客室でない場合、景観が部屋によって変わらないなら、風呂に近い部屋を頼むと、気軽に湯垢離(湯治)が出来る。)

周囲/ ◎
   前述したように最上寺がすぐ脇にある。(ここは最上寺の敷地内。)

イヤシロチ?/○

ビール/△ サッポロ(箱根)とキリンラガーの瓶のみ。
      (ただ、冷凍庫で冷やしていたのが仲居さんに見つかったが、何も言われなかったのは初めて。)

冷凍庫/○ 割と冷える。中瓶4本入る。

部屋食?/○

食事/△

(氷)水/△○  ここの水は早雲山の地下水だそうだ。

※【重要情報】 → しかも、早雲山にはゴルフ場などもないため、水質がとても良いそうだ。
          (ゴルフ場があると除草剤などを用いるため、それが地下に浸透してしまうのだそうだ。)
          また、ミネラル量も豊富で、非常に甘い。
          確かにそう仰る仲居さんの顔は高齢ではあろうが瑞々しい。
          これは温泉の効果でもあるだろうが。

          なお、私は部屋のポットを空にして、風呂場まで持っていき、源泉を入れ、氷水ならぬ氷飲泉も行なった。
          これは、飲泉したい宿に宿泊した時の私のルーティンでもある。


        なお、ここの水は美味しいが、氷代が小で420円、大で1200円というのは全く解せない。(ただの製氷機による氷である。そのために評価が◎ではなく△○となった。)

通信環境(インターネット)/○

料金/△○18000円~
  なお、朝食抜きということを予約時に電話で言うと、珍しかったのか、その後に電話があり、「1000円引きでよろしいでしょうか」との事。
  この対応には、ここの宿のオーナーの毅然とはしていないが優しい感じが現れていて嬉しかった。

(ここでは皆さまに活用され安いよう、温泉宿の基本である二人&夕朝二食付きの料金を紹介させて戴いている。
  2007年7月調べ)

総合評価/○~◎
   湯以外は、普通の宿とさほど変わらないが、靜かさは良い。
   またそこそこの景観、中イヤシロチ、接客も及第点。
   となると、やはり湯が楽しめるのが良く、まるで箱根で無いところに来た、と言うと萬岳楼もそうだが、ここは箱根なのに、ああ温泉に来たなあ、湯治に来たなあ、と思わせられた。
   この「温泉(湯治)に来たなあ」という感覚は、たぶんに世間で温泉と言う時の休暇的な意味合いにも近いだろう。
   私は、いつも宿につくと、今日もこのようにコンピューターと向かいっぱなしのように、仕事の一環であるため、どうしても弛めない。
   (同じ宿に泊まる時はそこそこ弛めるが、それでも他の仕事をこなすために宿泊しているので似たようなもの。)
   そのため、箱根だけでなく長野や新潟などでも、温泉に来た、という感覚は一度も経験がなかった。
   それが、今回初めて感じたのは、何故なのだろうか?
   それを感じたのは、風呂にて、露天のあとに内湯を入った時であるから、おそらくは風呂場の雰囲気、そして湯質、そしてさらにはそうしたものを作っているこの最上寺の場ではないだろうか。

〔癒し宿」(=「氣道」で言う『心身の文法』の原則0)評価〕

 ●心身の疲労を取る落ち着く「癒し宿」(すなわち『落ち着き宿』度→◎
  (その中でも〈落ち着き宿ではなく〉、心身がリフレッシュされる『転換宿』度→○)


〔元氣宿(=同原則1)評価〕

 ●今後の夢がどんどん出る「夢宿」 (すなわち『発想宿』)度→△○
  (その中でも〈発想宿ではなく〉、企画&実行力になる『実行宿』度→△○)

(私にとっての理想の宿度→(○~)◎ )

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/○~◎

今後/◎
  湯治合宿にも良いかもしれないと思った。
  箱根で行なうなら、天山~松阪屋本店は行なったので、ここか、六花荘(食事が◎)を借り切って秀明館と二種類の湯を体験するかだろう。
  なお、一回目の日帰り入浴の時は「宿のB級ホテル的雰囲気が…」ということで△の評価であったが、いやいや靜かで景観も広々としてなかなか良い。)

お薦め度/◎
 予約はインターネットからでも出来るが送信されなかった。今後は大丈夫だろうが、インターネット特典があるわけではないので、電話での予約のほうが、先述した風呂に近い部屋を希望したりできるので、良いかもしれない。
 なお宿泊された場合(あるいは日帰り入浴された場合)は、最乗寺に参拝されることをお薦めする。
 できたら最初に行かれるとその後の身体感覚が違う。

※【重要情報】 → なお、電話での応対で、宿の雰囲気や接客は大体わかる。まず外れない。

※宿泊予約の際、私の名か「氣道」協会と言って戴いても構わない宿かどうか?/(あるいは宿泊時に?)◎

いつの時点での評価か? →2007年7月

強羅「紀州鉄道 箱根強羅ホテル」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年12月27日(火)20時22分9秒
  地名(温泉名)/ 強羅温泉
住所/ 〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-131

名称/ 紀州鉄道 箱根強羅ホテル

交通/ 箱根登山鉄道の強羅駅でケーブルカーに乗り換えて、坂の途中中強羅駅下車徒歩3分。
電話/ 0460(2)2229
ホームページ/http://www.kitetsu-hotel.jp/hakone/
動機/ 単なる興味…
宿の簡単な説明/ 箱根外輪山のひとつの明星ヶ岳の大文字を真正面に望むことができる眺望のよさが魅力の温泉旅館らしい。
客室/ 和室10帖+次の間4.5帖が中心。(明星ヶ岳の大文字を臨める部屋が良いだろう。)
風呂/ 入ったのは内湯。 (自然石を配した露天風呂(別館)や屋内温泉プールもある)
    内緒の情報→ なんと一階の車の駐車場からフロント(二階)を通らずに、そのまま入浴できる。(だから無料で入れる…しかしそんなことをしては駄目ですよ。)
湯質/ ×△(消毒有り。JRのびゅうでは加水のみとなっているが…)
    大涌谷から引いている単純硫黄泉。
    源泉名4・5号井混合。(宮城野第132・3号混合泉)源泉58・6度。pH6・9。
    消毒の量が多いのだろう、匂いだけでなく皮膚にもピリピリと来た。
温泉力/×
周囲/ ○
イヤシロチ?/ △
金額/12000円~
総合評価/ ×

湯本探索記(2) ((1)同様、「氣道」協会会報に載った文章です。)

 投稿者:湯氣  投稿日:2005年12月10日(土)21時24分25秒
   前回紹介した所はボツ(×)でしたが、最後にお薦めした本(「ホンモノの温泉案内」)は読まれましたか?
 すごく良かったでしょう? あれは温泉における『氣道』の基本が学べる本ですよね。
 実は、あれで私も目からウンコが、いえウロコが落ちたのです。(どっちが落ちたにせよ、ビックリですよね!)
 では、温泉の知識が皆無であった私が、どうやってあの本を見つけたか…?
 今回は、その答えを特別公開しますね。

(淨潤先生との対話)
私 「淨潤先生…、この前はせっかく行ったのにボツでした。今度行こうとする○○もボツだったら、交通費ばかりが…。」
淨潤「整体に限らず、特に潜在意識活用法の範疇のセミナーはお金がかかることが多い。一日10万円はザラだよ。2日間で80万円の講座もあった。今は到
底出来ないし、またしたくも無いが、私は30代前半まではゆうに家二軒分は勉強につぎ込んだものだ。そのために今日の食事が質素であろうとも…」
私 「あ、はい。先生、よく分かります。(どっかで聞いた気もします。でもビールは飲んでいたんじゃないかなー。)何千万円もねー。でも実際使えるお金が
無いんですよ。あっ、そういう時こそ他を節約してですね…」
淨潤「それと、そういう時こそ、自分が出来得る範囲で、本当に行いたいことに従うべし。ここだと色々な事が学べるとかではなく、そこに行きたいな、とい
う感覚のほうが実は大事なんだ。でも、それは時に錯覚して、意識レベルの反発の材料があって行きたいのに行けないとか、逆に行きたくないのに行ってしまう、ということがある。師弟関係というのは親密なので同性同士でもそういう事があるのだが、そういう時こそ魂に正直になってみるといい。私は…」
私 「あ、はいはい。そういえば、先生のお風呂、マコモ風呂は感動でしたよねー。いやいや、次のスーパーウォーター風呂も驚きでしたよ。」
淨潤「えー、ところで、体の何処が感動したのだい? 心は? 即ち、両者の統合とも言える氣、つまり平仮名の「からだ」は? まあ、これを読みなさい…」
 なんだか分からない禅問答(今もって分からない。ウソです。よく分かっていますヨ、先生)の後に渡されたのが「週刊朝日」という雑誌でした。
 さまざまな温泉名人が、全国温泉ベストテンを評価しあっている。
 解説に、「温泉は生ビールなのだ」…な、なんと! これは、分かるなー。
(だから、淨潤先生は内側から温泉をしようとしているのか!?あっ…間違えました。先生は外なる自然より内なる自然の流れ、「氣道」を具現化しているの
だなぁ。)
 「あった!!」
 湯本の温泉が掲載されていたのです。しかも嵐山光三郎氏が全国一位に薦めている。

塔ノ沢「福住楼」(0460-5-5301)
 福沢諭吉も箱根の中で塔ノ沢の湯が一番と言い、諭吉の縁の宿らしい。川端康成をはじめ、多くの文豪が仕事をするためにいらしたそうだ。とにかくお湯が
柔らかくて絶品となれば、これは、自腹切ります!

 で、結論。

「お湯」◎(源泉掛け流し。消毒&循環&加水&加温無し。透明。アルカリ単純泉。PH8.9だからもちろん石鹸は要らないです。湯に自然の力を感じまし
た。でも、湯の中で内感するの忘れました。でも、大丸風呂は感動でした。後日淨潤先生曰く、「私もそう。でも整体のY先生は岩風呂のほうが好みらしいですが…」)

「接待」◎(きりっとした感じの仲居さんだと思ったら、あれ龍野さんじゃないですか、こんなところで、と思わず声をかけるところでした。元逗子支部の龍
野さんにそっくりなのです。その話を龍野さんにしたら、「私は温泉はあまり行ったことはないけど、福住楼は新婚旅行で行って、その後も行ったのです
よ。」とのこと。あー、この話だけでも大感動でした。)

「食事」◎(生ビール(しかもサッポロ)があるのです。温泉では珍しいそうです。それで良く覚えていないのですが、とにかく、ここは食事だけでなく全てに非常に氣がこもっています。)

「宿」◎(ただ、古い和風が嫌な方は駄目だろうなー。逆に言えばここが好きかどうかで「氣道家」かどうかが分かる!?)

「料金」△(インターネットからの予約は無理のようです。そしてまた私のように一人ですと、特に湯本の場合は結構値が張るのです。部屋は早川側「竹参」で2万5千円でした。二人以上だと1万6千円?のようです。)

「総合」A◎(最高得点です!120点)

 …という訳で、ここの廊下の売店に先月載せた本が置いてあったのです!
 温泉が単なるレジャーではなく、真剣な遊び、「氣の道」の一環なのだということがよく分かりました。
 うー、完全にはまってしまいました。
 次回を乞うご期待!!

強羅「吉浜」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年12月 6日(火)18時11分19秒
  地名(温泉名)/ 箱根強羅温泉
住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-39

名称/ 吉浜(薬師の湯)

電話/0460-2-2258
ホームページ/http://www.hakone-online.com/yoshihama/main.html
交通/ 強羅駅前。
動機/ 癌湯治で有名な玉川温泉の効果の理由であるという北投石のミストサウナに興味を持ったため。
宿の簡単な説明/ 明るいのは珍しい(今でも印象に残っている)が、やや丁寧さに欠け雑な所あり。和室7部屋。
風呂/ △ (3~4人が入れる小さな内湯とミストサウナ室。)
湯質/ ○
    源泉掛け流し。大涌谷から引いている単純硫黄泉。
    源泉名4・5号井混合。(宮城野第132・3号混合泉)源泉58・6度。pH6・9。(さつき苑と全く同じである。悪くない。)
    内感すると関節に響くのも同じ。
温泉力/○(ミストサウナはなかなか良い。)
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/×
接待/△女将さんの明るいぶっきらぼうなノリ。
ビール/生ビール(キリン)有り。
食事/夕食無しだが持ち込みOK。
景色/×
周囲/× (あまりに駅前なので)
イヤシロチ?/△
金額/8000円(朝食のみ。夕食付きはやっていない。)日帰り850円。
総合評価/△
今後/ △ (生ビールが飲める強羅での宿は少ないので、それ目当てに素泊まりで行くかもしれない。駅前だし何かの時に活用できるかもしれない。)