強羅「山田屋」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年12月 2日(金)20時53分33秒
  地名(温泉名)/ 箱根強羅温泉
住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-907

名称/ 山田屋(自湧の宿)

電話/0460-2-2641
ホームページ/http://www.2641.net/frame.htm
交通/強羅からケーブルカーで終点早雲山まで。そこから徒歩3分。
動機/ お風呂自慢の宿ということで、強羅では最も湯質が良く、しかも日に10数回もチェックをしているということで。
宿の簡単な説明/和室15。残念ながら安っぽい。(ロビーにピンクのしかも品のない絨毯は個人的には勘弁。)湯本のますとみ旅館的なB級旅館で、この早雲山の高台の素晴らしい景色とは似合わない。だからこそすぐ目の前に姉妹店(華ごころ)を作ったのだろう。(ちなみに、華ごころはここの場所とマッチしている箱根吟遊や強羅花壇的な素晴らしい宿であるが接待は×)
風呂/ ○
    入ったのは露天の二つだが、内風呂は放流式つまり掛け流しである。
   ★浴槽に常時新しい温泉を注入させ、温泉を再び浴槽に戻さない方式を「かけ流し」または「完全放流式」と呼ぶ。
     (なお、露天のほうは放流・循環併用式であるが、ここでは加温目的で冬のみで夏は掛け流しである。私が入ったのも夏であった。)

湯質/ ◎
    この辺りの大涌谷から引く単純硫黄泉は全て湯質は同じである。(萬岳楼とも同じ)硫酸塩泉。酸性-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉。源泉67.9℃ pH2・9~2・2。
    酸性度が強いため消毒も必要ない。上記したように源泉掛け流しである。
    ただ、ここはこの宿独自の工夫によって、湯質や露天でもどこの場所でも同じ温度にするなどを実現している。
    湯質チェックの現場にも偶然立ち会わせたが実に見事。職人であった。一時間に一回は実際にそれぞれの湯船に入ってチェックをしているのだそうだ。

温泉力/○と◎の間
    ここの湯の体感は月日が経っても時々思い出す。
    近辺にも全く同じ源泉から引いた全く同じ湯があるのに(たとえば照本や向山その他)、なぜ、ここの湯が説得力をもって身心に響くのか?
    そして長く「からだ(=感覚的身体=潜在意識)」に影響が残るのか?
    そう言えば、湯質チェックの職人さんが言っていた。
   ★「同じ源泉でも、その湯をどのような形で最終的に湯船に入れるかまでの間で、ここは凄く工夫しているのです。」…と。
    その通りだと思う。そうでないと、同じ源泉でこれだけ違う感触、身体への影響が出るはずがない。
    けれども、私が思うにもう二つある。
    一つは、その宿、湯船の「場」の問題。
    場が良いと植物が繁茂するように生物は活き活きする。
    そして温泉もまた生きている存在なのである。
    もう一つは、「人の氣(愛情)」の問題。
    人間も愛情をかけて育てられると元気に育つ。バラ造りの名人はバラに実際声をかけるのだそうだ。スピーカーだって氣を通すと音が変わり、オシログラフにまで変化が現れる。
    まして湯という生き物、そして水が何より氣を記憶することを思うと、ここの湯のように手塩にかけて面倒を見れば、湯が変わらないわけはない。
    その意味では、ここの湯は、人の氣によって育てられた箱根の代表と言えるだろう。その意味でも記憶に残る湯である。
    (もう一つ、人の氣によって育てられた箱根の湯は天山湯治郷であるが、山田屋の腰椎3番捩れ的な田舎臭さがあるのに比べて、天山がそれとは全く対照的と言っていい腰椎一番的なスッとして垢抜けた感じがあるのは面白い。)
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ △ 湯だけなら二日(以上か)。
接待/ ×
景色/ ○
周囲/ 〇 (ただ道路に面しているので音はどうか…)
イヤシロチ?/△○
ビール/生無し。
金額/ × 15000~
一人/ ○(ただし+8000円)
総合評価/△×(湯の評価は他の評価に比べ秀でている。だったら同じ湯の萬岳楼か華ごころに行く、と数カ月前は書いたが、今は後引く想いで再び入りたい。)
今後/ 〇△(湯だけでも、あと一回入って確かめたい。)

強羅「照本」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月27日(日)22時03分21秒
  地名(温泉名)/  強羅温泉
住所/〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320

名称/ 照本(静峰閣)

電話/0460-2-3177
交通/ 中強羅駅(強羅駅からケーブルカー)から徒歩2分。

宿の簡単な説明/ ホテルのようだが(鉄筋である事と清潔感があるためか)、和室32部屋(収容150人)
チェックイン~アウト/ 午後3時~午前10時
風呂/ 露天 男性1女性1
    大浴場 男性1女性1
    貸切風呂1(無料。予約不要。)
湯質/ 硫酸温泉と芒硝泉。
    露天と貸切露天のみ源泉掛け流し。あとは循環有り。
    ○△以上。 露天は濁り湯。(大涌谷から引いているという事なので、おそらく萬岳楼や山田屋、向山と同じ、硫酸塩泉。酸性-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉。源泉67.9℃ pH2・9~2・2。なのではないか。)
    ×内湯は透明な芒硝泉。
温泉力/○ こんなホテル的な宿なのに、このような源泉掛け流しが味わえるところは少ないかもしれない。
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/
接待/ ○△
景色/ ○△
周囲/ ○(ある意味で落合楼村上以上。ちなみに落合楼村上は◎だったが。)
イヤシロチ?/◎ (中強羅駅から歩くと、どんどんとイヤシロチになっていくのが、空気からもすぐに分かる。この横の「ライン」は、どうも強力なイヤシロチである。横のラインに気付いたのも数カ月以上たってからであるが、萬岳楼、向山、などのイヤシロチも考えてみると、そのライン上にあるようだ。
 それは、ともあれ、中強羅というのは、強羅駅から早雲山駅までの駅の中でも、少しいくと山中の自然の氣を充分感じることのできるスポットである。)
ビール/生ビール有り。(しかもサッポロ)
金額/○ 12000円~
一人/○
総合評価/○△
今後/ △ 強羅でホテルに泊まりたいということになれば活用したい。ただ、昔の旅館(ホテル)的な匂いが何となくだが感じられるところが二の足を踏むところで、もっと垢抜けた洗練された感じが欲しい。(←しかし、これは今、日がたって考えると欲なのかもしれない。)ともあれ場所は○以上。

強羅「さつき苑」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月27日(日)00時36分22秒
  地名(温泉名)/
住所/ 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300―166

名称/ さつき苑

電話/0460-2-3335(予約は電話のみ)
ホームページ/http://www3.ocn.ne.jp/~satukien/
交通/ JR小田原駅より小田急経由箱根登山鉄道強羅駅下車徒歩10分。強羅公園わき。
風呂/ 露天 3。写真通りの景観で良かった。露天からの景色は無い。
   ★この「写真通り」というのがまず無いのである。ここの露天風呂は雑誌やインターネットの写真と同じなのでそう書いたがこれは珍しい。ほとんどの宿(風呂も)が写真以下。写真では、良いアングルで、しかも照明艶やかに撮っていくためだろう。(私の本に映っている写真も全部そうなのだが、なぜ不評なのだろう…。)しかし、ここは写真と同じだ、と露天に行ってすぐ思い感動した。そうした正直な宿は少ない、というか、良く見せようというのが当たり前なので、実感としては、写真同様なのは、もともとの宿(風呂)が本当に良い、ということなのである。
 なお、例外的ではあるが、写真よりも良いというのもある。
 それまた宿(風呂)自体の良さが秀逸なのであるが、往々にして自然の中や、歴史ある宿、非常に心尽くしのデザインの宿などで、何にせよ、そうした宿は普通の宿ではなく、写真との不一致の面だけでなく、他の面でも特筆してしまいたくなる宿であることは確かのようだ。

    内湯 男1女1。
湯質/ ○源泉掛け流し(掃除の時に消毒)大涌谷から引いている単純硫黄泉。
    源泉名4・5号井混合。(宮城野第132・3号混合泉)源泉58・6度。pH6・9。
温泉力/○(関節にも響く)
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/×
接待/ ○(ご不自由な体で気丈で純朴なおじいちゃんが一人で切り盛りしている。)
食事/無し(素泊まりのみ)
部屋/×黴臭いのが廊下まで匂う。全体に暗く、また湿りやすいせいか。
景色/×
周囲/×△
イヤシロチ?/△
金額/12000円~(一人だと+3000円)日帰り入浴1000円。(10~15時。土日可)
総合評価/△×
今後/ ×△ (あのおじいちゃんの氣に触れたく寄りたく思うことがあるやもしれない。みなにも興味があれば日帰り入浴でぜひお立ち寄りして欲しい。)

ホテル・メルヴェール箱根強羅

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月23日(水)21時12分7秒
  地名(温泉名)/ 強羅温泉
住所/ 神奈川県足柄郡箱根町強羅1300-70

名称/ ホテル・メルヴェール箱根強羅

電話/ 0460-7-7600
ホームページ/http://www.merveille-hakone.com/index.html
交通/ 強羅駅前の強羅公園のすぐそば。
チェックイン~アウト/ 午後3時~午前10時
客室/ 55室/153人収容
風呂/ 私は大浴場に入る。
湯質/ △
単純硫黄泉と書いてあるが翠光館の湯に似るところもある。(加温、加水有り。ジャグジーは消毒有り。循環はどこも無し。そのためか黒色のカスのようなものが混じっているが、これは天然のものらしい。)
    源泉名4・5号井混合。(宮城野第132・3号混合泉)源泉58・6度。pH6・9。pH6・9。
温泉力/△×(肺にはくるが…)
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/×
総合評価/△×
今後/×

強羅「翠光館」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月22日(火)19時27分16秒
  地名(温泉名)/ 強羅温泉
住所/〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300

名称/ 翠光館

電話/ 0460-2-3351
ホームページ/ http://www.suikoukan.com/
交通/ 強羅駅より送迎バス(徒歩でも10分位)
動機/ 強羅では珍しく塩化物泉だったため。
宿の簡単な説明/強羅公園内にある(これも動機の一つではあった。)。
        洋1和9。(全室バストイレ付き)
チェックイン&アウト/午後2時~午前10時
風呂/ △
     露天 無し
     内湯 男1女1 (最上階にある。この内湯を男女別展望風呂と言っている。)
湯質/ △○ 源泉掛け流し(加水のみ有)pH7・5。塩化物泉。
    鉱泉のような感触であった。(肋膜に来るのが特徴)
    強羅では珍しい湯であろう。(この湯質と同質な部分があるのが、ホテル・メルヴェール箱根強羅や紀州鉄道箱根強羅ホテルである)
    半年以上たった上、再度入って確かめたいが…。(湯質を味わうのを浸食する程の関門(接待)がある事を考えると、足が遠のくが…)
温泉力/△× 四階まで引くためか…。(上のほうに湯があるのは問題な事がが殆どというのは、温泉通まで行かなくとも知っている方には常識だが一応書いた。)
       それより、ここの宿、そして湯に対する心配りだと思った。(厳しい言い方であるが。)
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/×
接待/× (ここの女将さんの首の捩れ具合は強力であった。妊娠中としか思えないお腹の張出し具合。(だとしたら大変なことである。)おそらくは、卵巣を摘出して6年ほどの体状況だろうが、会ってはいないが現在姑との折り合いが上手くいかずご主人が養子のケースの身体状況(椎骨転移)の典型である。
      しかし、どのような体状況でも「接待の心」というのはあるだろう。
      先天的に骨盤が閉まっていく体癖の女将さんなので、そういう所を見失わないはずであるが、あまりの身体状況のなせるわざか。
      その面では、強羅で言えば玉樹の逆であった。
 注/なお、これこそ観察が入っているがためにプライバシーにも追求しているかの如く思える個人(私)の偏見的感想である。(逆に自分がどこかの掲示板で言われたら(書かれたら)とても嬉しいのではあるが…)
客室/× (滞在中、ここは夕食付き一泊5千円程度の部屋だな、と思った。)
景色/△強羅公園が見えるが(というかこの宿自体が公園内にある)、そのため目の前に人が通ることもある。
イヤシロチ?/ △
ビール/ キリン生有。
部屋食/ ×
(別場所の場合→ 喫煙/○)
食事/ △×
金額/ × 15000円~
通信環境(インターネットetc.)/ △
総合評価/×(何しろ接待で幻滅であった。その女将さんの身体を良くするためには家族関係の調整がいる。
       しかし、私が出会った女将さんがたまたまそうだっただけで、もしかしたら別の女将さんもいるかもしれないし、また女将さんが応対しないこともあるだろうし、そう考えると×とは言えないかも。(また女子ではあるが、「男子三日会わざれば刮目して見るべし」という有名な禅の言葉ではないが、あくまでこの時点(2007年○月)での感想である。)
       ともあれ、先述したように、こうした「評価は全て私の個人的偏見による独断」なので全く参考にしないようにして戴きたい。のみならず、逆に私が×とか付けている所に行ってみるのも良いかもしれない。(相場で言う逆張りである。)案外、◎とか◎三重マルよりも良い相性の場所があるかも。
今後/×? (私自身も確かめてみたい…)

コメント

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月19日(土)23時05分49秒
   今、ここに「私は阿呆(アホ)だ」という文章を書いた。
(それは、私のお金の遣い方についてのコメントである。)
 しかしそれは、今後のコメントにさせて戴くことにして、削除した。
 その理由は、私の阿呆ぶり(全てのお金を(まさに、
「湯水の如くどころか湯水そのものに使ってしまう大阿呆ぶり」
 がまだ読者に伝わっていないからである。

 …というのは、ここに紹介していないだけで、今現在では既にかなりの宿に行っているからである。(全くもって阿呆だ…。) 掲げていない宿はまだ数十ある。(30位か)
 なので、もう少し、私の馬鹿さ加減に呆れながら付き合って欲しい。

 私自身呆れているのだが、それでも、その中で、たとえば同じ場所はある程度まとめて紹介しよう、などはしている。
 (その意味で、ここに掲げた宿の紹介順序が『私自身の行った順序とは違う』ことはご了解戴きたい。たとえばまだ紹介していない強羅シリーズなどは、すでに随分前に行っている。(ただ、下の「うえだ」からの流れは上記の如く続けて行った珍しいケースである。))

http://npo-kido.com/j-j.html


落合楼村上

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月19日(土)22時32分43秒
  地名(温泉名)/ 伊豆 湯ヶ島温泉
住所/ 静岡県伊豆市湯ヶ島1887-1

名称/ 落合楼村上

電話/ 0558-83-0014
ホームページ/ http://www.ochiairou.com/ochiairou.html
交通/ 伊豆箱根鉄道修善寺駅から4番線バス乗り場より新宿(あらじゅく)下車。約30分。
動機/ 湯質よりも伝統ある静謐な佇まい(それと接客)を学びたく思った。

宿の簡単な説明/ 国の有形文化財になっている湯ヶ島屈指の老舗旅館。
   明治7年創立で眠雲亭と命名。明治14年に逗留中の山岡鉄舟が、この眺めを「川が落ち合う落合楼」と謡い、それが屋号となったらしい。(実際、猫越(ねっこ)川と本谷川が出会い狩野川になる光景が眺められる。)
   数多くの文人、著名人たちが愛用して宿泊した事で有名。 和15室(収容人数60人) 70年の歴史と共に日本文化の粋が味わえる宿である。 (三階の床の間の板はこの造りのためにそれ以前から欅を30余年かけて反りが無いように削った上で70年前に設えたもの。)
   素晴らしい周囲の雰囲気の中を歩き、ここが一番と感じると、右手に落合楼村上がある。(この感覚は名宿はいつもそうだ。ちなみに整体協会本部もそう。初めて行った数十年前から今まで道が分からないのに磁石のように最短距離で吸い寄せられる。)
   宿に入ると、薄暗い雰囲気の中、優しい上質なお香の香が漂う。(後で聞くと芳輪と言うそうだ。)
   (玄関と待ち合わせの感じは浅田屋にも似るが、通された所は待合いの風情ある…ではなくロビー。)
チェックイン&アウト/ 午後3時~午前10時
風呂/ △
    内湯 男(天狗の湯(露天)と洞窟風呂が続く)
     その昔、天城の天狗が一目を忍んで入ったという伝説からくる命名。
    内湯 女 (ひさご湯)
    (内湯1と2は夜12時で男女交代)
    貸切大露天風呂1 (40分)
    ロケーションは×△と言ってもいいだろう。
    部屋にも風呂が付いている(温泉)が安アパートのユニットバス的な感じ。
    (しかし、そのほうが視覚に捉われない湯質のチェックが出来る。同時にユニットバスで温泉掛け流し(しかも落合楼で)は初めてなので、その意味でも、温泉と通常の風呂との入り心地の比較や今までの反省その他も出来てとても良かった。)

湯質/ ○源泉掛け流し。(夏場のみ加水。冬場のみ加温。)
    ナトリウム・カルシウム流線塩泉。低張性弱アルカリ高温泉。無色透明。湯ヶ島28号 (天狗の湯)
    湯ヶ島7号18号混合泉(貸切大露天風呂とひさご湯)源泉50・5度。浴温43・3度。pH8・42。
    どちらも無味無臭。(僅かに塩味と硫黄味。硫黄臭。)
    大露天風呂は熱くてかなわない。(44度以上か)
    筋肉や関節に響く。ここは湯は期待していなかったのに、どうしてどうして中々の湯ではないか。
    湯治目的だけでは料金的に贅沢過ぎるだろうが、どの部屋も風呂付きのようなので、そう考えるとあながち贅沢とは言えない。(宿に佇む品と格を肌から吸収するという意味でも。)
  ★ 上に、風呂付きの部屋が良いと言ったが、これは特に湯治目的には良い。
    ただ箱根羽衣のように部屋と風呂とが近い場合は必要ないだろう。
    問題は、部屋と風呂が離れていることがあり、そういう場合で、
    湯質が良いと(←もちろんこれが条件)「ああ、高くとも風呂付きの部屋にすれば良かった」と思うのである。
    逆に言うならば、風呂に近い部屋ならば風呂付きの部屋でなくとも良いわけで、そのためには、宿を予約する時に、一言付け加えると良いだろう。
    (ただ、風呂には近いが、その代わりうるさいとか、部屋からの景色が…とか、のことは多々あるので、予約時の言い方が難しいだろうが。)

温泉力/ △
     湯は良いのであるが、温泉力はやや落ちる。これは浴後にも感じた。(このように、浴後に温泉力を確かめることも出来る。)
接待/ △
     とてもきめ細かい心遣いであるが、名宿の仲居さんのためか燐とした感じが強いのは否めない。(銀座の現役ママさんでそっくりな方がいらっしゃる。体癖も共通項がある。)
    他部屋の仲居さんや女将さんは○。
   ■どうしても、この「接待」の項は、その時々の仲居さんへの評価になりやすい。
    そのため、この項を読んで宿の印象を読者に提示するのがいつも憚れる。
    (逆に言うなら、宿側は、そうした事を知ったの上で、女将さんの教育をされているのだし、実際、『宿と接客』の関係は、私的には湯質よりも密接したものを感ずる。     …「外の自然」を現していく意味での宿の評価という意味でも。)

客室/ ◎(三重マル)
    入った途端に伝統の氣と静けさ(ここは本当に静かである)に包まれる。
    ここなら本当に落ち着いて仕事が出来る。その意味では福住楼や強羅環翠楼と同様、腹部第二の拡がっていく佇まいからすると、もしかしたらそれ以上かもしれない。
    (それらは体感(そして内感の結果)であるが、もう一つ洗練された氣があれば書も書けそうである。)
    また、どのしつらえも本物で、今まで行っていた宿の粗さが逆に浮き立つ。
    狩野川のせせらぎだけが、ごくかすかに部屋にそよぐ。
(泊まった部屋/ 楓1 16畳以上。トイレ(床の黒曜石(?)はやや興醒め)や風呂(これも温泉。蛇口から出る湯は温泉。)周辺も広く非常に余裕ある造り。
 以前は、こうした文化財でもある部屋に泊まる事は難しかったらしい。落合楼が一度閉められ、ある銀行の薦めで現在の村上氏がオーナー(宿の主人)になり、名前も落合楼村上となってからの事である。
 それまでは隣の鉄筋の建物がメインの宿泊所であった。)

景色/ ◎部屋からは手入れの行き届いた日本庭園が、木の格子の入った窓硝子から見え、目が保養される。
    窓を開け庭に出て、素晴らしい名園を満喫することができる。
    (この庭での風情は強羅環粋楼のほうが好みではある。こちらのほうは作られた芸術的な庭園の風情である。)
    日本情緒に惹かれる人には最高の佇まいである。

周囲/ ◎自然に包まれている。
    面した通りも、まるで昭和10年代に戻ったようなタイムスリップ感のある家が時折りあるだけ。懐かしい感覚が素晴らしい。

雰囲気/ ○ 完全に和の雰囲気。宿の感じもそうだが、萬翠楼福住と共通する格式も感じさせる。(全ての設えが本物である事と広く余裕ある造りということも共通している。金運が付く氣が現在の落合楼村上でも若干残っているのも同様。)
      氣道設立当初にはあった、この雰囲気が当たり前のような自分を思い出した。    今、自分までもが鄙びた、というか周囲に迎合されている事を知り(それは決して悪いことでは無いのであるが)、その隔たりに非常に驚くと同時に、自分を大切にしなかった感も浮上し、非常に恥ずかしく思った。
      現在の、そして今後の「氣道」協会にならなくてはいけないものが、ここに来て改めてまざまざと突きつけられた。
      希望と同時に、大きな反省の邂逅であった。

イヤシロチ?/ ○ 静かに落ち着く感覚。
ビール/ ◎ 生有り(4時まではロビーで。以後は部屋でも可。アサヒ中ジョッキだが500円で安い。)
(冷凍庫/ 有り。)
部屋食/ ◎
 部屋食は、もう勘弁と言いたい位の正式な懐石食事であった。(ビールのタイミングを食事によって考えなくてはいけない私にとっては、「きちんとした懐石の場合は酒は食事と同時でいい」という事がこの宿でも味わえた。見事である。)
(なお別場所(天城亭)でも食事が可能。)
食事/ ◎(三重マル。岩の湯クラス。)
 上述の如く素晴らしい懐石。お品書きがあるのが嬉しい。(A3以上の横幅にギッシリと…。全て美味。)
 器は湯河原加満田以上、金沢浅田屋以下。味は特に生物(なまもの)はランキング日本一の有馬陶泉御所坊以上。
 (例として言えば、日本一の認定を受けた山葵をその場で擦って貰える(もちろん鮫で。)呑む肴としても良い。)
 ゆったりとしたしっかりとした懐石のなせるわざ。御所坊よりも時間をかける、というか宿泊の者の進行を「気働き」で考えるところが素晴らしく、食事のタイミング的にも、とても良い宿である。
 脇の狩野川で採れた鮎、海老の生サラダ(海老嫌いの私も美味しく食べれた)、合鴨のツミレ鍋、シチリア産の塩も美味しかった。
 (私的には量はこの半分でいいが、これは本格的懐石の常。なお食事メニューは月代わりらしい。)
(氷)水/ ××(今までの中で一番まずい。翌朝聞いたらやはり水道水であった(!)ちなみに蛇口からの水は水道水。)
寝具(寝心地)/ △○(枕は高さが変えられ面白かった)
金額/ ○ 本館26250円~ 眠雲亭36750円~
  (サービス料込みなのは良心的。また、私の場合、朝食抜きだと確か-2500のため、入湯税(150円)と消費税を引いて22250円だった。料理だけで12000円はゆうに下らない質だったので、全体のレベルを考えると格安の宿とも言える。)
通信環境(インターネットetc.)/ ×
 自然の中だといつもそう。しかし、ここのような全て設えが出来ている格式の中にいると、外の自然を忘れてしまう位。
 (名演奏家の演奏が、作曲家よりもその人の個性を感じてしまうのと、それでいて作曲家の意図との分離がないのと似ている。)
その他/ アメニティーが良い。丁子染めの湯足袋(貰える)etc.充実。
連泊希望(湯治etc.)日数/ ○ 場合によっては一週間以上。これはもちろん湯治目的ではない。(しかし、食事はシンプルにしてもらおう。となると、私的には「今の」落合楼村上よりは、別の所になるのかもしない。

総合評価/ ○
  とにかく食事は素晴らしい。(宿の造り、設え、雰囲気も良いのは上述した通り。)
今後/ ○△
 宿自体の運気を感じさせられてしまう雰囲気も含めてという意味での中期的△である。(分かりにくい表現だが…、個人的には宿の運気(イヤシロ度)も重要な要素なのである。ちなみにここの宿は無くなってしまうまでの下降運気では無い。)
 なお、今度泊まるとしたら眠雲亭、できたら紅梅(さらに凝った造り。和洋室。)に泊まりたい。
 「氣道(氣の道)」における重要な品格が培える宿として活用をしたい。

http://npo-kido.com/j-j.html


船原館

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月15日(火)18時48分4秒
  地名(温泉名)/  伊豆 船原温泉
名称/ 船原館(囲炉裏と温もりの宿)
電話/ 0558-87-0711
住所/ 静岡県伊豆市上船原518-1(ちなみに、船原温泉「うえだ」から徒歩2分)
ホームページ/http://homepage2.nifty.com/funabarakan/
交通/修善寺駅より東海バス堂ヶ島行きに乗り船原館下車。(20分。)

動機/
  以前より、温泉と各種療法との組み合わせる事によるアプローチに関心があった。
  もちろん、すでに古来より様々な方々が実際に行っていることは知っているが、隔靴掻痒の感があり、氣道的に纏めてみたい時機であった。
   同時に、温泉自体の活用法も、入浴の仕方だけではなく、「湯の中で行うと良いこと」を日常の入浴に活用するためにも、更に研究していきたかった。
  ★また、「温泉は母なる『大地の羊水』につかること」である、と思っている私にとっては、湯につかることは自然に回帰する一つの手法として活用していきたかった。
   (私たち人間の66%(3分の2)が水で出来ているのである。)
   特に、湯の中では浮力により体重は10分の1になり、物理的身体の感覚が希薄になるため、さらにそこで脱力すると瞬時に瞑想状態に移ることができる。
   (これは滝行が瞑想に効果を及ぼすのと全く反対の原理である。滝行では身体にかかる重力の中で瞑想することによって強力な瞑想導入力を得るのであるが、入浴の場合は「身心の文法」原則0の原理でそのまま瞑想に移行していくのである。)
   入浴が心理的な意味での健康法にもなっているのは、そのため(重力の問題)であると私は思っている。(単に副交感神経が高ぶるためではない。熱めの湯は交感神経のほうが高ぶる。)

   さて、そんな時ある雑誌に、温泉内での立ち湯、それにワッツというリラクゼーション法を行っている情報があり、これは一度ぜひ体験してみなくてはと思ったのが、ここに来る動機であった。

宿の簡単な説明/ 黒塗りの太い材木を多用した中の造りは、田舎に戻ってきたよう。とても安心感が得られるのは100年の歴史があるからか。それなのに清潔な手入れがされている。

風呂/ △
    露天 1(だが、外は見えない。)
    内湯 頼朝の湯と政子の湯の二つ。
    立ち湯 ○(37度。水深1・2m。通常の温泉風呂の3倍近く。!)
湯質/ ○ (~◎)
    単純泉 湧出料毎分126リットル。pH8・2。源泉47・1度。自家源泉。
    (怪我の後遺症と婦人病に特に良く、その場合は熱めの浴槽に休憩を入れて二回つかるといいと言う。)
    まろやかで優しい湯感。水の粒子も密度高い印象。
    非常に温まり、内感では特に腎臓に響く。(これは隣の「うえだ」にはない特色である。うえだ同様、ごく若干の塩気のある味。)
温泉力/ ◎
    さて、ここでワッツなどの説明をしていこう。日経ヘルス2005年7月号掲載の文章が私の体験をよく現しているので、以下引用させて戴く。
   「ふわぁっと木の葉のように空を舞っている感覚と表現したらいいだろうか。でも宙を飛んでいるわけではない。「水中指圧」とも呼ぶ「ワッツ」を受けているときの感覚だ。
    目を閉じ、インストラクターの手で軽く腰と頭を支えられて水にぷかぁと浮かび、ゆーったりと揺らされたり、体を折り畳まれたり。呼吸に合わせて、緩やかなリズムで全身をストレッチされる。耳まで水につかるため、水中の音が聞こえる。体がほぐれ、力が緩み、徐々に落ち着いて穏やかな気分になってくる。気がつけば、あっと言う間に30分たっていた。目を開いても、しばらくは放心状態で、体がほどけるようなリラックス感だ。
    ワッツとは1980年代に米国の指圧師ハロルド・ダール氏が開発した水中リラクゼーションプログラムだ。WaterShiatsu(ウォーター指圧)を略して、WATSU(ワッツ)と呼ぶ。
    日本では現在全国に役170人の認定者がいる。
   「水中では陸上よりも体の力が抜けやすい」と話す。
    水中で体の力が抜けるというと、体が大の字にぽっかりと浮くイメージがあるが、「実は、背中が丸まり、手足は曲がり、ひざを抱くような胎児さながらの格好になる」と言う。
    そのため、胎児の気分を味わえるという人もいるほど。
   「究極の水中リラクゼーション」ともいわれるゆえんだ。」
    私は、宇宙飛行士が悟りを開いたりすることから開発された「五感を全て遮断し無重力状態が経験できるタンク」(アイソレーションタンク。悟り(サマーディ)が得られることからサマーディタンクとも言われる)に入ったことがある。
    そこでは真っ暗なタンクの中に張られた体液と同じ濃度の液体にプカプカと浮かぶのであるが、確かに深い瞑想状態になり思考停止が得られた。
    しかし、瞑想に慣れていない方は回数経験してもそこまでは至らないらしい。
    ところが、このワッツは、サマーディタンク同様、いやその何倍もの誘導力がある。
    これなら瞑想に慣れていない方でも思考停止を経験しやすいだろう。
    また、ワッツは主にプール施設で実施されているらしく、ここのような湯質の良い温泉(体温とほぼ同じ温度)で行うことによって、大地の懐に抱かれてリラックスが更に誘導されるのだろう。また瞑想誘導の面だけでなく、湯による身体への好影響も大きく、浴後の感覚は滝行後の感覚に酷似する。(!)
    ワッツと共にここでは天城流湯治法を紹介しているが、その一つである温泉瞑想(なんと私以外にもこの言葉を用いる方がいた!)には、浮き棒を遣って水面を漂うように身体を浮かばせるものがあり、まるで母親の体内にいるかのような感覚をあじわえると人気が高い。
    ともあれ、私が期待していた以上の体験ができたと共に、私が行いたかったことの一部を実際に完成度高く行っていたのには感動を禁じ得なかった。
    また、健康にいいといっても、そこに美しさがない所も多いが(「ここは炭が何トンも埋まっているのです」という宿に行ったことがあるが何とも汚い宿であった。また前述のサマーディータンクの場所も非常に汚い。)、ここは写真やインターネットで見る以上に非常に美しい空間であった。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ○
 二泊。周囲の森林で森林セラピー(「ここからは場の感じが違うでしょ?」などの指導(遠藤さんという方)も面白い。その言葉はまるで私のようだ。)

接待/ ◎
    宿の主人(鈴木基文さん。この方がワッツの資格を持つ。東洋医学に長けている。)のご家族(お母様も優しい人)が中心に真心のこもった接待をしてくれる。
      (なんとご主人さんは帰りに車で送ってくれた。)
景色/ △×宿や湯からは味わえなさそう。
周囲/ ○
イヤシロチ?/ ◎ (良いスポットがいくつかあるらしいので。うえだでは○にしたが…)
食事/ ○ 食事処での食事であるが、そこが宿泊部屋ごとに「囲炉裏(いろり)」を囲む素晴らしい場所。
      そこで、源氏の名残の名物「お狩場焼き」や冬は猪鍋(しかも傍で実際にとれた猪)を食べることになる。
金額/ ○
    12000円~(ただ、氣道の合宿ではもっと安くしてくれるそうだ。)
    ワッツ、天城流湯治法、共に30分。3150円。(ワッツ等は宿泊者のみ体験できる。一日5~10名。)
    タイで実際に学ばれた奥さんの本格タイ式マッサージも受けることができる。
    (非常に良い和室の部屋。そこで整体を行っても良いという許可をも得ることができた。)
総合評価/◎
今後/ 今度は氣道合宿としてぜひまた行きたい。
     (合宿での活用宿として氣道で推薦できる宿として天山湯治郷に続く二番目の宿となった。なお個人で行かれるにせよ、隣の「うえだ」とのカップリングもお薦めの氣道体感コースである。)

うえだ

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月10日(木)16時04分43秒
  地名(温泉名)/ 伊豆 船原温泉
住所/ 静岡県田方群天城湯が島町上船原466-1

名称/ うえだ  (山あいの宿)

電話/ 0558-87-2020(ホームページは無いようだ。)
交通/ 伊豆箱根鉄道修善寺駅から松崎行きバスで20分。
動機/
 以前、温泉博士のW氏に戴いた「日本の秘湯(野口悦男著)」に、「中伊豆にこんな静かで自然と名園が合体した秘湯があるとは…」という内容で絶賛されていたのを、その後、忘れていたのだが、自遊人に「『こんな宿があったら』とオーナーが道楽で中伊豆の静かな場所に作った宿であり、しかも一万円台。」と書かれてあったため。
    (後日、実はオーナーは修善寺温泉嵯峨沢館のオーナーの弟であると父から聞く。)

宿の簡単な説明/
 船原温泉は旅館が数件ほどの小さな温泉地。江戸時代、日光東照宮「眠り猫」の工匠として幾多の名作を残した名工・左甚五郎が、伊豆巡遊で皮膚病に苦しんでいたところこの船原温泉で快癒したと伝えられている。
 宿泊は一日7組まで。 建物は渓流沿いに建ち、敷地内には庭園(野口氏が言うように名園だろう)が広がり、それを囲むように客室や食事処がある。
 ここは日本の秘湯として「源泉湯宿を守る会」の正会員宿に認定されている。
チェックイン&アウト/ 午後2時~午前10時 (露天風呂の関係で、できるだけ早くチェックインすると良いだろう。)

風呂/ ◎
    露天 2(その内一つは空いていれば30分まで貸し切り可能。もう一つは40分きざみで予約。)
    内湯 男2(その内一つは露天)女1

 どれも24時間入浴可能。全ての風呂から渓流を眺めることができる。
 内湯はタイル張りで清潔感溢れる造りで窓も大きく明るい雰囲気。(その外に小さい露天風呂があり渓流からの風が流れこむ。)
 40分きざみの予約露天は自由に部屋の名前が書かれたマグネットシールをホワイトボードに張るスタイル。
 目の前に広がる空と、下には素晴らしい渓流(水がエメラルドグリーンに見える所も)そして脇は山に面している。(景観はこちらのほうが広々と開けていていいかもしれない。)
 30分まで貸し切り可能の露天風呂は宿から少しだけ離れたところにあり、岩盤をそのまま使用したという風呂は貸切できるのがもったいないほどの広さ。(「まさに貸切り!」という感じ。それにしても勿体ない。まるで『温泉池』である。しかも全て自家噴泉。)
 (露天風呂のすぐ下には渓流が流れ、サンダルで沢まで下りることが出来る。
  脇には緑が迫り、自然を感じながらの入浴が楽しめる。日没後はライトアップされ、温泉池から立つ湯気が神秘的で見事。 その光景(余程の湯量でないと難しい為)を見ても、都心に近いのだが確かに「秘湯」の一つと言っていいと思った。
  実際、湯質も露天のほうが更に柔らかく浸みてくるのは、底も自然岩のため、ミネラルが溶解されたり、分子クラスターが細かくなるためだろう。
  非常に満足できる露天風呂だが、逆に貸切が可能なため、夕方や食後は競争率が高いため行きたい時に利用できないのが残念。)
 どちらの露天も素晴らしく、露天風呂に全く興味のない私も初めて露天風呂に感動した。
 (正しくは奥鬼怒川の日光澤温泉が最初の感動だが、それは風景というよりは大自然の中という意味での感動であった。ちなみに奥鬼怒川の加仁湯よりも絶景である。)
  そういう意味では今まで入っていた露天は何だったのだろうか…。(もちろんそれなりに素晴らしい風景はあったが…。)

湯質/ ◎
    源泉掛け流し。(消毒・循環・加水・加熱無し)
    芒硝泉(アルカリ性単純泉)。玉藤の湯。船原11号。源泉52・1度。pH8・6。100リットル/分。
    とても柔らかく、まろやかな湯の感触は萬翠楼福住の湯を思い出す。しかしすぐに内に浸透する速度は活きている自然の力を感じる。
   (塩化物泉の体感にも似るが、味は塩気は少ないので、やはりここの場の氣のなせるわざだろう。)
    アルカリ性単純泉の通例で内臓まで瞬時に浸透し、分きざみで頸椎2番が緩む。やはりアルカリ性単純泉の神経系統への影響は素晴らしい。)
    次に思い出したのが天山や一休の湯。非常に似ているのである。
    アルカリ性単純泉という意味では天山の奥の二つの湯船の湯なのだが、感触として似ているのは塩化物泉との混合泉の一休や羽衣の湯。
    しかし、それ以上に身体(特に内体(=からだ))が変わる。
    伊豆の山中で、自然力と箱根のアルカリ性単純泉との統合を味わうことができた。
    (ちなみに箱根のアルカリ性単純泉でも、ますとみ旅館や福住楼はまた別格の身体への影響がある。ここの湯は、それらには酷似していない。匹敵する程の温泉力はあるが…)
    ───「名湯」と認定(?)したい。(アルカリ性単純泉の凄味が味わえる。)

温泉力/◎
    上記した通り。
   (特に、露天は、湯に溶解する様々な自然ミネラルやエネルギーが浸みてくるし(アルカリ性単純泉の凄味である)、深さが色々とあるのが良い。
   ★この「『深さ』の問題」は、温泉研究家も取り上げていないが、実はかなり重要なのである。
    深い湯に入ることによって初めて変化する部分もあるからだ。(①水圧と②体の支えの問題。)
    また、浅い湯に寝そべるように(すると下体が浮かんでくる)して初めて変化する部分もある。(ここの湯では内湯にそれができるような工夫がしてあった。(!!))
    更には、下体を固定し(蓮華座のように足を組むetc.)瞑想する入り方もある。
    (実は、温泉は瞬間瞑想に使える。それは浮力の問題に絡むが、これについては船原館で詳説しよう。)
    ともあれ、ここの湯はそうした「深さ」の点でも様々な湯治が工夫できて良い。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ○ 接待の問題がなければ2日間以上。
接待/ △×
    「さりげない接客で必要以上にはかまわない」と聞いて来たが、さりげないというよりは、つっけんどんな冷たさを感じる対応で、こちらが質問しづらくなる感じは否めない。
    必要以上にかまわれないのは良いが、ならば、そうした対応で有名な仙石原の萬岳楼のように聞いたことには丁寧に応対して欲しい。(これは女将さんのいない宿だからなのかもしれない。)
    ただ、これはこの日私の部屋を担当した仲居さんのことであって、もう一人の方はそうではなかったので宿の評価には繋がらないのかもしれない。(何にせよ、何部屋もを一人の仲居さんが担当するのは大変だろう。)

客室/ ○
    落ち着いた雰囲気。(トイレや洗面も含め、和の広めな造りで、強羅環翠楼を思い出す。)
   どこも手入れが非常に行き届いている。
    10畳+バルコニー。 (泊まった部屋/ 桔梗。角部屋。)
景色/ ○
    ほとんどの部屋から庭園か渓流、池を望める。
   泊まった部屋からは、小さな渓流が作られた小山が目の前で、手入れの行き届いた様々な種類の木々が配置良く植えられている。
   そうした庭園の風情は秀逸で、部屋には流れる水の音が絶えずそそがれる。
   (京都など日本情緒に惹かれる人にはお薦めの宿だ。)
周囲/ ○豊かな自然環境。
イヤシロチ?/○
ビール/ 食事処では生ビール(アサヒ)が飲めるが、部屋では冷蔵庫にあるアサヒスーパードライか、もう一つの瓶ビール。
     ところが、この瓶ビールが恵比寿以上に美味しい。
     秘湯ビールと名付けられたこのビールは、日本で唯一ブナの樹から採取した天然酵母を使用し、ブナの地下天然水と併せて生れたもので、恵比寿同様麦芽とホップと水のみで作られている。(製造元は秋田のわらび座でアルコール分5%。ただ330㏄の小瓶(つまり缶ビールの小より少ない)が、ここでは630円はちょっと高いのが難点。)
冷凍庫/ 有り。
部屋食/ × (←部屋食ではない、という意味)
  (食事処となるが、下記には書けなかったが、あの食事の内容なら、食事処でなければ難しかったことは充分分かる。
   また「いらした客層で宿のレベルが判断できる」という私の考えからすると(実は逆なのだが…)、今、食事処でこれを書いているが中の上の階級と言われる方々が、この宿の雰囲気に自ら馴染んで参加している。
   しかし、途中からテレビが付くのは何故? しかも誰も見ていないのに…。
 (別場所の場合→ 喫煙/ OK)

食事/ ◎
   前菜の柿の白和え~素晴らしい懐石が、どんどんと並ぶ。
  しかも、山の幸や海の幸をふんだんに使い季節感を感じさせるメニュー。
  「懐石+目の前の鉄板焼き(凄くたっぷりの肉は伊豆牛でとっても美味)」
    +洋食(グラタンetc.)+鮎の甘露煮++α
  …という感じ。
  つまり、焼き肉を食べながら、懐石が進行するという感じだが、量的はもちろん質的にも満足。それでもこれだけ量がでると…という贅沢もあるが、これは中々のもの。
  横浜なら゛最高の焼き肉と懐石ということで安くとも10000円は下るまい。
  お兄さんの経営している嵯峨沢館も素晴らしい料理だが、ランクが一つ(二つ以上か…)上。
  品数だけでなく、これくらい自然の物も見せて欲しい。)

(氷)水/ ○ (言わなくとも運んでくれる。それと共に、私はいつもの如く部屋のポットに飲泉用の湯を氷(廊下にある氷水用の大きなポットに入っている)と混ぜて飲む。
 蛇口からの水は水道水。

寝具(寝心地)/ ○
   普通よりやや広めの布団。よく乾燥させており熟睡できる。

金額/ ◎ 15000円~(25000円)
  「秘湯の宿としては若干高め」と言う方もいるが冗談ではない。
  これだけの満足度(湯と食事etc.ただし接客を除く)を与える宿は1万円台では早々ないだろう。(ちなみに嵯峨沢館の少なくとも二倍以上良い。嵯峨沢館は25000円程度。)

通信環境(インターネットetc.)/ ×
   どうも大自然の素晴らしさを感じる所は、大抵繋がらない。
   逆に考えれば、様々な電波が大気に舞っていないからこそ、自然の波動を空気からも感じることができるのだろう。
   空気は鼻からだけではなく、皮膚からも吸っているのである。
   ちなみに、ここの空気は澄んでいてとても美味しい。

総合評価/ ◎
   部屋からの景色、豊富な湯量の源泉、静けさ、素晴らしい露天風呂、豪華な食事etc、Aクラスの宿である。
 (ただし接待を除けば…。そこが仙仁温泉岩の湯と半ランク違うところ。少ない客室数を活かして更に高めていけそう。)
   翌朝、廊下を歩いていると熟年の御夫婦の会話が聞こえてきた。
   「いやぁ、ほんとうに命の洗濯をしたな… 。」「ほんとうですねぇ。」

今後/ 伊豆好きな父に行かせたい。

嵯峨沢館

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月 8日(火)18時14分56秒
  地名(温泉名)/ 伊豆修善寺湯ヶ島 嵯峨沢温泉
住所/ 〒410-3209 静岡県関の原400-1

名称/ 嵯峨沢館

電話/ 0558-85-0115
ホームページ/ http://www.sagasawakan.com/
交通/ 伊豆箱根鉄道修善寺駅よりバス20分。
動機/ 仙仁温泉を教えて戴いたW氏に今度は私のほうからこの宿はどうか、と調べたもの。
    嵯峨沢館は、常に全国ベストテンの宿に選ばれている。

宿の簡単な説明/ 壮観なためホテルの如くの佇まい。
チェックイン&アウト/ 午後3時~午前10時
風呂/ ◎~×
      露天&内湯合わせて12。
    (それぞれの風呂が素晴らしい造りなのであるが(その意味で◎)、
     数が多ければ良いというものではない。ゆったりと湯を味わう気持ちがそがれる。(箱根芦之湯きのくにやのように湯質が全て異なるなら別だが…)
     集客人数が多いためといってもここまでは必要ないだろう。(その意味で×)

  ★ただ、ここで風呂数が多いことの利点を一つ掲げるとなると、それは何度も着替えをするということである。(これは、風呂数が少なくとも何回も入れば同じことである。)
     それがなぜ利点なのかというと、「風浴法(空気浴)」になるのである。
     「風浴法(空気浴)」とは、簡単に言えば、服を脱いだり着たりを繰り返すものである。
     (正式には→ 裸を20秒より始め、10秒ずつ長くし120秒まで至る。着衣をしている時間は裸の時間よりも10秒位長めにし、最後は着衣で終える。着衣の代わりに布団でくるまれると簡便で効果も高い。裸の時は窓を空けて空気の入れ換えをし、できれば【自働運動】などの体操を行うと良い。)
     脱いだり着たりを繰り返すことによって、皮膚呼吸がかなり活発になる。
     それによって体内の一酸化炭素などの老廃物が皮膚を通して排泄される。(そのためガンの方の必須健康法として氣道では紹介している。)
     行ってみると実にサッパリとする。(行っていない方はぜひ試してみられると良い。)
     ここまで読んだ方は、風呂数の多い利点が自ずと分かっただろう。
     風呂に入らずとも、脱いだり着たりするだけで身心が活性化されるのである。
     そこに湯質の良い湯での入浴が組合わさったとしたら…。
     素晴らしい相乗効果が得られるのである。
     更には、その人に合わせて入浴方法を工夫すれば、最高の皮膚法にも成り得るのである。

湯質/ ×
     ナトリウム-硫酸塩泉。
    どの情報にも源泉掛け流しの素晴らしい湯質と書かれてある。
     そして、宿にも自家噴泉の豊富な湯量と書かれてある。
     ならば、どうしてこんなに塩素臭がするのだろう。
     片っ端から湯に入った私は、それぞれの湯を内感する前に塩素で皮膚がごわごわになった。
     それでも、身体に対する湯の力は大きく、呼吸器や腎臓、そして関節に次から次へと響いていく。
     部屋に戻ると同行のW氏も塩素臭のことを言う。誠に残念である。
     私たちは露天付きの部屋だったため、最後に桶のよう露天風呂に入る。
     そこは全く匂わない。(飲泉しても美味である)
     そして、それからはその露天の湯を満喫した。(まるで天山湯治郷の羽衣の湯を満喫しているかの如くである。天山湯治郷の場合は、羽衣以外が人が混み過ぎているという理由であったが…)

 ※実家に帰って、ここに行った事の話になった。なんと両親は2004年まで月に1~2回は必ず行っていたのだそうだ。
    改装工事が行われ全ての雰囲気が変わり、それで行かなくなったのだそうだ。
   (父は部屋食が不可になったこと、母は湯質の変化のことが一番大きい理由だそうだ。)
    行かれる方には、念のためぜひ露天付きの部屋で予約されるといいと思う。
温泉力/ ◎ (上述の如く。素晴らしいのに勿体ない… )
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ 露天付きの部屋でも×。(しかし、もう一回いつか行ってみたい気もする。その理由は下に。)
接待/ △○
 (接待だけでなく、全てが、こんなものか…△か×だなと思っていたが、他の宿にいくにつれ、このクラスがとても良いほうであることを知る。私は今まで良い宿しか行っていなかったのであろう。
  しかし、私にとって良い宿は、少なくともこの項の「接待」に関して言えば、氣(持ち)がどれだけ相手に込められているか、そしてそれを『技術』としてさりげなく慎んでいるか(たとえば金沢の浅田屋の如く)なのである。
  そして、それは「接待」に限らず、人の作る「美」、つまりあらゆる芸術がその過程を経ていくのではないだろうか。
  少なくとも日本文化における美の認識とは、俳句の例を掲げずとも、そうした「想いをいかに慎み簡素にしていくか」ということにあると思う。
  アイラヴユーを何度も言う文化もあるのだろうが、芥川の「はんかち」ではないが、私たちにとって、芸は、人の作る美は、抑制と慎みがあって初めて醸されてくるものではないか。

客室/ △
  とても広いし…、これまた一般レベルとすれば良い(○)だとは分かるが…。
  宿の造りからして中途半端な感じは否めない。(この「中途半端」という言葉はW氏の言葉でもある。)
  途中までは本当の材木を用いながら、途中からはスプルースは良いにしても、信楽の偽物は丹田(腹部第三)の力が抜けるので使わないで欲しい。
  客室に行く間にも、そうした中途半端(ある所は岩の湯のような本物がありながら、ある所には破れた壁紙が剥がれているのがそのまま…という感じは、早雲閣の感じとも少し似ている感覚がして、なるほどどうもホテル化するというのはこういうことなのか、とも感じた。

景色/ △
  加仁湯と似ている。自然の中なのに、客室からの景色は単なる岩。
  それが自然でいい、というのは活け花を知らない。
  また、なぜかこういう宿は食事は別室(食事処)が多い。
  大自然をそのまま活かそうというのなら、宿の造りや接待などもそのようになるべきだ。
  中途半端がいけないということではなく、その宿の中の中心軸が見えづらい。
  その中心軸はどこでもいいのであるが、それがずれている時に、いらした方が「あら?」となんだか疑問に感じたり、あるいはそこまでいかなくともどこか違和を感じるのである。
  (もちろん、身心の調子が悪い時は、逆のことが起こる。ここはへんに高ぶっている所だな…と思ったのが、実は自分の胸椎7番一側が緊張していたためだけのことがある。
  感覚することというのは、それが識別しにくい微細なこととか、内的なものになるほど、感覚する者の身体状況に左右される、からである。)

雰囲気/ △
周囲/ ○△
イヤシロチ?/ ○
ビール/ △○
 (客室は瓶ビールだが、ロビーでは生ビールが飲めるため、食事までの時間をロビーで過ごす。)
部屋食/ ×
(別場所の場合→ 喫煙/OK)
食事/ ○
  豪勢な料理が、次々と運ばれてくる。窓(食事処)からの風景もいい。
  全てが大味なのだが、一般的には最高クラスということは分かる。
  (たとえば、有馬温泉陶泉御所坊の懐石から比べると、ここは×とも言いたいが、それだと基準が違い過ぎるため、○とした。
   …しかし、そういう基準に持っていきたいほどの食事、宿という意味では、確かにこのまま○でもいいのかもしれないが。)
(氷)水/ ○
  (頼んで貰った)
寝具(寝心地)/ △

金額/ 27000円~
通信環境(インターネットetc.)/ △
総合評価/ △×
今後/ ×
   塩素の湯であることを一般にも公開したら考えるかもしれないが…。
  (…とこれを書き終わって、ある場所で飲泉の湯をポット(実は氷入り)に入れていたら、「ここの湯は美味しいですか?」とある青年(青壮年?)に聞かれる。
   美味しいですよ、と答えたあと、話は嵯峨沢館との比較になってしまった。
   ひとしきり話が終えた頃、「で、あなたは何故そんなに嵯峨沢館のことを知っているのですか?」と問うたら、実は、嵯峨沢館の従業員なのだそうだ。
   (従業員が他の宿の温泉に入るとは… 素晴らしい!!)
   彼が言うには、嵯峨沢館は今でも源泉掛

綱吉屋

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月 8日(火)17時54分20秒
  地名(温泉名)/ 千葉 九十九里 白子海岸

住所/ 千葉県長生郡白子町古所3258

名称/ 綱吉屋

電話/ 0475-33-3903

ホームページ/ http://www.shirako.or.jp/4shuk/html/shuk38.html

交通/ 総武線茂原駅よりバスで30分。白子車庫下車。
    (あるいは千葉駅か大網駅からでも行ける。千葉からだと55分。大網駅からだと40分。下車停留所は同じ。)
    車なら九十九里道路で白子まで行き、海岸線を右に8分。

動機/ 自然療法(東城百合子著)を読み、砂療法に興味を持った私はぜひ白子海岸という砂療法に最も適しているという所に行きたく思っていた。
    その後、その頃スタッフでもあった鈴木昌枝女史(現在でも鶴川にてヨガの指導をされている。食事療法や西式健康法にも長けた素晴らしい指導者)に連れられ、この宿に泊まった。
    しかもここは、東城百合子先生も愛用の宿であったらしい。現在は参加人数が多くなってしまったため別の宿を利用していると聞いた。

宿の簡単な説明/ ここは民宿である。
         この白子海岸には、民宿が17宿。ホテルが25あるが(2005年11月調べ)、その中でも最も古くから行っている宿で、この海岸の民宿の長的立場。
         …と言っても偉ぶるところは「全く」無く、すべてはこの宿の女将さんの気さくな親分肌的な人柄のためだろう。
         そういえば、この海岸に住む人達の人柄の良さは独特で、同じ田舎でも山中と海辺は違うのであろうか、刃に衣を着せぬおおらかな開放的な感がある。(その代表が、「おばちゃん」こと、ここの女将さんだろう。)
         和10室。収容人数35名。…とインターネットでは掲載されていたが、離れの二階が現在は閉めているので9室が正しいのと、人数が多い場合は近くの簡易ホテルをとってくれるので、(ちなみに私は砂療法の時はそこが多い)収容人数は50名は大丈夫だろう。
         駐車場(乗用車20台)。

チェックイン&アウト/ 午前10時(!!)~午後2時(!!)
         これも民宿のなせるわざであるが、上記は私の体験している限りの事であり、実際の時間は決まってはいないのであろう。
        (ちなみにチェックインで午前1時という時もあった。これなど、ホテルなら許されることであろうが、旅館はもちろんのこと人情溢れる民宿でもまず考えられない。(当たり前だ。)1990年位からの長年の付き合いなので許されることなのだろうが、皆さんは決して真似しないよう。)

風呂/ ××× ステンレス性は珍しい。
        男1女1(入れ代わる)
        ×を連続して書いたが民宿ということでは△かそれ以上である。(このコーナーは温泉宿を含めた比較ということである故。

※なお、ここでも大事な事を言っておきたいが、こうした評価というのは、あくまで私個人の感覚的評価であって、たとえば、ここの風呂でも「素晴らしい!!」と思う人も多いと思う。(実際、私も個人的には人情がここまで届いていて大好きなのだが、その大好きと他との公平な比較とを考えても、ここの場合は公平な比較を優先して×を付けざるを得ないと思ったということである。)
 そのように、お風呂に限らず、一般的にみて、かなり独断と偏見の評価そして感想の文章になっている。
 それが、良い評価ならいいのであるが、悪い評価の場合は、宿の方々にも申し訳なく思う。
 しかし、私は、①私個人の感覚を曲げて言いたくはないし、また、②多くある温泉ブログのように、あたり触らずとか、良い所だけの紹介や、紹介した宿の良いところだけをピックアップする、という事もしたくない。③「買ってはいけない」という本ではないが、「ほんもの酒」(日本消費者連盟著)によってどれだけ私は、本当の酒に触れ、酒の本質を得ることが出来たか。
★良い演奏や絵画に触れることによって、耳や目を育てるということがある。(これは絶対だろう。)
 ある方が講談社新書にて、二流のものを聞かなくてはいけない、と書いていたが、耳を育てる時期には(つまり何かを学ぶ最初の時には)、二流のものを聞いては、どれがいいのかが潜在意識に伝わらずごちゃごちゃになりやすいのである。
 これと似たことが、幼い時に別の国に移り、他言語を学んだケースにもある。(6歳以下で、バイリンガルを作るのは脳に負担があるようで、独特の頭骨と頚椎、仙椎状況になる。)
 話を戻して、耳が育ってきた人には時折り、これはちょっと…ということに触れると、ああなるほど、と分かるのである。
 そういう意味でも、この掲示板を読者がどのように活用されるかは別として、ここは酷かった、ということもこの掲示板には書いていきたいのである。
 ④また、これには、こうして公開することによって、日本の温泉宿(あるいは民宿、ホテル)のレベルアップにも繋がる、とまで密かにしかも偉そうに思っている。
  もちろん「大河の一滴」にもならない微々たる促しであることは重々承知の上だし、その位が自分の本分としてもいいのかもしれない。
  ともあれ、良い酒紹介という類の本が出回っていたところに先述の「ほんものの酒」が登場し、その中で、ケンビシは○○と、名前をきちんと書いて否定したことによって、大きな一石が(これは一滴ではないだろう)消費者に投じられ、それこそ「『買ってはいけない』は買ってはいけない」という本が出たように、様々なクレーム、反響は大きく起こったのだが、それによって実際どうなったかというと、消費者の感覚が向上し、それに伴い、本当に美味しい酒が市場にどんどんと出回ったのである。⑤もちろん、宿自体の批判だけの意味では批判はしない。加仁湯についても、あれだけ世間で絶賛を浴びているところであるからこそ、一人だけでも批判をしたく思うのであって(そういう意味では結構天の邪鬼なのである。)、私の評価は、もしかしたら世間で人気のところに対してはつい評価が厳しくなってしまっているかもしれない。
 また、湯質について書くのはいいが、それ以上の部分でコメントを述べるのはという意見もあるかもしれない。
 確かにその通りで、「自然」という題名がついていると、どうしてもそれ以外のことでの言及が疎まれる感はある。
 ただ、宿の紹介でもある以上、そして宿が人によって経営されている以上、どうしても接客のことには触れざるを得ない、と考える。
 そして、そこで食事をとるなら食事についてもそうであるし、宿のある場所についての土地についても言っていきたいのである。
 これでも短くそれぞれについて纏めているつもりであるが(つい饒舌になってしまうところはご勘弁下さい。)、「氣道」的に見て、「ここは外せないな」と思うところは忌憚なく、しかし否定的なことはできるだけ円滑に書いて行きたいと思う。
 (ただ、ビールの項は、私のようなビール好きの人しか当てはまらないであろうが…)

 宿に泊まるということは、氣道的に言うなら、其処の自然(宿を含め)をどのように捉えるか、だと思う。
 つまり、その場(湯も含め)の自然と、宿という人為的なもので創り出される一つの調べを聞く作業なのではないか。
 宿は自然と人(宿自体)との「統合」なのである。
 この掲示板では、日光澤温泉のような自然の秘湯も紹介したが、それはその場所柄、すべてがいわゆる外の自然の一部的な場所なので、どうしても外の自然のことが中心になってしまう。
 逆に、もう片翼の、人(宿自体)の意味の重要性を考えれば、たとえばホテル案内があってもいいだろう、とまで思う。(実際、そうしようかと考えていた。)あるいは、こうした温泉自体に興味を持つ方にとっては、氣道の切り口を拡げるという意味でも、美味しい処や癒しスポットの紹介もいいと思う。

 …と、話は別にいってしまったが、そのような理由で、私は、昨日、この掲示板に
「「現在の私にとっては」、温泉に行くことは、私にとって音楽活動と同様、大きなプレッシャーであり、単なる義務であることをここで、小休止を兼ねて言っておく。
 キース以上あるいは同等の演奏ができなければ音楽活動は停止したいし、この「『自然』掲示板」もこれが少なくとも日本の温泉の捉え方を変える原動力に少しでもなるのでなければ、即ち、上記の如く単なる温泉ブログに陥るのなら(それこそ書き方は、上記の如く単なる温泉ブログの形式で敢えて書いているが…))、ここも停止したく思っている。」
 と書いたのであった。(既に消去済。)
 今後も、上記の主旨で、掲載していくつもりであるが、これをご覧の方々は、私という風変わりな人間のフィルターを通しての評価、感想であることは、再々の繰り返しになるが申し上げたい。
(そして、この掲示板を活用するためにも、上記の意味で、慣れてきたら、私が×とした宿にもぜひ行って戴きたい、と願っている。)

別風呂/ ◎(5重マル)
      風呂は砂浜であり湯質は砂である。
      清水次郎長の子分がフグ中毒になった時に、砂に埋められ一命を取り留めたように、砂というのは非常に毒素吸引力がある。
      だからこそ、自然療法の東城百合子さんは、毎年砂療法を行っているわけであり、実際、癌をはじめ多くの慢性病の方が、劇的な体質改善をとげられている。
      土療法というのもあるが、それは自宅の庭に体を埋めるものであるが、傍の木々が枯れてしまうのが難点と、やはりどうせ埋まるのならば、毒素吸引力の強い、サラサラの良い砂がいい。
      そういう意味でも、私たちは九十九里の白子海岸を選び、しかも海開きの前の6月末に行っている。(海水浴シーズンだと、それらの毒素もあるのではないか、と考えてだが、白子の砂なら関係ないのかもしれない。)
      また、猪苗代湖の砂も良いそうだが、(そして実際そうなのだろうが)山の砂と海の砂とは別と考えている。
      毒素吸引力という意味だけでなく、山の氣と海の氣とは違うと思うからである。
      また、毒素吸引力という意味でも、たとえば海辺に死んだ魚を置いたらすぐに砂に帰るように、土以上に海辺の砂は「死んだものを元へ還す」力が強く感じる。
      なのに、生きているものは生かしめるのである。
      生きているものが砂という大地の懐に抱かれる時、その個体の中での死んだものはすぐさま排泄処理されんと吸引され、そしてそれは残酷なほどに厳格に行われるのである。
      そのため、多くの毒素や老廃物を持っていると、個体としては排泄に伴う「痛み」などを感じることも多い。(好転反応とかメンゲンと言う。それが出る可能性のある方は、氣道では半身浴的な入り方や、その人に合わせた入り方を指導している。)
      そして、その毒素は身体だけのことではなく、心(潛在意識)にも関係する。
      実は、心的な(本来、体と心を分けるのは変なのであるが)部分、つまり細かい部分においては、砂より湯のほうがいい、湯の感覚が母体の羊水と似ているからだとも思う。
      しかし、砂の中の心理的な面での毒素吸引力は凄まじい。
      これは、白子の砂だからなのかもしれないが、今現在抱えている悩みを思い出しにくくする程の圧倒的な吸引力がある。
      砂に寝そべり、見えるのは水平線だけで、自然が味わえる…といった光景のなせるわざではない。
      身体部位として特に変化のあるのは胸椎9番を代表とする肝臓(即ち呼吸器系統)であるが、骨までもが変わる。
      そういう意味では、瞑想法としても滝行(こちらは山の行)と遂になる極致の修行法、心身改善法とも言える。

 (★さて、ここで一つ知っておいて欲しい「入浴法」を紹介する。
   それは「中毒風呂」(毒出し風呂)と言われる入浴法である。
    砂療法の素晴らしさは分かったが、それを手軽に家庭でもできないものか、という方にもお薦めである。
    実際、私たちは、肝臓や腎臓に負担のかかっている方(つまり慢性病や重篤の方、アトピーや喘息などの方)にはよくお薦めする。
    行い方は簡単。37度位の湯に入る。だからかなり温い。
    寒くてはいけないので37度にとらわれなくとも良い。
    湯には予め粗塩(コップ一杯以上。かなり多くても可)や好きな天然入浴剤やミセルなどを入れておく。
    入ってから徐々にゆっくりゆっくり湯温を上げる。(追い焚きが無理なら熱い湯をつぎ足す)
    20分くらいはかけて43度以上(その時の体調によって体感は異なるので何度とは言えない。ちなみにコレラの時は、50度以上になるだろう。排便要求があるのがコレラの常なので中で特殊な例だが、その場合は湯内で排便したほうが良い。)にして、熱いなこれ以上は入れないな(心臓の打ち方が20%以上上がったらあとは感覚で良い)という感じになったら出る。
    野菜のあく抜きと同じで、かなり体内(そして心内)の毒素が湯に出る。だから、食べ過ぎの時など、湯がどろどろに濁ることがある。
    心内と書いたが、たとえば入院中の方を見舞ったあと調子が悪いなど、なんか「憑いた」ような感じの時も、この入浴法を行うと(場合によっては数回)サッパリするのは不思議である。
    汗を通して、潜在意識など自分の内側にあったものが排泄されるのであろう。
    そのように、体を通して心やそれ以外までも変えられる一つの証拠にもなる体験が得られることもある。
    皮膚疾患のある方はその後、一気に噴き出すがそれはその皮膚疾患自体が排泄反応であるのだから、その後はおさまってくるのが通例。
    入浴前と後にコップ一杯(浴後はもっと飲んで良い)の生水を飲むといい。
    個人的体験であるが、私はこの入浴法によってかなり激しいキノコ中毒から一命を取り留めた体験がある。
    前述の東条百合子先生も「自然療法」の中で、砂浴で調子が悪い人はこういう入浴法を…、と薦めているのが、この「中毒風呂」なのであり、その意味では、砂浴以上の毒素排泄能力もある面はあるが、これはこの十数年の様々な経験から言うと、①臨時に強力に行いたい時は中毒風呂、②砂浴と中毒風呂は同じ排泄誘導法ではあるが、前者は直接毒素を吸引し、後者は温度刺戟と湯との浸透圧によって毒素を排泄誘導するという形態が異なり、違う面がある。単に毒を出すなら、砂浴か中毒風呂ね、といった名札(観念)のくくりではない面があるという事。
 (こういう名札(観念)でのくくり、というのは、他でもいっぱいしているのかもしれませんね。)
  そしてまた、違った側面があるからこそ東条先生も薦めるという事が分かったし、同時に、砂浴と中毒風呂とのコンビネーションの良さ、そして相乗効果がある、ことも最近分かった。(2004年。)
 砂浴同様、中毒風呂はかなり体力を使う面があるので、そのあとの仕事は入れないほうがいいだろう。(慢性疾患の方などには連日あるいは一日数回薦めることもある。)
 「風浴法(空気浴)」同様、一つの持ち駒にして戴きたい気持ちよい入浴法である。

湯質/ △×××××
      色→ 青あるいはエメラルドグリーン。
      理由→ バスクリン。
  しかし、ここの湯は実はなかなか良い。バスクリンなど使わなければ非常に良い湯で、鉱泉でかつ塩化物泉の範囲に入れたい効果を持つ。
      感触は 国府津の国府津館と似る。
      それよりも、さらに湯力があるのに塩素消毒(水道水のため)を行っているのが残念だ。

温泉力/ (上記、湯質を参照の事)
    なお、バスクリンは入れないよう女将さんに頼むべし。

連続湯治(どのくらい連日で泊まっていたいか。)/3日以上。(場所と接待が素晴らしい。)

接待/ ××× ~  ◎◎◎
     女将さんの接待は個人によって印象の差があるであろう。
     この掲示板では、個人的に感じるものを忌憚なく紹介してゆくと言っても、それだけでは納まらない感じがするのがこの宿の接待である。
     しかし、一度は、人情厚い、素晴らしい女将さんの人柄に触れて戴きたいと思うのである。

客室/ × 黴臭い事あり。
(泊まった部屋/ 色々)

景色/ × 千葉の空を見える場所もあるが現在は先述のように無し。

周囲/ ◎(3重マル)
    二泊すれば、そのまま瞑想誘導以上になる場所である。
    そのため、私は砂療法のあと、個人的に一泊余分に泊めさせて戴いた。
    景色や、見栄えとかではなく、ここの場所自体の空気が素晴らしい。

イヤシロチ?/◎(3重マル)
    上記の「周囲」に依る。(この点は、山奥に行かずとも、こんなにもトリップ(?)と感じるほどの「瞑想力」のある場所は珍しいと思う。しかも関東なのに。)
    山中のイヤシロチと海傍のイヤシロチとは表層感覚は全く違う。
    (そこで、以前は、滝行(山中の禊ぎ)のあと砂浴(海砂の禊ぎ)を連続して合宿形態で行っていた。)
    そういう面でも面白い。

ビール/ △
冷凍庫/ △
部屋食/ ×
 (この上記3点は、民宿なので都合もつくところはあるが、絶対に甘えて欲しくないところでも、個人的にはある。)

食事/ ◎~△×
 (旬のものを出してくれる。食事に氣がこもっているという意味でも◎だが、
  技術的な食事の美味しさを追求する人には×だろう。
  逆に言えば、ここの宿で食事は期待しない、と思う宿である。それなのに…人情溢れる女将さんと、その延長の食事が…ということである。)
(氷)水/ ×。

寝具(寝心地)/ △ (ただ、ホテルのようなパリパリとした糊の効いたものでないことはもちろん、女将さんが毎日、日に当てて干している。△なのは布団自体の古さもある。)

金額/ △○ 一万円。(氣道合宿だと割引価格になるが、かなり無理をしているようなので、「氣道会員なので」と女将さんに甘えないで戴きたい。もちろん会計後に氣道会員であることを言えばサービスもして下さるだろうが、料金については申し訳ないので会計あとにして下さるよう、切にお願い申し上げる次第である。)
(一人/) OK。

通信環境(インターネットetc.)/ ×△ (国民宿舎白子荘と同じ。)
総合評価/ △○
   ただ、砂療法をしない方にとっては、宿が民宿でもあるので、接待と宿自体の雰囲気との相性もあるだろう。
   (私的には、砂療法無しでも泊まっているぐらいなので◎である。)
今後/ ◎
   私は接待と食事の氣に惹かれる。
   「氣道」協会で砂療法を行う方にとっては3重マル以上にしたい。

二期倶楽部

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月 8日(火)17時51分18秒
  場所/那須高原

名称/二期倶楽部

電話/0287-78-2215

ホームページ/http://www.nikiclub.jp/

交通/東北新幹線で東京から75分で那須塩原駅。そこからシャトルバスで30分。

湯質/○△
    東館(内湯は塩素臭いラベンダー湯。(次の時はローズマリー湯であった)
       内湯奥の露天は○。東京純心女子学園温泉。
       浴室着替え所のデータを書き写す。
       ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)
        pH6・6。 源泉36・8度。 微黄濁(茶色っぽい。鉄分が多いため。)やや塩味、無臭。
        消毒有(浴槽を洗う時のみ)。循環無し。加水&加温有り。
        密度1,0001。
        イオン濃度。(総計2535)
        ・陽イオン(計723,9)
          ナトリウムイオン372,4、カリウムイオン17,9、カルシウムイオン228,3、マグネシウムイオン9,73、
          マンガンイオン0,5、第二鉄イオン5,4、アルミニウムイオン2,0、リチウムイオン0,1。
        ・陰イオン(計1373)
          フッ素イオン1,9、塩素イオン530,0、硫酸イオン183,0、炭酸水素イオン1020、臭素イオン、1,5、ヨウ素イオン0,6。
        ・微量物 メタ亜砒酸0,4、メタ珪酸42,1、メタ硼酸31,3、溶存二酸化炭素429,0、鉛イオン0,01、カドミウムイオン0,005、クロムイオン0,01、水銀イオン0,0005。 (平成15年7月24日調査)

    本館(塩素臭が強いが、さすがに温泉だけあって、時間差で、つかると、柔らかい肌触りである。
        pH6・5。透明で、強羅のある場所(ホテル・メルヴェール箱根強羅と強羅公園の中にある翠光館)にも似ていた。

    東館の露天風呂は、有馬温泉の孫という感じの色と味わい(塩分はもちろん有馬のほうが凄い)であり、関東で言えば、、強羅の早雲山の「早雲閣」の露天風呂の弟分(そこは硫黄分も多いが)であった。
     体的には、露天や本館のナチュラルな感触、神経系統に作用する感じと比べて、やはり、ダイナミックに、筋肉組織や自律系に来る感じで、肝臓や腎臓はもちろんであるが、特に胃に来る方も多いのでは、と感じた。

    なお、東館と本館の風呂以外に露天風呂が敷地内庭園にある。(ちなみにすぐ傍のブランコはとても気持ちが良い)
    ここの湯は本館と同じ湯質なのであるが、午前中だと塩素臭が非常に少なく、浴槽の縁の所に頭を乗せて体を湯に浮かせて「寝湯」をすると広大な空や木々が見えて最高である。

※【極秘情報】 →この露天風呂の手を洗うところの湯は、浴槽よりも少し熱めで、しかもいつ来ても塩素臭が少ない。
         そこで…ここに寝そべって入ることが出来る。 とても良い湯上がりであるが、三角の底に骨盤が嵌まりそうになるので、横寝しか出来ないし、読者は決して真似をしないように。(おそらく現地に行っても、皆さん、まさか、と思うか気付かないだろうが。)

温泉力/○△

食事/◎(5重マル。なお、ここは食事のみも可)
     素晴らしいの一言である。あんなに美味しいフォアグラを食べたことはなかった。私は、鶏のレバーも美味しいのを知っているが、だからこそ、フォアグラだったらもっとのはず…との感を、何処に行っても拭いされなかった。(もちろん帝国ホテルや、フォアグラの専門店でも…)ところが…。まるで、ミデアムのようなレアも味わえる焼き心地。
     他の食事も同様。(マスタケ、チタケ、アオタケ、etc.のキノコの盛り合わせも絶品。)
     特に野菜の旨さは絶品で、朝食のサラダは何のドレッシングも要らないほど。
     (ナスはまるでリンゴのよう。(那須のナス)ピーマンも生で絶品。柿も皮まで美味。
      敷地内で有機栽培をしているのだが、ここまで美味しい野菜は今まで食べたことがない。
      パンもだった。どのパンもパンを食さない私が感動する味であった。)
 (また、深夜には、なんと部屋(全室が離れであるのに)まで、夜食を届けてくれる、がそんなサービスはここでは特筆にもならない程である。)
 酒も同様。ビールも那須の地ビール(しかも世界一をずっととっている)は、ビール通の私もビンビールとは思えない味であった。(注/そのビールは、注文できるようだ。クール宅急便で、(でないと、常温だと40分で味が変わってしまうのだそうだ。ソコテッシュ・エール、スタウト、ナイン・フォッグス・テイルがいいらしい。比熱処理は勿論だ。ぜひ頼みたい。那須高原ビール株式会社。)
 そういうわけで、「厩の食卓(横浜で地ビールを出すところ)」の話をすると、「そこは、その会社の弟分でして…」と話が盛り上がった。私がそこでピアノを弾いていたことも語ってしまった。
     朝食は、バルコニーのテーブルでトンボたちと一緒に食べた。(食器にもすぐとまるのが可愛い)

※【極秘情報】 → これまた本当に極秘で、しかも特別サービスということであったのだが、二回目に訪れた時に、ルームサービスをお願いしたところ、特別に手配して戴いた。(迷惑になるようなので真似しないように、というか断られるであろうが…)
          ルームサービス付きのプランというのが元々東館にはあるのだが、本館でも行なってくれた。(しかも、ルームサービスは東館でもフルコースメニューのみとなっているのを、一品料理で注文させてくたれた。(ごめんなさい!) しかもしかも、生ビール(850円)や上記の那須高原ビール(1500円)まで運んでくれた。(ごめんなさい、ごめんなさい)

喫煙/◎    あえて、このコーナーをつけた。というのは、食事は、実は部屋食ではなく、別室なのだが、そこは禁煙。そこで、キャンセルすると食事のオーダーに注文したら、と紹介されたのが、さっきまで飲んでいたバーであり、そこの責任者の伊藤さんという方が、酒や煙草(パイプやシガー(葉巻))にとんでもなく詳しい方で、パイプ党の私ではあるが大いに学ばされたのであった。(しかし、私の吸っていた銘柄は分かるまい…。パイプとワイシャツがダンヒルであることは分かっても。)
   体癖は閉形3種。その前に日本人ならぬ速度と動作があったので伺うと、日系の方であった。素晴らしい知識を持っている。(話は違うが何とエアジンも知っていた。)

客室/◎ 吹き抜けコテージ。(パビリオン)  まるで別荘のようである。
景色・ロケーション/◎…内から見える景色はまあまあであるが、(次の周囲に続く)
周囲/○ (…つづき)自然の風景である。穂高を思い出す。麻原先生と一緒に行った時のことを思い出す空間であるのは、那須であるということよりは、高原であるからなのか…。
    とにかくその時の穂高と全くと言ってよいほど似た雰囲気で、トンボとキノコと友達になった。
    周囲の散策もいい。沢や、そのそばに偶然あったぶらんこもまた良かった。
    次は本館に泊まりたい。(ただ本館は、独特の匂い(臭気)が少しあった。私の父の排便臭に似ていると言っても誰も分からないだろうが、まあ少し古い匂いだ。骨董屋さんの匂い。あまり空気が動いていないことは確かだ。)
    床暖房や自然な暖房も快い。

寝具/◎
    コテージであるので、ベッドであるが、ここのベッドは今までで一番良い(京都のグランビアのベッドの寝心地に凝ったものより気持ちいい)。
    シルク様のシーツや布団の生地がいいのだろう。
    そう考えると、旅館でも、様々な布団がある。
    それ故、この項目を作ったのであるが、たとえば「きのくにや」の寝具は、固いにせよ馴染む。
    (多くは、殺菌のためか、『せっかく温泉で変わった肌が寝具によって逆効果になってしまう』のが残念である。
     この問題は、大きく捉えていきたい。だからこそ、周囲の空気も大事となるわけだが、
    それよりも、「宿では、起きている時間の三分の一以上(場合によっては半分)が寝ている時間である、ということを考えたい」のである。
    …実は、そこに、温泉選び、宿、ホテル選びの鍵があるのかもしれない。
    その意味では、場が①、接待が②、そして…となるのだが、寝具の問題は少なくとも③にはなるだろう。)

接客/◎(5重マル)
    気配り、接待の自然さ、どれをとっても高級ホテルでもここまではなかなか無い。

インターネット/△ 東館ではバルコニーでないと繋がりにくい時あり。なお本館は全く繋がらない。

金額/80000円。(東館。49号室。パビリオン、メゾネットタイプ。ただ私は、一休ドットコムからの予約だったため、60000円程で泊まれた。ちなみに、ホテルの予約同様、一部屋あたりの金額なので、二人で泊まっても同料金である。
   なお、通常、東館は47250~105000。本館だと29400~99750。)
総合評価/◎(五重丸)
   (和室好きの私としては、洋室は、今までと同じ感じで、あまりになじみがあり過ぎる空間で、ホテルに来ているよりは、別荘に帰った感じであった(部屋に戻る時は自然に「ただいま」と言ってしまう感じ)ためと、金額の高価な点を考えると二重丸ではある。
    ただ、これだけ自宅に住んでしまったかのように当然に思えてしまうのは、全てが行き届いた配慮の賜物なのだろう。また、その他の配慮、施設etc.を考えると五重マルだろう。
    機会があれば、今度は、本館の14(やや小ぶりだが囲炉裏がある)か19(こちらのほうが部屋的にはいいらしい)、あるいは22に泊まりたい。
  (その後、本館14、19、東館スィート43に行く。14は暗いのが難点。(46000円)19は渓流沿いで電話応対をしてくれた方(境さん)一押しの薦めであったが渓流沿いで明るく、庭にもそのまま出れてとても良かった。(薪の暖炉も使える。60000円)東館スィート43は、ある雑誌に温泉付きと載っていたので、ぜひ一度と思っていた所。

    温泉は東館の黄湯と同じ(湯力は客室のほうが何故かある(しかも毎分10?位は掛け流しになっている。循環は行なっているのではないか。)が、しかしこの湯のために3万円程upは考え所。)、二つあるスィートの内、暖炉ではなくミストサウナの方にさせて戴いたが、家庭用のミストサウナということで、これは期待外れであった。部屋は一回目泊まった形と同じでメゾネットタイプ。また来てみたい。)

日光澤温泉

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月 2日(水)21時23分54秒
  地名(温泉名)/ 日光国立公園・奥鬼怒温泉郷の奥。
       (女夫淵からは一般車は通行止。徒歩1時間半。秘境である。)
住所/ 〒321-2717 栃木県塩谷郡栗山村大字川俣

名称/ 日光澤温泉

電話/ 0288-96-0316
ホームページ/ 無し
交通/ 八丁の湯、加仁湯、手白澤温泉、そして奥鬼怒四湯の最奥にあるのがここ日光澤温泉。加仁湯を通り抜け、さらに奥へと歩いて10分程。、このルートをさらに奥へ行くと、鬼怒沼へ抜けられる。(詳しくは加仁湯をご参照ください。)

宿の簡単な説明/ 大自然の中、昭和初期の小学校校舎のようで、昔のままの姿をとどめている。
 他の三湯が増築や改築で近代化されているのとは対照的。ぜひ、一度ここに泊まってみたい。
 玄関の前に、紐のぶら下がった鐘がつり下がっている。最初、玄関を開けて大声で呼んだのだが誰も出てこない。ご用の方は鐘を鳴らせとあったのだが、どこにも無い。外に出たら、神社の如く鐘がぶら下がっている。一回、がらんと鳴らすとおばさんが出てきた。

風呂/ 露天 2(混浴。)
    内湯 混浴1 (←これは入れなかった。宿泊者のみ)
湯質/ ◎(三重マル)
 数少ない天然自噴100%。消毒・循環・加水・加熱無し。
 二つある露天の内、上のほうは透明の湯。
 源泉より二本入っており、一つは塩味。もう一つは錆(鉄)味。
 とても柔らかい湯で重曹も含まれているらしい。
 下のほうの湯は、加仁湯以上に青みががったエメラルドグリーン色の硫黄泉。
 三本の源泉は、一つが塩味、もう二つが硫黄臭だった。
 入った感じも加仁湯と酷似するが、こちらのほうが人がほとんど入らないためか大自然の純粋なエネルギーを感じる。
 素晴らしい泉質で、加仁湯だったらAが上かとも思ったが、ここはそれを超えるかもしれない。まあ、個性が若干違うが…。
 名湯と言えよう。
 絶景を見ながら大自然の懐(羊水)に浸った。

温泉力/ ◎(三重マル)
     加仁湯が格段とパワーアップした感じ。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ◎
  少なくとも2泊三日。できたら一週間。(この鄙びた山小屋校舎にて合宿ができたら。)

接待/ △×(インターネットで見ると、酷いというのが随分あった。)
客室/ ?(入浴のみだったため。)
    まあ布団の上げ下げは自分だろうし、期待はできないが。
景色/ ◎
周囲/ ◎ 大自然。(…というか、ここに宿があること自体が不思議な感じ。秘境である。すぐ上にごく小さな神社がある。)
イヤシロチ?/ ◎
        裏の橋の下(川のほとり)に直径3メートル以上の大きな岩があり、そこは非常に素晴らしい瞑想スポットである。(そこからの景色もまた絶景)

食事/ ? (まあ期待は全くできないだろう。)
水/ ◎  宿前に湧き水がある。個人的には八丁湯の湧き水のほうが柔らかく甘いので好みだが、ここも非常にスッキリ(スッキリすぎるほど)した味。姥子や九頭龍のご神水と共通する感じがした。(ここが一番強いのは山のエネルギーのためか…)

金額/ ○ 8500円~  温泉のみ500円(一般の人お断り。登山者のみ。)
総合評価/ ○ (泊まっていないので分からないのだが。
         しかし、八丁湯や加仁湯に来て、そこから15分かけてここに来ないのは本当に損である、というか、それらが単なる全くの前座の前座であることを知ることになるだろう。)

今後/ ○ ぜひ行きたいが、果たして、ここまでどのような手段で行くか…。
      一般車はここまで入ってこれないし…。
      あっ、そうだ。
      ヘリコプターで行くことにしよう!

加仁湯

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月 2日(水)21時15分18秒
  地名(温泉名)/ 奥鬼怒温泉
住所/ 〒321-2717 栃木県塩谷郡栗山村大字川俣871

名称/ 加仁湯


電話/ 0288-96-0311(電話予約のみ)
ホームページ/ http://www.naf.co.jp/kaniyu/
交通/ (車)東北自動車道宇都宮ICから国道121経由で約2時間。
    (電車)東部鬼怒川線鬼怒川温泉駅~栗山村営バス女夫淵温泉行きで1時間35分、女夫淵温泉下車(すごい山道! バスの運転手さんの名人芸が見られる。(特に対向車が来た時)思わず拍手したくなる)~送迎車利用(宿泊者のみ。そうでないと徒歩1時間半。これまたスゴイ道。今度は、舗装されていない所もあるジャリ道でトランポリン状態。
 大自然の山奥を車が走る。)

動機/ 郡司勇(温泉チャンピオン)薦める九州別府の鉄輪(カンナワ)温泉のような真っ青な湯に入ってみたいと思っていたところ、自遊人の写真に関東でも青い(青白い)温泉が!しかも自遊人の編集部員が自腹を切っても行きたい宿に挙げているのも魅力だ。
   (本当は手白澤温泉のほうが青く映っているのだけど、加仁湯からさらに2時間(しかも山道を徒歩で!)なので諦めた。)

宿の簡単な説明/ 標高1350m。天然のウッコウイワナが泳ぎ、ブナの原生林が広がる鬼怒川の源流部、奥鬼怒温泉郷の正面に屏風岩を望む「秘湯中の秘湯」の一軒宿。(なので登山者の利用も多い。)
 創業は昭和9年。和48室。洋4室。
チェックイン&アウト/× 12時半~翌10時。(9時に送迎バス。11時20分もあるらしい。すると日光澤温泉(徒歩15分)にも行ける!)

風呂/ ○ 秘湯中の秘湯と言われるのに、宿は様々な客層が満足できるような工夫をしている。
    男女別大浴場 / 各1(これが一番熱め(42度位)で長湯しない人には良い。)
    混浴露天風呂 / 3(混浴だが透明度は10~20㎝程度とかなり濁っているため夜間は女性の利用客も多い。)
    女性専用露天風呂 / 1(渓流沿いの第一露天風呂。モミジが庇代わりとなる風流な風呂。)
    貸切露天風呂 / 3
  (紅葉の季節(10月中旬~下旬)だったため、特に人気がある渓流を見下ろすように造られた最も大きい第三野天風呂露天風呂から清流を隔てて正面に見上げる屏風岩の周囲が美しく色づき、一幅の絵を見るかの如く(夜はライトアップされる)だが、大自然の中の一つの風景というだけではあるので、個人的には絶景というわけではない。もっと山が見えるのが良い。冬の雪見風呂も風情があるらしい。
   しかし、私は長湯ではないので、(景色を見ながら、入るのが好みというわけではない(特に湯から下が温かく上が寒いのがいい、などというのは毛細血管の異常現象ので)、
    基本的に露天風呂からの景色よりも、宿の窓からの景色のほうが断然重要と考えている。)

湯質/ ◎
    含硫黄-ナトリウム-塩化物炭酸水素泉。(湧出量300リットル/分。ph6・3他。源泉55~60度。)
    敷地内に5本の源泉が湧く。(掘削動力揚湯。もちろん消毒&循環&加水(季節によってはある)&加温無しの源泉掛け流し)
    5本の源泉は成分や効能が微妙に異なるが、体感(&内感)としては基本的に同じ。
    第三露天風呂が湯質もいいが、一番の好みは内湯であった。(湯質と温度も)
    なお、効能は多種多彩。
    (先述の自遊人の編集部の一人は花粉症の季節に訪れてから、その後症状が驚く程軽くなってしまったらしい。)
    源泉の日本は硫黄分が多いので空気に触れて白濁するが、その他は白い湯の花がちらほらする程度。ここは前述したような白濁の濃さだが、エメラルド・グリーンにやや青みが入った感じ)でAを彷彿とさせる。(実は、色だけでなく体感も味も…。異なるのは、こちらのほうが柔らかいというか薄い感じと、水が高山水(当たり前だが)のためか透徹なエネルギーも感じる。こちらのほうが良いという意味ではない。)
    味は弱い塩味(その部分がAと違う)、硫黄臭は強くない。(これは郡司さんと同じ感想である。)

温泉力/ ◎ 肌に柔らかい濁り湯。塩味(ナトリウム)があるからと言って、濁り湯に塩を入れてもこの効果は出ない。この土地の力を感じるが、それは、何かを人に訴えたい、という感じではなく、ただ、そこに佇んでいたいという感じがした。
 A付近のご神氣は感じないが(大自然のご神氣という意味で湯は感じられたが)、きっと以前はもっとそういう神々しい感じだったのだろう。そんな感じがするのが残念である。
 ただ、この湯は、山の清水的な感触も背後に感じるので、その部分は評価したい。
 (これは、八丁湯も同じである。)

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ せっかくなので翌日に手白澤温泉に行くという形がお薦めだろう。(なお当日は八丁の湯に日帰り(500円)で入るべし。加仁湯から徒歩5分なので。)

接待/ △
    可もなく不可もなくだが、勝手にやらせてくれるのがいい。不満無し。フロント内にいる女将の力量を感じた。

客室/ △
    宿は、山中としては近代的な設備を整えた立派な建物だが、箱根近辺で言えば普通の旅館である。(かつては山小屋風の宿だったらしい。)
    しかしまあ、こんな山奥によくこれだけの建物を建てたものだ。
    (温泉を掘るだけでも信じられないことなのに。)
(泊まった部屋/ 積善館425 窓からの眺めは第三野天風呂と同じ。 )

景色/ ○
   (露天からの眺めは前述。)
周囲/ ◎
   (大自然&山奥。)
イヤシロチ?/ ◎
        ただ、泊まるならこの場所でないほうがいいかもしれない。(食事の問題が大きい。)
ビール/ アサヒスーパードライのみ。
冷凍庫/ 有りなので助かる。(しかしもともとが少しヌルイ。)
部屋食/ ××× 60畳位の宴会場のような所で皆で一斉にとる! ここは合宿か?
 (別場所の場合→ 喫煙/ ↑それなのにOKである。)
食事/ ×
   奥鬼怒地元で採れた山菜や川魚がメインの山菜川魚膳ではあるが…。
  (別注料理で、鹿刺しや、熊刺し、サンショウウオの天ぷら等の珍しいものがあるが…)もうちょっと味も工夫を。
   ともかく食事処が上記なので、しかも一斉にgoなので(もちろん、全ての料理が刺身だろうが天ぷらだろうが鍋だろうが一度に来る)幼い時の林間合宿を思い出す。)
   しばらくすると、隣のカラオケルーム(!そういうのがある。)から声が大きく聞こえ始める。
   もはや、お笑いである。
   山奥の宿にこれだけの人数が一斉に集まっているので仕方ないのかもしれないが、そしてもちろん、この宿自体が奇跡だとは思うが…それでもちょっとどうだろう。
   ともあれ、湯の素晴らしさ、周囲の大自然の全くの逆である。
   氣の道からレールがガンと外れる。(その意味では手白澤のように6室くらいのほうが色々な意味でもいいのだろう。ちなみに手白澤は美味なフランス料理なのだそうだ。ここが「食事」のコーナーなので…)
   昨日、一昨日は250人だったそうで、今日は100数十人なので静かなほうなのだそうだ。
   (今、食事処でこの文章を記す。)

(氷)水/ ○
  水道の水も地下水。

寝具(寝心地)/ △ (ごく普通。)

金額/10650~(本館)。12750~(積善館)。(泊まったのは15900の部屋であった。)
(一人/)○ (10畳間が空いている日ならOK。12050~)
通信環境(インターネットetc.)/ ×

総合評価/ ×
      食事でぶち壊しである。大自然が好きな人なら、こういう宿ではなく一軒家などに泊まったほうがいいであろう。

今後/ △
    大自然の山奥をあまり体験していない方にはお薦め。
    私自信も素晴らしい体験だったが、4時間以上かけて行く意味が個人的には無い。    しかし日光澤温泉に惹かれ、そして再確認のため行くかもしれない。
    (湯質も。Aとさらに比べてみたい。…と書いた数週間後、Aに行き較べてみた。やはりAは凄かった。勝ち負けならAの勝ちであるが、しかし湯質の違う部分も確認できた。★温泉も人と同様、その人というのが、その湯というのがかけがいのないものなのである。そして、そうした「いのち」「氣」「自然」の上で評価することの難しさよ。次に行った日光澤温泉にも書いたので、せめて加仁湯についての評価はこれ以上は口を噤もう。)
    しかし、温泉通なら一度は行かないといけない(?)宿ではあるかもしれないが…。
    余談になるが、ここは珍しくトイレの流れが逆(普通は右回りに水が落ちる)の所である。そういう意味でも、「運気」を変える良い場所にはなるであろう。
    …か。
   (なお本来なら上記「宿の簡単な説明」の項か「湯質」の項に入れなければいけないのであるが、最後に大事な紹介を一つ。
    この加仁湯は訪れる誰もが「なぜこんな所に温泉を探せたのか?」という疑問を抱くことであろう。(トランポリン状態のバスの中、あるいは一時間以上、傾斜ある山道を歩けば誰もがそう思うのでは。)
    その理由は、鹿の足跡である。
    この加仁湯では、フロントの待合室にも熊の剥製や熊の皮の敷座布団が沢山あるが、夫婦淵の下に「マタギの里」というバス停留所があるように、こういう所はマタギしか来ない。(マタギとは… 知らない人は…辞書をひいて下さい。)
    加仁湯の主人もマタギであり、ある時、鹿を追っていたところ(ああ、加仁湯の鹿刺身の味を思い出す。)、鹿の足跡があり、さあ、追うぞというところで、良く見ると、その足跡に5ミリにも満たない小さな糸くずが…。
    湯の花である。
    それで、ここ(加仁湯)が掘られ、そして実際に噴泉したのである。
    その後、ここでは他所でも掘られ噴泉しているが、その時々の喜びの声はスタッフはもちろんのこと宿泊者も歓喜ではなかったか。
    まして、その一番最初の時と言ったら… 。
    やはり左回りの神秘なのか。)

八丁の湯

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年11月 1日(火)22時33分24秒
  地名(温泉名)/ 日光国立公園・奥鬼怒温泉郷
住所/ 〒321-2717 栃木県塩谷郡栗山村大字川俣876

名称/ 八丁の湯(八丁湯)

電話/ 0288-96-0306/0155
ホームページ/ http://www.8tyo-no-yu.co.jp/
交通/ 加仁湯から徒歩5(~10)分。(詳しくは加仁湯をご参照ください。)
動機/ 「加仁湯にいくなら、そのすぐ近くにここがあるので是非行きましょう。」というW氏の薦めによって日帰り温泉をすることに。

宿の簡単な説明/ ログハウスは良さそう。(山小屋風の本館も良さそうだが、実際に宿泊したW氏によると「古いので、宿に求めなければいい」そうだ。)
    加仁湯と違って旅館風ではないのだから、好みが分かれるのでは?
風呂/ △
    露天 4(一つは女性専用。残りは全て混浴。)
    内湯 男1女1 (←これは入れなかった。)
湯質/ ○~◎数少ない天然自噴100%。敷地内の8ヶ所で山肌から自然湧出。毎分約220リットル。源泉温度48~51度の高温。消毒・循環・加水・加熱無し。(温度調節は湯船に入れる湯量(木筒の中を湯が通る)で調節)
 名湯と呼ばれる温泉に多い泉質だそうだ。中性低張性高温泉。
 露天で良かったのは、最初に見えるところで、そこが一番の濁り湯。
 加仁湯の湯に入る前に、ここに来たのだが、ここは私の好きなAに似ているなと思ったら、pH7・3との事。なるほどアルカリの部分が大きいのためなのか、味も似ていた。
温泉力/ ◎
     浴後も、効果が「増す」感じ、いわゆる温泉の醍醐味が彷彿とさせる。
     これは、一番初めに目にする温泉(一番硫黄が強い)の効果でもあるが、その左側の大きな所(温度は低かったが)の効果かもしれない。そこは、湯質は柔らかく硫黄臭も少なかったが、湯の質感(エネルギーの充満度)は他の源泉よりも高かった感じがする。
     どの湯質も、温泉なのに、しかも低温なのに交感神経系に働きかけ、この「八丁の湯」ではおしゃべりが多くなる。
     おそらくは、皆気付いてはいないのだろうが、その人の会話のペースより早くなる。
     ここらへんが、アルカリ性なのに…などという科学的湯質の解析ではできない湯の不思議さであろう。
     そういうどちらの自律神経的な意味でも、八丁の湯は、元気になる湯である。
連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ×か…。
接待/ ○△(W氏によると昔は無愛想だったそうだ。)
客室/ ?(入浴のみだったため。)
    本館は16室、ログハウス棟は17室。(ログハウス棟には、トイレ、洗面台、バルコニー有り。)どの部屋からも、電線やアスファルト道路などの人工物が目に入りにくい様、配置。部屋からの眺めでも標高約1400mの豊かな自然を堪能できるそうだが、W氏が以前泊まった時は、布団の上げ下げは自分で行ったそうだ。
景色/ △
    入っている方々は感動していたが…。

    やはり『温泉(自然)に行き、外なる自然を味わう前には、その前に内なる自然を得ることをするべき』だと思った。
    そのためには自分の体を整えるのも一法だが、体を整えるとは、身心を純化するという意味であり、単にその個体の中で元気な意識化が訪れるわけではないことは再記したい。
周囲/ ○ 大自然
イヤシロチ?/ ◎
食事/ ×食堂での学校の給食の感じ。(W氏談)

水/ ◎◎(四重マル)
   宿前に湧き水があるのだが、これは今まで飲んだ水の中で一番個人的には好きな味であった。
 (山中の湧き水なのに、アルカリ度合いが低い感じだし、酸化還元度合いも低くクラスター(分子構造)も細かい感じがした。)
金額/ ×本館9,600 ログハウス棟11,700 温泉のみ500円(9~16時)
総合評価/ △加仁湯よりもいいのかどうかはW氏の意見を聞きたいが、見た目は(加仁湯には泊まったが)どちらもどっちかもしれない。
今後/ あの水はもう一度ぜひ飲みたい。

女夫淵温泉ホテル

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年10月25日(火)20時52分52秒
  地名(温泉名)/ 女夫淵温泉。 日光国立公園・奥鬼怒温泉郷。

住所/ 〒321-2717 栃木県塩谷郡栗山村川俣字荒井蛇880-2

名称/ 女夫淵温泉ホテル

電話/ 0288-96-0001

ホームページ/ http://www.meotobuchi.com/ (←なのだがアクセスできなかった)

交通/ (車)東北自動車道から日光宇都宮道路に入り今市ICから国道121号線で鬼怒川方面に向かう。
       鬼怒川、竜王峡を過ぎ川治温泉の手前で、左折し、県道152号線を川俣方面へ向かい約35Km。終点が女夫淵温泉。
       東北自動車道宇都宮ICから約2時間弱。
    (電車)東部鬼怒川線鬼怒川温泉駅~栗山村営バス女夫淵温泉行きで1時間35分、女夫淵温泉下車。(すごい山道なので、バスの運転手さんの名人芸が見られる。(特に対向車が来た時)

風呂/ 露天 12
    (12の露天風呂は「天女の湯」と「布袋の湯」が女性専用でそれ以外は混浴。
     数十人入れる大きなものから5.6人入れる小さなものまである。
     また、夏の間だけ温水プール「人魚の湯」が開設される。(私が行った時は水は空だった。)この温水プールだけが水着着用可能になっている。
     混浴とはいえ女性客も多く、男性も女性も気兼ねなくお風呂を楽しんでいる。お風呂によって、熱いお湯、ぬるいお湯、広さ、深さ、渓流や緑の景色が違うが、湯質はほぼ同様。
     どの風呂も絶景である。)

    内湯 ? (←宿泊していないため情報が分からないため)

湯質/ ○
    源泉かけ流し。消毒・循環・加水・加熱無し。(毎分1200リットルもの湧出量)
    源泉52度。 PH6.5。ナトリウム塩化物泉で白濁ややエメラルド。
    湯の中には白い湯の花も浮かび、その湯葉のような佇まいは、まさに湯に舞う花びらであり、外の自然と全く矛盾しない感じで、今まで最高の美しさだった。
    味は、塩味と硫黄臭。
   (これは、奥鬼怒川温泉の基本ベースであるようだ。
    これが、更に上に行き、八丁湯~加仁湯~日光澤となるにつれ、味もそうだが、段々と白濁湯のほうは、白濁度合いが濃くなり、それと共にエメラルドが濃くなり、日光澤では青みも呈する。
    しかし日光澤まで行くのは、日本でチベットのような秘境を探すような余程の物好きな方だろう。)

温泉力/ ◎ 良い湯である。
       肌は濁り湯では最高の類(Aにやや落ちる程度)、肝臓、呼吸器、腎臓はよく緩む。
       砂療法同様、前日どんな暴飲暴食をしても数分で解決してしまうだろう。
      (最後に、足湯をした。
       半日たった今もって温かい。
       湯の効果は、一番は入るタイミングと出るタイミングであるが、二番目は温度、そして温度の加減(これは温泉では温度差のある複数の湯船がないと出来ない。
       その意味では、自宅のほうが有利である。
       三番目に湯質… としたいのであるが、あまりに湯質が良いと、上記の二番目とこの三番目の湯質とが逆転してしまうことがある。さらには一番目までも。(たとえば食後直後でも大丈夫な湯も多い。)
     (まあ、さらに、名湯を究めたい方は、ぜひ前述の、八丁湯~のコースを…)

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/ ×
    (①ここが秘湯といっても、更なる秘湯がこの上にあるためと、②ホテルの宿泊は一般的な感じなようだから。)

景色/ ○
周囲/ ○ 自然。
    (ここまでが自家用車で来れる限界の場所なので、そうした自然の中で湯に入るという醍醐味は味わえる。
     そういう意味では、一般人が自然の中での露天となると、ここが限界かもしれない。)

接待&客室&食事/
  (インターネットの情報や見た感じでは通常のホテルで可もなく不可もなくらしい。)

イヤシロチ?/ ○
        食事/ ? (まあ期待は全くできないだろう。)

金額/  13000円~  (日帰り入浴1000円。8時半~15時。)
     年中無休。

総合評価/ ? 泊まっていないので分からない。

今後/ ×  もし、ここまで来られるのなら、どうせ…、とさらに上まで行かれるのも一手。
       ただ、さらに上までは行けないが(人間業ではない?)という方は、それらの泉質をここでも充分に味わえるだろう。

箱根 「萬翆楼福住」

 投稿者:劉邦(&湯気)  投稿日:2005年10月23日(日)17時05分6秒
  場所(地名(温泉名))/ 箱根湯本

住所/ 〒250-0311 神奈川県足柄下郡箱根町湯本643

名称/ 萬翆楼福住

電話/ 0460-5-5531

ホームページ/ http://www.2923.co.jp/

交通/ 小田急線箱根湯本駅から徒歩5分。

動機/ 箱根で重要文化財になっている貴重な旅館と聞き、またここは歴史や伝統という意味だけでなく「福住楼」や「環翆楼」のように湯もとても良い(真綿で包まれるよう)と書かれていたため。

宿の簡単な説明/
 創業は寛永2年(1625)。
 箱根かごかき唄に「晩の泊まりは箱根か三島ただし湯本の福住か」とうたわれ、江戸時代から旅人や湯治客に親しまれていた。
 明治12年(1879年)、十代目主人の福住正兄(まさえ)が、西洋建築と数寄屋造りが融合する、意匠を凝らした建物を完成させる。
 その建物(現在の旧館)は現存する希少な擬洋風建築として国の登録有形文化財となり、神奈川県からは“かながわの建築物100選”に選ばれる。
 また、昭憲皇太后、有栖川宮熾仁親王、木戸孝充、井上肇、伊藤博文、福沢諭吉、市村羽左衛門、尾上菊五郎、河竹黙阿弥といった多くの文人墨客が宿泊。
 萬翠樓の名は明治9年(1876年)木戸孝充公が逗留の際に命名。

風呂/  露天 1つ。
     内湯 男女一つずつ。(朝夜交替)
     (浴室は少し平板な印象。)

湯質/ ○
 自家噴泉。(素晴らしい源泉を持つ)源泉100%掛け流し(消毒&循環&加水&加温無し)ph8・72。(アルカリ単純泉)
 「真綿でくるまれるよう」という表現もあながち嘘ではなく、湯の柔らかさでは福住楼を彷彿とさせる。(phでは福住楼よりも上。)
 (なお、露天のほうが温度が高かった。そのため内湯のほうが、湯の滑らか度合いは強い。)

温泉力/△
      湯は柔らかく、すぐに体の内側にしみ入る感じがあるのであるが、その効果の持続力が福住楼に較べて少ないので温泉力としては、もう一つ。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/
 湯治目的だけなら、箱根なので、ここでの連宿でなく「日帰り入浴のはしご」をするとか天山湯治郷のほうがいいだろう。

※話は違うが、子供は温泉どころかお風呂も嫌いであることが多い。それは子供に体力がある証拠だが、極端に嫌うのは親御さんの入浴のさせ方に問題がある。(子供は敏感なのだから、湯の温度や湯質、入る時間も、その子に適するようにすると良い。)
 体が古くなるに従って温泉の良さを感じるものだが、老人や体力がない場合を除いて、皮膚から湯の成分を吸収するかの如く入り方だけでは、体がかえって弾力を失ってしまう。
 毒も少量なら薬となり、薬もまた時期を外したり度を越せば毒になる。何を活用するのも、そのタイミングと度合いが重要。
 湯をどのように活用するか…
 子供のように湯を感じ、そして湯を通して子供のようになろう。

接待/△
    仲居さんは、伝統ある極上の対応とはいえないが、箱根の特上レベルはこんなものかもしれない。(生意気ですね。)
    接待は、京都や金沢など地方のほうがいいような気がする。
    どうも関東の接待は、本人の気持ちと仕事とが分離している感じが若干する。
    人の心に触れるということの根本は技術ではない。しかし、箱根は腰椎5番か1番に重心がくるタイプの仲居さんが多く、そういう方は落ち度は少ないが技術で接待しようとしがちである。
    腰椎2番や3番に重心がある仲居さんは人情はあっても粗雑になりやすい。
    箱根でも古くからの仲居さんには腰椎4番に重心のある方が多く、その中でも、ここの仲居さんの宿に泊まりたいと思わせるのは恵比寿であるが、現在は宿泊は不可能になっていることを知り残念に思った。
    ただ、同家の「知客茶屋」という美味しい食事処(早雲豆腐や麦とろろ定食で有名)に行けば、その素晴らしい仲居に会える可能性はある。
    仲居さんと言えば、仙仁温泉の岩の湯は、「どの仲居さんもが、自分の宿に対する愛情と責任をもっていて、どなたもが女将さんのよう」で素晴らしかった。(この宿は、金沢の浅田屋同様、本当の気遣いとは何かが学べる宿の一つである。)

客室/○
 泊まった客室は別だが、翌朝、女将さんより招待された素晴らしい客室のオンパレードには絶句。
(そのそれぞれの説明も詳しく聞き感動した。)
 箱根の寄木造りのような、否それ以上の造りや、少し移動するだけで見え方が変わってしまう障子、隠し電話、トイレ等々…
 おそらく箱根では随一の伝統と格式のある宿であろう。
 古くより、文人は福住楼や環翆楼に泊まり、財政人はここに泊まるそうだが、そのたとえが読者には一番分りやすいと思う。
(泊まった部屋)△× 10号室(小さな庭しか見えなく、時折だが車の音も聞こえる。泊まるなら2階より上、特に4階が言いだろう。)

景色/× (泊まった部屋のせいだろう)
周囲/× (庭を歩けるといってもすぐ国道。)
イヤシロチ?/ ○△
   (決して悪い場所ではない。実は、目の前を走る国道や橋さえもが、この宿の持ち物なのである。
    この宿の氣の質によって胸椎10番や腰椎部に独特のセピア~オレンジ~金色的な引き締まりが得られることからも、この宿にしみ入る歴史を楽しく感じ味わえば「金運」を高める効果もありそうだ。(それも桜庵や箱根吟遊などのような臨時のものでなく、ジワジワと影響する効果で、その意味では強羅環翆楼とにているが身体変動の場処は少し異なる。)

ビール/ キリンラガー(冷えている。生ビールは無し)

部屋食/ ○ (ただ今回は、団体なので別部屋のほうがかえって良いと言われてそうした。そこもとても良いところであったので正解だった。)

喫煙/ 食事処でもOK。

食事/ ◎
  (金沢の浅田屋の初代柿右衛門まではいかないが素晴らしい食器であった。
   料理も旬の料理で美味しい。)

氷水/ ◎
    ここの水は水道から出るのも全て湧き水。

寝具(寝心地)/ △ (標準クラス)

金額/ ◎ 箱根でこのクラス(有名所)で二万円以下は安い。
      18000円~ (一人だと25000~)
一人/ ○

通信環境(インターネットetc.)/

総合評価/○(85点以上)
    (箱根の温泉に行くのなら、ぜひ一回は。ただ上記したように二階以上の部屋に予約しましょう)

今後/ △
    もう一回行きたいが、それは再度この宿の歴史や特に湯の質を確かめたいからである。
    ただ、ここは福住楼や環翆楼ほど一人で行っても落ち着く感じはないだろう。そのため両親と行くとしても最初は福住楼などに行きたくなってしまうのは私の性質だけでなく、この宿にある財政人が愛する氣質のせいなのだと思う。

http://npo-kido.com/j-j.html


箱根探索記(1)

 投稿者:湯氣  投稿日:2005年10月23日(日)16時59分40秒
   ある日、指導部長(「鬼の道」創始者とも言われる。実際、氣道とは卑弥呼のやっていた鬼道と関係があるのだそうだ)から呼ばれる。
 「日本の身心文化でもある氣の道(氣道)を深めるにあたって、感覚を鋭敏にする事こそ肝要。そのためにこそ【健康法のエッセンス】を初め氣道の各種methodがあるが、感覚が鋭敏な者は必ず皮膚感覚が傑出している。」
 うぉあ!いきなり始まりましたか。
「逆に言えば、近代以前の日本人の直感力、感覚が優秀であったのも、皮膚感覚の鋭敏さから齎されているのかもしれない。それと、日本人が入浴を最も愛する文化を持つ事とは何らかの関係もあるだろう。皮膚の鋭敏さを育てる上で、短絡的な手法ではあるが、皮膚からのアプローチ探究を君にはお願いしたい。」
 いやあ…、しかし砂療法も裸療法も、滝行も普段の入浴法も、足湯もキュウレイコンも、氣道での皮膚からのアプローチはみんな経験済みだけどな…。
「会報の中での休憩ページとして、貴方には、ワダモさんと並記の形で、会報読者の参考になるような温泉情報を提供して欲しい。」
 なぁんだ。温泉に行けって事か。簡単にそう言えばいいのに…。
 了解、了解。嬉しいなあ、温泉に行かせてもらえるのか…。
「勉強は常に自腹で行うことによって、文字通り、身に「付く」。あと細かい事は編集部長に伺うように。私はこれにて御免。」
 えぇっ…、そ、そんな…、ただでさえ貧乏暇無しなのに。
「大丈夫よ。」
 ぅわあっ、今野さんて女神みたい。
「…でもね、交通費と入浴料は自腹でねっ。」
 そ、それ以外にかかるお金があるのか?…
 今野さんて魔女みたい。
 ならば…取る道はただ一つ。近場で、かつ安い所だ!
 氣道の勉強のため横浜に在住している私にとって、そんな場所は箱根しかない。調べると、結構ある。当分ここだ。
「湯氣さんのコーナーが人気が出たら、私も考えますよ。」
 ああ…、経理部長、何て嬉しい励ましのお言葉か!
「スタッフとみんなで遠くに行くこともあるわよ。(きっと…)」
 ああ…、魔女さま、最後の「きっと」が不安ですが…。
 とにかく頑張りますので、会員の皆さま!このコーナーは面白い、参考になる、続けて欲しい、などウソでいいですから、掲示板やFax(045-261-3304)でお知らせくださいね!

★今回の情報→箱根道中 弥次喜多の湯
 湯本で大人気の湯。2000円?。「温泉の湧き出るホテル、旅館の概念は一切なく、食事を出さない新しいタイプの宿。」と本にあるように、湯で勝負し
ている。ところが…源泉掛け流し、一部(20%)循環と掲げながらも、どこも塩素臭い。実は全て消毒済みだそうだ。よって×。(最初から×か…)

★皆さんにおススメの本→女性のための「ホンモノの温泉案内」松田忠徳著 寿郎社1200円

http://npo-kido.com/j-j.html


神奈川県 箱根 「萬岳楼」

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年10月19日(水)22時35分3秒
  場所(地名(温泉名))/   仙石原 (神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1251)

名称/ 萬岳楼

電話/ 0460-4-8588

ホームページ/ http://www.bangakuro.com/

交通/
(車)小田原厚木道路小田原西IC箱根口から国道1号を経由して登山鉄道沿いに約40分。
もしくは東名高速道路御殿場ICから国道138号を利用して約25分
(列車)新宿から小田急線の特急「はこね」など利用で約1時間25分の箱根湯本駅下車。
箱根登山鉄道に乗り換え約40分、終点強羅駅下車。そこからタクシーで約10分(千円ちょっと)

動機/ あるホームページでの感想で箱根の秘湯とのことで目を引いたため。その後、自遊人のにごり湯特集(2005年)に、箱根随一という感じで「どうです?この鄙びた風情は」というようなコピーでここの湯の写真がA4一面に載っていた。
    今回は、前回調べきれなかった山中の雑木林という場所の身心への影響を観たかった。(特に、潜在意識の中に入り込んでいくような場所なので、その感覚の及ぼすところを確かめたかった。)

湯質・温泉力/ ◎
 源泉100%掛け流し。(消毒&循環&加温無し。加水については下記。)
 酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉(旧泉質名 酸性-含塩化土類石膏泉)硫黄泉。 (pH2・9。酸っぱくて美味しい。色は白濁でほんの少しだけ緑と赤が混じる。)
 64・7度の源泉がそのまま注がれているため非常に熱い。(なので加水のみ「自分で」行う)
 温泉力は非常に強い。
 大涌谷から非常に近い(厳密には3番目。1番目は仙石原でそこから二手に分かれる)ためだろう。
 強羅周辺のにごり湯の中では最高だろう、と思っていたら、源泉(注1)は今述べたように強羅ではなく仙石原と同じなのだそうだ。
 亜硫酸的な影響なのか特に呼吸器に刺激が来る。
 柔らかくもダイナミックな湯質。
 最初は特に皮膚に直に感じるのがにごり湯の特徴だが、そのため塔の沢のようなアルカリ単純温泉のようなスーッと肌から内側に(まるで潜在意識までにも)浸透する感じというよりは、強力なエネルギー(特にここの湯はエネルギーが強い)が肌に迫る感じである。)
 そしてまた、全く同じ湯(もちろん供給元も。源泉かけ流し100%で。)でも、宿によって、かなり湯質が違い、それによって体への影響(特に度合い)が異なるのが面白い。
 全く同じ湯でも、早雲山(強羅)の「山田屋」のように、日に何回も実際に職人が入って、露天のどこの場所でも同じ温度になっているか、湯質はどうか、などのチェックをする宿は、かなり説得力のある湯質になっている。
 また、そのような「宿による工夫」以外に、「場が与える湯への影響」も大きい。
 その意味では、実は、『私たちは湯に入る前に湯に入っている』のである。

 食も、その土地でとれた旬のものが良いように、湯も同様で、そうでなければ、湯がその場所とは違う体験となってしまう。
(それもまた家庭の入浴のようで面白いし、また、一つの文化として有効的に活用することもできるだろう。)
 ともあれ、ここの湯は、源泉のエネルギーをそのまま貰えるような感じではある。
(同じ近場のにごり湯でも芦の湯松阪屋本店は、皮膚感覚よりももっと直接内側にも来る感覚がある。これは松阪屋の湯がアルカリ性ということもあるのだと思う。
 もしかしたら、アルカリ度が高いほうが、直接内臓に浸透するのかもしれない。
 しかし、アルカリ単純泉は女性好みで、体が温まるだけの優しい湯と勘違いされやすいが、人間の女性同じように、優しさと同時に非常にたおやかな真の強さが感じられる。
 アルカリ単純泉と女性は相似象なのである。ちなみに、にごり湯は男性である。

 さて、特ににごり湯は、「混ぜてから入る(湯あみ)のと、入った後で混ぜるのは触感(内感)がかなり異なる」ので、ぜひ試して感覚の違いを味わって欲しい。
 混ぜると急に、肌に柔らかくミルクのような調べが訪れる。まるで豆乳(?)の中に入っているよう。(視覚的だけでなく。内感的にも。)
 ここの場合だと、肝臓にもジワッとくるのが内感(注2)できる事があったが、うまく入ると、体が細くなり最後は骨も無くなりかけ背だけが残る。物理的身体も、足が浮き始める。
(この脱力して「足が浮く」ということは滋賀の池田医師にだけは語ったことがあるが、一つの符丁(サイン)にはなる。(にごり湯のため湯の密度が濃いからということではない。鉱泉でも良い湯だと浮く。)どういうサインであるのかは、もっと研究したい。)
 ともあれ、ここが非常に良い湯であることは間違いがない。

 また、箱根という場所が、数メートル離れるだけで、源泉が、全く違う湯質(もちろん内感も)のことが多いという事実は面白い。

 注1/仙石原や萬岳楼に引いている大涌谷の湯は厳密には源泉ではない。…というのは、大涌谷から湯が湧くのではなく、大地から出ている蒸気(だからあの大涌谷の蒸気は湯の蒸気では無いのである)の場所に、溜めておいた雨水を通して温泉湯を作るのだそうである。
 注2/「内感」とは、体のどこに影響があるのかを調べるために、自分の体の内側を感じ調べていくことを指す。(温泉の場合は、湯に入る前、途中、入った後でそれを行っている。)
  ちなみにCTスキャンのように内感して調べてことを「内感スキャン」と言っている。どれも「氣道」の造語である。)

  露天 1つ。
  内湯 男女一つずつ。

連続湯治(どのくらい連日で入っていたいか。)/
 一日(一泊二日)ではもったいない湯(そして周囲の自然)であろう。
 一回の入浴が2分足らずの私であっても、ここでは3分を越える時もあったし、また朝も2回入りたくなった。(これは、私の体状況のせいだけではないと思う。)
 さて、にごり湯、特にここのような新鮮なものは体とのギャップによって効果が出る側面があると思っている。
 (たとえば大涌谷にずっといれば亜硫酸ガスで死んでしまう。しかし、その毒こそがこの周辺の湯の温泉力を作っている。毒も薬も使いようは、玉川温泉の放射線の例だけでは無い。)
 まあ、湯治目的でなければ数日であろうが、体によっては、数週間滞在したらいい人もいる。(その位、ここの湯には偏らない温泉力があるという意味である。)

接待/ △ 素っ気ないが温かみはある。家庭的な対応。(行き届いたサービスや細かい配慮はない。)従業員もおそらく家族だろう。(聞いてみたら実際そうだった。女将のおばあちゃんは怖くて困るが、あとのお孫さんたちはとても良い感じである。女将は京都の女将達になられる方を、今でもここで教育しているのだそうだが、それを聞いて家族関係など全てが分かった気がした。)

客室/ ○
 木造民家のよう。レトロというか寂れたというか鄙びたというか…。少し薄暗い。
 私は好みだが、鄙びたところが嫌いな方は(入った時、少し黴臭く感じる部屋もある)、本館ではなく平凡な純和風の新館がいいだろうが、それだとせっかくのこの宿の良さも味わいにくいかもしれない。(本館は壁も薄い。二階の音が聞こえるので、二階が良い。)
 ひめ沙羅という角部屋に泊まったが、ベッドも(源泉風呂も)ついていて良かった。
 下記の金額にある一番安い形で泊まったが、ここに泊まったという天皇陛下(昭和)や、滞在された文豪たちは、どの部屋に泊まったのか。
 壊れかけた卓球台脇の「マッサージ機」が、どの温泉よりも性能の良い新品なのかは不思議で面白い。
(泊まった部屋/ひめしゃら)

景色/ ○雑木林のような庭園。 この自然環境は静養するには最適。

周囲/ ◎強羅から早雲山に向かう(ひめしゃら通り)の途中なので、うっそうと緑に覆われた山の中腹にある。周囲は民家もなく、箱根とは思えない自然の中。何万坪の敷地。周囲の樹木も数百年の樹齢らしい。通り沿いから少し入った一本のひめしゃらの木は樹齢250年だそうだ。宿の造りからも東北の湯治宿のよう。
     働く若者がドタバタしてても気にならない、静かな佇まい。

イヤシロチ?/ ○ ここはイヤシロチである。

ビール/ △× 生ビール無し。サッポロ黒ラベル。(卓球台脇の冷凍庫で冷やした。)

冷凍庫/ × 冷蔵庫も無し。

部屋食/ ○
喫煙/  部屋食なのでOK。

食事/ ○△
 いかにも旅館料理というか豪華な家庭料理といった内容と味。(天ぷらや刺身の盛り合わせ、季節の蒸し物や牛肉鍋などが所狭しと並ぶのでかなり量的に食べ応えがあるが、刺身の切り方も厚手だし、私的にはもっと質的な満足を求める。贅沢を言えばだが。)
 5時半くらいに食事が来たのは驚いたが、ゆっくり食べていると(8時までに食べればいいのは他と同じ)、「朝に食器を出してくれればいいので、布団を引かせてください。」と言われる。これは宵っ張りにはありがたいだろう。
 つまり、『自由がきく』ところがあるのが、この宿のとても良いところである。

氷水/  頼めばやってくれる。(二杯目からは有料なので、必要なら、氷は一応買っておいたほうが良い。それを源泉で冷やして飲むのも酔い醒まし(?)にはいいだろう。これは湯質の良い温泉宿に泊まった時にお薦めしたい。特にここの飲泉は肝臓がよく引き締まる。)

寝具(寝心地)/○ (ベッド付きの部屋ならベッドで寝ることも可能。シーツもごわごわしていない。)

金額/15000~だが、電話で頼むと2000円勉強してくれる。(朝食抜きだとさらに1000円引き)
 「風呂付き客室」が白濁の源泉に入れるのでお薦め。18000円。(&23000円&25000円。これも上記通りの勉強有り)
 ついでに言えばベッドの好きな人なら、その事を予約時に「その部屋はベッド付きか?」と聞いてみるのも良いだろう。


一人/ OK。(+3000円)

通信環境(インターネットetc.)/ 悪い

総合評価/ ◎と○の間。
      (湯と閑けさを求めるなら、お薦めしたい。ここには、田舎に行かなくとも味わえる閑静がある。)


今後/ すでに二回来ている程なので、また来るかもしれないというか、今後は、ここでの合宿、すなわち「正しい『温泉の入り方』&氣道合宿」というのも面白いかもしれない。

 ──── 外は、静かに雨が落ちる。    (萬岳楼にて)

「『自然』掲示板」新設に当たって②

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年10月19日(水)22時12分18秒
  それ故、現在、私が自然(温泉)に行く理由は以下の5つである。

①皆さんに、良い場所を(そして悪い(?)場所も)公開する。
  (悪い場所については、できるだけコメントは少なくしたい。なお、温泉以外も公開していきたい。たとえば、ホテルはもちろんのこと、とっておきのスポットや場合によっては食事処なども。)

②それには、私自身(あるいは身心の感覚に優れた者か、外なる自然に詳しい者)が、実際にその場に赴いて、公開の任に当たらねばならない。
  (現在、様々な方がブログその他で自然や温泉の紹介をしているが、その方々の個性に応じて感じることが異なるのは当然だが、そういうことの無いように統一できる方に委託した。それでも、筆記者によっては個性が生じるため、読者は自分に合った報告者を選んで欲しいと願っている。
 同時に、私たちは、それぞれの場所、湯を真剣に「感覚」していく。)

③そして、実際に自分自身が外なる自然によって身心が変化できるような研修の場にする。
  (外なる自然の活用法といっても、それはあくまで活用法で単なる薬になってはいけない。個人指導の際に「温泉にでも…」と言っていた先述の如くを自分に与えてはいけない。
   つまり、自然(温泉)に行くことが個人的な単なる疲れを癒すリフレッシュになってはいけない。
   真剣に感覚し(①)、場所を選び公開する(②)のためなのだから、行く前からの準備、すなわち「氣道」のメソッドを通して「内なる自然」を喚起した上で現地に赴く。
   実際、「内なる自然」を出来る限り求めた上で、行くのとでは効果の意味も雲泥に違う。それは、自分で自働運動など「氣道」のメソッドを行った上で、他力である整体などを活用するのと同じである。
   もちろん逆も真なりで、私が外なる自然を通して内なる自然の必要性を感じたように、整体を受けて初めて「自分にも力があるのだ!」と感じ、健康法なり自分での工夫をするということもある。
   きっかけは何でも構わないのだろう。)

④研修の結果を、この掲示板以外でも還元していく。
  (この掲示板を通して情報公開としての還元だけでなく、自然(温泉)での研修によって得られたものを、「氣道」での他の仕事(整体やヨガ、各種講座)に還元していく。
   そして、これは自動的に、良い自然(温泉)に行くと、その後少なくとも数日は、そうなっている。
   その意味では、逆に言えば、「氣道」の指導(整体、ヨガetc.)の質を高めレベルアップし、会員を初めとする皆さまに還元するためにこそ自然(温泉)に行っているとも言える。
   同じ理由で、私は「氣道」設立前より、様々な研修(セミナー参加、膨大な読書やテープ購入)を行ってきたが(その金額はゆうに家一軒分以上であろう)、この数年はそうしたことは殆ど行っていない。
   「氣道」の定義を改めてから、私にとって自然に浴することは、現在他の何よりの「氣道」研修、研鑽になっている。
   そこではセミナーなどでは学べない「技術」以外のものが得られるからであり、それこそ私自身が皆さまに「氣道」を伝えるために必要な研鑽、研修であると実感している。
  (ともあれ、私の体や指は、自分自身のものというより、「社会に還元するための『公器』である」と思っている。そのため、自身の身心を整えることに関しては、たとえ経済的にきつくとも、また他から見て贅沢と映ることであっても、躊躇することを潔しとはしてはいけないと自覚している。)

⑤この掲示板で書いた所に皆さまとご一緒し、そこで「氣道」を伝えたい。
 [自然で「氣道」を伝えたい]

  (内なる自然と外なる自然との統合を目指すためにも、常に道場だけでなく、自然の場でも指導していきたい。
   そして、そうした試みは、他の団体でも行ってきたことであるが、単にいい場所とか、講座が行い易いとか、観点の統合が出来ていなかったため成功していなかった気がする。そうした事のないよう、場選びはもちろんであるが、現実的な様々な観点からうまく実現させ、ぜひ、(外なる)自然の中での「氣道」合宿を行いたい。

(以上、5つが主なる理由であるが、現実上もう一つあることを正直に告白する。)
⑥原稿と企画を行うことがある。
  (これは、落ち着いた場所であると、すらすらと原稿が書けたり、企画が浮かんだりするためである(作家が温泉に滞在する理由も分かる)が、余裕がある時だけにしている。
  もちろん、それも「氣道」協会のためではあるが、上述の5点こそが重要なのであるから、そのため、移動中から寸暇を惜しんで、意識を滞在場所に移して、体感そして筆記をしていることだけは申し上げておく。)

 ────この「『自然』掲示板」が、会員読者の身心の健康や「氣道」生活のお役に立てば幸いである。

「『自然』掲示板」新設に当たって①

 投稿者:劉邦  投稿日:2005年10月19日(水)22時10分59秒
   この掲示板は、上記の説明にあるように、「健康法としての外なる自然活用法ページ」である。
 (実際は、「健康法」と言うよりは「氣道(自然に沿って生きる道)を深めるための方法」と表現したほうが良かったかもしれない。
 しかしまあ、「氣道」を深めるための手段として「健康法」そして【健康法のエッセンス】があるわけなので、それでもいいのだろう。)

 私は、幼いときより、あるご縁で、長野の穂高という場所に長期の休み毎に連れられ、自然の中で息し生活することの大事さを教わった。
 そして、子供であった私自身にも「やはり自然の中にいると、体も心も違ってくる」という実感が常に感じられた。
 ところが、都会(といっても神奈川県の藤沢の海の近くだが)に戻ると、その感覚が日が経つに連れて薄れていってしまう。
 これでは「自然」が薬みたいなものだ。
 そこで私は、都会であってもそうした感覚に戻ろうと工夫をした。
 その頃行っていたヨガでは、神は外(ブラフマン)だけでなく内(アートマン)にもいる、と言う。
 その概念に惹かれていたからもあって、私はヨガをはじめ禅や東洋医学など様々な修養法に興味を持ち、その実践研究に励んだ。
 結果として、30歳の時に、それらを纏め、「氣道」という会、メソッド(【健康法のエッセンス】)を作ることになる。
 新しい私の旅の始まりであり、また内なる自然を得るための旅の総決算でもあった。

 その後、私は、外の自然には目をくれず、どこにいても自然の中で暮らしている時のような身心づくりを提唱し続けてきた。
 15年程経ち、ある温泉(福住楼)に行ってから、その頑に守っていた殻を破ろうと思った。
 今まで私は日常のストレスにまみれる方に、その人が「氣道」のメソッドをうまく使いこなせていない時には、あるいはそれでも対処できない時には、「温泉でも行ったらどうか…」と言っていた。
 つまり、一時的な薬としての外の「自然」活用である。
 しかし、自分自身がある温泉に行って、しかも、その時も身心の調子は良かったというのに、そのことによって健康度が(もちろん瞑想の深さも)変わったのであった。
 内なる自然を…、と目指してからちょうど30年経ち、私は外なる自然に対する鎖国を解いた。
 そして、解禁したならばと、その活用法を模索し始めた。

 (つづく)